イベントレポート
【GIGABYTE編】超小型PC「BRIX」のHaswell搭載モデルを公開
~Haswell対応マザーボード、AMD A85X搭載マザーボード新モデルも
(2013/6/6 11:54)
- 会期:6月4日~8日(現地時間)
- 会場:
- Taipei World Trade Center NANGANG Exhibition Hall
- Taipei World Trade Center Exhibition Hall 1
- Taipei World Trade Center Exhibition Hall 3
- Taipei International Convention Center
台湾GIGABYTEは、“Haswell”こと第4世代Coreプロセッサ対応の新型マザーボードや、超小型PC自作キット「BRIX」のHaswell対応モデルなどを展示した。
手のひらサイズの超小型PCキット「BRIX」
手のひらサイズの超小型PC自作キット「BRIX」。見た目は、Intelが提唱するフォームファクタ「Next Unit of Computing」(NUC)対応の超小型PCのようだが、フォームファクタはGIGABYTE独自としている。ケースのサイズは107.6×114.4×29.9mm(幅×奥行き×高さ)と手のひらに余裕で乗るコンパクトさで、重量も約400gと軽い。パッケージにはVESAマウントアダプタが同梱され、液晶背面に固定して利用することも可能となっている。また、Wi-Fiモジュール、ACアダプタも付属する。
CPUを実装したマザーボードが取り付けられているが、メモリやストレージは未搭載。別途メモリ(SO-DIMM)とmSATA対応SSDなどのストレージを用意して取り付ける必要がある。このあたりはIntelが発売しているNUC自作キットとほぼ同じだ。
5月末に発表されたBRIXは、CPUとして“Ivy Bridge”こと第3世代CoreプロセッサおよびCeleronを搭載する4モデルをラインナップ。搭載CPUは、Core i7-3537U、Core i5-3337U、Core i3-3227U、Celeron 1037Uとなり、Core i7搭載モデルが用意される点がNUCに対する優位点となる。また、USB 3.0に対応するとともに、HDMIとMini DisplayPortの2系統の映像出力を持ち、デュルディスプレイ出力にも対応する。
今回展示されていたのは、BRIX本体と、BRIXの製品パッケージで、底面を明けた状態のBRIX本体も展示されていた。基板には、メインメモリ用のSO-DIMMスロットが2本と、PCIe Miniスロットが2本(ハーフサイズとフルサイズが1本ずつ)用意されている。ストレージはmSATA対応SSDの利用が基本となる。
Ivy Bridge搭載BRIXは、現時点では日本での発売時期および価格は未定となっているが、日本での発売はほぼ確定しており、7月から8月頃には発売したいとしている。
ところで、展示されていたBRIXはこれだけではなく、バリエーションモデルも多数展示されていた。
まず、やや高さを増したケースを採用するBRIXのバリエーションモデル。高さが増しているのは、内部に2.5インチシャドウベイを備えているからで、mSATA SSDだけでなく2.5インチストレージデバイスを搭載可能となっている。前面にUSB 3.0が2ポートと光音声出力対応のヘッドフォンジャックを備える点など、ポートの仕様も異なっている。
次に、第4世代Coreプロセッサ搭載モデルとなる「GB-XM1(Haswell)」。CPUにCore i7-4500U、Core i5-4200U、Core i3-4100U、Core i3-4010Uを搭載する4モデルをラインナップ。ケースの見た目やサイズはIvy Bridge版BRIXとほぼ同じだが、前面にUSB 3.0×2ポートや光音声出力にも対応するヘッドフォンジャックが用意されるなど、インターフェイスの仕様が若干異なっている。こちらは、2013年第3四半期以降に発売したいという。
次に、AMD AシリーズAPUまたはAMD EシリーズAPUを搭載する「GB-XM1(Kabini)」。搭載CPUは、AMD A4-5000、AMD E2-3000、AMD E1-2500、AMD E1-2100の4種類で、Haswell搭載モデル同様、前面にはUSB 3.0×2ポートや光音声出力対応ヘッドフォンジャックが用意される。
