イベントレポート

ECS、Realtekのゲーミング向けNICを搭載したZ170マザーボード

~Qualcomm AtherosのKiller LANに対抗

Z170-CLAYMORE

 ECSは、COMPUTEX TAIPEI 2015に出展し、Skylake対応のマザーボードシリーズなどを展示した。

Intel Z170搭載ゲーミングマザーはRealtekのゲーミングNICを搭載

 ブースでは先日発表となったLIVAシリーズが大々的に展示されていたのだが、その裏(壁の裏という意味で)で、Intel 100シリーズマザーボードをひっそりと展示していた。

 最上位は、同社がゲーミング向けの“L337”シリーズとして位置付ける「Z170-CLAYMORE」。12フェーズのCPU電源回路をはじめ、5基のPCI Express x16形状スロットを備えるなど、ゲーミングに必要な要素を備えている。

 そして最大の特徴は、「Realtek Dragon」と呼ばれるゲーミング向けネットワーク機能の搭載。ズバリQualcomm Atherosの「Killer LAN」シリーズに対抗するもので、添付のユーティリティ「Realtek Dragon Software」によりゲームの通信を優先してネットワークに流すよう設定できる。これによりゲームプレイ時のラグ発生を抑えられるという。

 ボード上に実装されているコントローラは「RTL8118AS」。Realtekの製品情報によれば、Gigabit Ethernetに対応し、ホストとの接続はPCI Express x1(1.1)、プロトコルのオフロード機能や9KBのジャンボフレーム対応が謳われている。担当の説明員によると「他社はこぞってKillerを採用しているが、我々は差別化のためにRealtek Dragonを採用した」という。

 そのほか、LGA1151の第6世代Coreプロセッサに対応し、メモリはDDR4×4、容量は最大32GB。ストレージインターフェイスSATA 6Gbps×4、M.2×1、SATA Express。インターフェイスはUSB 3.1×2、USB 3.0×6、USB 2.0×8(いずれも最大)、HDMI 2.0出力、DisplayPort、PS/2×2、音声入出力などを備える。

Realtek Dragonによるパケットコントロール
コントローラはRTL8118AS
オーディオは前世代と同じALC1150だった
12フェーズのVRM電源回路
VRMコントローラは現段階ではサンプルレベルであった
背面パネルインターフェイス

 「Z170-BLADE」はmicroATX版で、電源回路が9フェーズとなり、拡張スロットはPCI Express x16×2、PCI Express x1。また、SATA Expressは装備されず、SATA 6Gbps×6となっている。一方でRealtek Dragonは搭載する。

 インターフェイスはUSB 3.1×2、USB 3.0×6、USB 2.0×4(いずれも最大)。HDMI出力、DisplayPort、DVI、ミニD-Sub15ピン、PS/2、音声入出力などを備える。

microATX版となるZ170-BLADE

 このほか、メインストリーム向けのZ170搭載製品として「Z170IU-C43」というMini-ITXのモデルを展示。こちらに関しては「日本市場に特化して設計した」としており、そこそこゲームをプレイできる小型フォームファクタPCの制作に向くという。当然、日本市場でも投入予定があるという。

 さらに、Intel B85の後継と見られるB150チップセットを搭載した「B150M-P73」、H81の後継と見られるH110チップセットを搭載した「H110M-C43」、「H110M-C33」などの低価格製品、そして世界初となるDDR4のSO-DIMMに対応したMini-ITXマザーボード「Q170-SF100」を展示した。

Z170IU-C43
B150M-P73
H110M-C43
H110M-C33
Q170-SF100
G.SkillのブースでもQ170-SF100が展示された。どうやらDDR4のSO-DIMM対応は世界初で間違いなさそうだ

LIVA Coreの“中身”と、Broadwell搭載マザー

 ブースではさらに、1日(現地時間)に正式発表となった「LIVA Core」、「LIVA X2」に内蔵されたマザーボードを展示した。

 LIVAシリーズは本来、ケースをDIYするのも楽しみの1つであると提案していたのだが、LIVA CoreやX2のケース完成度が高まり、そこをDIYする楽しみが薄れてしまっている。しかしボード自体の大きさやフォームファクタは初代から変わっていないと見られ、初代向けに作ったケースはそのまま流用できそうである。

LIVA Core
Core Mを搭載したLIVA Coreのマザーボード
Broadwellが真ん中に鎮座する
ボード中央に穴が開いており、Broadwellの底面が見える
こちらはBraswell搭載のLIVA X2マザーボード

 もう1つのトピックは、Braswell搭載マザーボード「BSWI-D」と、Broadwell搭載マザーボード「BDWL-D」。いずれもMini-ITXのフォームファクタであり、前者は下位、後者は上位という位置付け。ことBDWL-Dについては、搭載CPUが不明だが、「Core i3とi5の間の性能を実現できる」としており、小型で高性能、なおかつ省電力なPCが欲しいユーザーは注目したい。

BSWI-D
BDWL-D

(劉 尭)