イベントレポート
Razer、モジュラー式デスクトップPC「Project Christine」を公開
~モジュール型SSDやGPUで構成。液冷により3GPUでもファンレス
(2014/1/9 06:43)
米Razerは、CESブースにおいて、独自のモジュラー方式を採用するコンセプトデスクトップPC「Project Christine」を参考展示している。すでにニュースリリースを元にした記事を公開しているが、ここでは会場取材で分かった事実を紹介する。
本製品は、平べったい箱のようなモジュールを本体に挿抜して作り上げるモジュラー式のPCだ。まだコンセプトの段階で、細かな仕様や価格は一切決まっていないが、CPU+メモリ、GPU、ストレージ類を共通の形状/コネクタのモジュールとすることで、ケーブルやネジを使うことなく、独自の構成のPCを自作できるという具合だ。
モジュールには、拡張カード類向けに少し奥行きのある背面用と、ストレージ類向けに奥行きの短い前面用の2種類がある。展示機では背面用に、CPU+メモリ、GPU1~3、背面I/Oが、前面用にスロットインBDドライブ、SSD1~2、前面I/O、オーディオのモジュールが刺さっていた。モジュールはPCI Expressで接続されており、ホットスワップが可能となっている(CPU+メモリは無理だと思われるが)。
これに加え、前面2段を使う、コントロールモジュールがある。これには4型程度のタッチ液晶パネルがついており、マルチOS構成では起動するOSを選んだり、動作中は、GPUに何が使われているとか、現在のCPU/GPUの温度など稼働状況がリアルタイムで表示される。ちなみに、これは説明員の希望的アイディアだが、液晶部分を取り外して、タブレットのように使えるようにできればとも語っていた。
もう1つ、最下段にはモジュール2つ分程度の厚みのある電源ユニットが内蔵。そしてこの中には、液体が満たされており、この液体は本体中心部を通じて、マザーボードやGPUに循環するようになっており、ハイエンド構成でもファンレスでの運用、オーバークロックも可能なのだという。液体の成分は油50%とミネラルウォーター50%で、電源ユニットの小窓から残量を確認できる。
価格面では市販品で自作するより高価になりそうだが、見た目のサイバーさや、そのコンセプトから会場では大きな注目を集めていた。商品化の次期は2015年の第1四半期をターゲットにしているという。