イベントレポート
Huawei、Kirin 950を搭載した6型スマートフォン「Mate 8」
~10.1型タブレット「MediaPad M2 10.0」も
(2016/1/6 12:39)
Huaweiは、CES 2016開幕を翌日に控えた1月5日(米国時間)に記者会見を開催し、6型液晶搭載スマートフォン新モデル「Mate 8」や、10.1型タブレット新モデル「MediaPad M2 10.0」などを発表した。
記者会見では、冒頭にHuawei CEOのRichard Yu氏が登壇。Yu氏は、昨年(2015年)の売上げが前年度比70%を超える成長を遂げると共に、2015年10月現在でグローバルでのマーケットシェアが3位になったこと、世界の主要国でシェアを大きく伸ばしていることなどの数字を示しつつ、近年好調なHuaweiの業績を矢継ぎ早に紹介。そして、2015年に発売した「P8」や「Mate S」、スマートウォッチの「Huawei Watch」などを挙げつつ、「それらが世界で高く評価されており、Huaweiはイノベーションリーダーに成長した」と、誇らしげに語った。
昨年までの記者会見では、この冒頭での業績紹介に続いて、Yu氏自らが新製品を発表していたが、今回はHuawei Comsumer BG Handset 社長のKevin Ho氏が登壇し、新製品が発表された。
Mate 8
まず、スマートフォン新モデルとして発表されたのが「Mate 8」。Mate 7で切り開いた、“大画面スマートフォン”という新ジャンルを、盤石にするものとして投入される。そして、Mate 8の“8”にちなみ、8つの特徴が紹介された。
1つ目は液晶。液晶は6型を踏襲するが、従来同様の狭額縁仕様により、Mate 7よりもわずかながら小型化を実現。本体サイズは、80.6×157.1×7.9mm(幅×奥行き×高さ)。また、液晶もNTSC比95%の広色域かつ1,500:1の高コントラストパネルに一新されているという。表示解像度はフルHD(1,080×1,920ドット)。
2つ目はSoCで、HiSilicon製のオクタコアSoC「Kirin 950」を採用。TSMCの16nm FinFET+プロセスを採用し、ARM Coretex-A72コア(2.3GHz)を4コア、Coretex-A53コア(1.8GHz)を4コア搭載。また、GPUはMali-T880を採用。これにより、Mate 7搭載のKirin 925と比較して、CPU処理能力は約2倍、GPU描画能力は2.25倍に高まっているという。加えて、発熱も抑えられているそうで、近年の発熱量の多い競合SoCを引き合いに出しつつ、優位点として強調していた。
3つ目はバッテリ。バッテリは4,000mAhと大容量で、2.36日の長時間バッテリ駆動を実現。また、9V/2Aの電力供給による急速充電で、30分間で1日分の駆動に必要な容量を充電可能という。
4つ目はセキュリティ機能で、背面に指紋認証センサーを搭載することにより対応。この指紋認証センサーは、スリープアンロックやアプリケーションロックなどに利用できるだけでなく、カメラのシャッターや電話の受話ボタンとしても利用でき、より便利に活用できることがアピールされた。
5つ目はビジネスシーンへの対応。3mの高レンジマイク搭載による本格的なハンズフリー機能や、3個のマイクを活用した話者特定機能搭載のボイスレコーディング機能、ホワイトボードを斜めから撮影した場合などの自動補正機能が紹介された。
6つ目は優れた通信機能で、2Gは7バンド、3Gは9バンド4Gは18バンドをサポートし、217の国と地域、1,334の通信キャリアに対応するという。LTEカテゴリは6に対応し、LTE対応バンドは、FDD LTEがBand1/2/3/4/5/6/7/8/12/17/18/19/20/26、TDD LTEがBand 38/39/40。デュアル4G SIMスロットにも対応する。
7つ目はカメラ機能。Mate 8では、ソニー製の1/2.8インチ1,600万画素CMOSイメージセンサーを採用。また、レンズには光学式手ブレ補正機能も搭載。加えて、ハイブリッドオートフォーカスや高画質化機能の「IMAGESmart4.0」なども搭載しており、従来よりも高画質な撮影を可能にしているという。
8つ目はデザイン。本体は背面にカーブを採用するとともに、精巧に加工されたメタルフレームの採用などによって、非常に高品質なデザインであることを強調。また、ゴールドやシルバーなどに加え、落ち着いた印象の新色「Mocha Brown」も追加されている。
Mate 8は、欧州各国やオーストラリアなどから順次発売予定で、欧州での販売価格はRAM 3GB、ストレージ32GBのモデルが599ユーロ、RAM 4GB、ストレージ64GBのモデルが699ユーロ。なお、初期ローンチマーケットには日本は含まれておらず、日本での発売は未定だ。
MediaPad M2 10.0
続いて、Androidタブレット新モデルとして、「MediaPad M2 10.0」が発表された。こちらは、高音質サウンド再生が最大の特徴で、高音用スピーカー2個と低音用スピーカー2個の合計4個のスピーカーを搭載。スピーカー出力は4W、4.6ccの大容量チャンバも実現。さらに、オーディオブランド「harman/cardon」の高音質技術「Clear-Fi」も採用し、パワフルで豊かなサウンド再生能力を誇るという。
液晶は10.1型で、表示解像度は1,920×1,200ドット。2,048段階の筆圧検知に対応するペン「M-Pen」も利用可能で、紙と鉛筆やペンに匹敵する描き心地を実現しているという。その他、指紋認証センサも搭載し、ログオン認証などに活用できる。
製品には、M-Penの付属とRAMやストレージ容量の違いで4モデルがラインナップされており、価格はRAM 2GB、ストレージ16GBのWiFiモデルが349ドル、最上位となるRAM 3GB、ストレージ64GB、M-Pen付属、LTEモデルが469ドル。こちらは初期ローンチマーケットに日本も含まれている。
Huawei Watch新モデルなど
そのほか、2015年に発売されたスマートウォッチ「Huawei Watch」のバリエーションモデルや、日本では発売済みとなっている「Google Nexus 6P」のゴールドモデルのワールドワイドでの発売などが発表された。
Huawei Watchのバリエーションモデルは、よりファッション製を高めた女性向けモデルで、ローズゴールドのベゼルに革製バンドを採用する「Huawei Watch Elegant」と、スワロフスキー製ジルコニアを盤面周囲に埋め込んだ「Huawei Watch Jewel」をラインナップ。こちらも初期ローンチマーケットに日本が含まれている。なお、MediaPad M2を含め、日本での発売時期などの詳細は公表されておらず、現時点では不明だ。