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NASAが計画する、ローコストでハリケーンなどを観測する「無人気象観測グライダー」

このプロジェクトの基になるPrandtl-Mの試作機

 NASAは2日(米国時間)、迅速かつ経済的な気象現象の観測ソリューションとして無人の小型グライダー「 Weather Hazard Alert and Awareness Technology Radiation Radiosonde (WHAATRR) Glider」が開発中であることを明らかにした。

 これは、火星の大気中を飛行するために設計された「Prandtl-M」を基にしたプロジェクトで、従来の手法よりも早く、かつ信頼性の高い情報を提供でき、国立気象局の支出を最大で17億円ほど削減できるとしてアームストロング飛行研究センターが開発に取り組んでいる。

 アイデアの公募によって開発が決まったこのグライダーは正確な情報を迅速に提供することで、飛行機の不必要な欠航を減らすなどの経済的なメリットがあるほか、新しい気象現象の評価モデルの構築を前進させる可能性があるとし、開発に期待を高めている。

 このグライダーの試作品には幅約90cmほどの2層のカーボンファイバーの翼が予定されており、高度6,100mから観測気球から切り離して飛行させるテストが計画されている。また、将来的には開発の初期段階のうちに高度30kmで切り離し、ソフトウェアとハードウェアが正常に動作し、予定の航路で飛行できるか試験することを計画している。