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米海軍、潜水ヘルメットにシースルーHMDを組み込んだシステムを開発
~視界がゼロでも周囲を“見る”ことを可能にする次世代潜水活動システム
2016年6月7日 17:50
アメリカ海軍は2日(現地時間)、次世代の潜水活動システムとして「Divers Augmented Vision Display (DAVD)」を開発していることを明らかにした。
DAVDは、次世代の潜水活動システムで、海軍海洋システムコマンドの1つであり、技術支援を行なう「Naval Surface Warfare Center (NSWC)」パナマシティ局にて開発が進められている。
DAVDシステムは、高解像度のシースルーヘッドアップディスプレイ(HUD)を潜水ヘルメットの内側に直接埋め込んだ、AR(現実拡張)型のシステムで、映画「アイアンマン」やMicrosoftの「HoloLens」のように、視界端にダイバーの現在地や周囲の環境を常時表示するセクタソナー、文章、図表、写真、動画を表示できる。
リアルタイムでさまざまな情報を表示できることで、沈没船や墜落した航空機などの目標到達へのナビゲーションを行なったり、周辺の物体などを表示し、状況認識をサポートするといったことが可能なため、ダイバーがより安全にミッションを遂行できるようになるという。
DAVDシステムは、水中での建設やサルベージ操作などを含む、さまざまなダイビング任務のために使用可能。最終的には、同様のシステムを民生用途でも使用できるという。
現在は開発の第2段階として、ヘルメットとフルフェイスマスクの両方に対応したシステムコンポーネントの設計に取り組んでおり、水中のシミュレーションテストは10月に実施予定。
2017年には第3段階としてフィールドテストを行ない、さらにシステムを強化するほか、高解像度ソナーや水中ビデオシステムなどを開発中で、DAVDと統合することで、視界がほぼゼロの状況下でも周囲を“見る”ことを可能とするという。