同じくAMD製APU搭載モデルの「GB-XM1(A8+MXM)」。搭載APUはAMD A8-5545M。加えて、MXM(Mobile PCI Express Module)タイプのビデオカードも別途搭載されるそうだ。MXMに搭載されるGPUはモバイル向けのRadeon HD 8000Mシリーズ。また、2.5インチシャドウベイを備えるモデルで採用されているのとほぼ同等の、高さの増したケースを採用している。
最後に、BRIXのケースに「Qi」準拠のワイヤレス充電機能を内蔵する「GB-MX1(Wireless Charger)」。電磁誘導コイルを本体内に格納し、上部にQi対応スマートフォンなどを置いて充電が可能になるという。ただし、コイルは本体内蔵ではなく外部に置かれる可能性もあるということで、こちらはまだ製品化にはかなり時間がかかるものと思われる。
これら、Ivy Bridge搭載以外のBRIXバリエーションモデルは、現時点では全て発売時期、価格とも未定となっている。とはいえ、非常に多くのバリエーションモデルが用意されている点や、スペックなどでIntelのNUCより魅力的なものもあり、登場が待ち望まれる。
Intel 8シリーズ搭載マザーボードの未発表モデル
Haswell対応のIntel 8シリーズ搭載マザーボードは、既に日本でも多数発売されているが、COMPUTEXでは未発表のマザーボードがいくつか展示されていた。
まず、Intel Z87 Express搭載マザーボード「GA-Z87X-UD5 TH」。ヒートシンクは、製品ランクが最上位モデルから1段劣る「GA-Z87X-UD4H」と同じ赤のラインが入ったものを搭載しているが、マザーボードの仕様は上位モデル「GA-Z87X-UD5H」と同じだそうだ。バックパネルには2系統のThunderboltを備える。さらに、CPUソケット下部のモジュールは、IEEE 802.11acおよびBluetooth 4.0に対応する無線モジュールで、無線LANの速度は最大867Mbpsに対応。
拡張スロットは、PCI Express x16が3本、PCI Express x1が2本、PCIが1本となる。ところで、PCIスロット直下に見慣れない形状のコネクタが用意されているが、これはGIGABYTEオリジナルのコネクタだそうで、将来このコネクタで利用するなんらかのカードを提供するという。ただし現時点では、このコネクタやインターフェイスがどういった仕様になるのか未定だそうだ。
展示されていたGA-Z87X-UD5 THは、まだプロトタイプということで、発売時期は未定となっている。
OC向けマザーボード「GA-Z87X-UD7 TH」も展示。Haswell対応のOC向けマザーボードは「GA-Z87X-OC Force」が発売済みだが、こちらはその下位に位置付けられる製品。メモリスロット横に多数のOC用ボタンを配置していることもあり、E-ATX準拠の大型マザーボードとなっている。リアパネルにはThunderboltを2系統用意。また、GA-Z87X-UD5 THに搭載されているGIGABYTEオリジナルのコネクタも用意されている。発売時期は8月頃を予定しており、価格は未定。
こちらは、Intel B85 Express搭載の低価格ゲーミングマザーボード「G1.Sniper B5」。B85は機能を抑えたビジネス向けチップセットだが、このB85を採用してコストを抑えつつゲーミング向けとしているのは面白い。チップセット自体の機能に制限があるため、ゲーミングマザーボードとしては仕様はシンプルだが、オペアンプの交換にも対応する高音質サウンド回路を搭載するなど、ゲーミング向けとしての機能は継承している。8月頃の発売を予定しており、価格は未定。
AMD A85X搭載マザーボードの未発表モデル
AMD AシリーズAPUに対応する、AMD A85X搭載マザーボードにも新モデルが存在した。
まず、Mini-ITX仕様の「GA-F2A85XN-WIFI」。マザーボードにはIEEE 802.11a/b/g/nおよびBluetooth 4.0対応の無線モジュールを搭載。また、無線LAN用のアンテナは、マグネット式の新型となり、ケースなどへ設置しやすくなっている点もポイントだ。
もう1つが、先ほど紹介した「G1.Sniper B5」のチップセットをAMD A85Xに置き換えたような仕様の、低価格ゲーミングマザーボード「G1.Sniper A85X」。機能面はシンプルだが、G1.Sniper B5同様オペアンプの交換に対応する高音質サウンド回路を搭載しており、安価にゲーミングPCを自作したい場合に魅力となる。