イベントレポート

Lenovo、349ドルのWUXGA液晶搭載の「YOGA TABLET 10 HD+」

2月24日 発表

 近年Lenovoは、「PC+」(ピーシープラス)のスローガンを掲げ、PC以外の端末にも熱心に取り組み、Androidベースのスマートフォンやタブレットのラインナップを増やし続けている。これまではどちらかと言えば、中国や東南アジアなどを中心とした成長市場向けに低価格な端末を発売してきたが、2013年くらいから徐々に日米欧などの成熟市場向けのミッドレンジ製品も増やしつつあり、2013年10月には特徴的なスタンドにもなる円柱型グリップ機構を備えたAndroidタブレット「YOGA TABLET 8」、「同10」を発売(別記事参照)した。

 今回のMWC 2014では、YOGA TABLET 10の新しいラインナップとして、液晶をWUXGA(1,920×1,200ドット)に、SoCをQualcomm Snapdragonへと強化した「YOGA TABLET 10 HD+」を発表した。この新製品には、Lenovoの新しいアプリケーションスイート「DOit」シリーズも搭載されている。

YOGA TABLET 10 HD+。最大の強化ポイントはWUXGAのIPS液晶を搭載していること
円筒型バッテリを内蔵しているシリンダー部分のデザインがユニークで、開くと足になる
足を開くとこのように、机の上に横位置において利用できる

YOGA TABLET 10の上位機種となるYOGA TABLET 10 HD+

 LenovoのYOGA TABLET 10 HD+は、YOGA TABLET 10の上位版に当たる製品になる。YOGA TABLET 10は、MediaTekのSoC(MT8125、1.2GHz、クアッドコア)、1GBメモリ、16GB内蔵ストレージ、10.1型WXGA(1,280×800ドット)液晶というスペックで、ミッドレンジ~低価格向けだった。

 YOGA TABLETが他社のAndroidタブレットと大きく異なるのは、円筒型のバッテリをうまく活用したシリンダーデザインだ。シリンダー部分は丸みがあるので、手に持っていて落としにくく、シリンダー部分に内蔵されている足を開くと、横位置で机に立てておくことが可能になっており、ながら利用に好適なデザインになっているのだ。

 今回発表されたYOGA TABLET 10 HD+も、デザインは従来モデルとほとんど違いはない。しかし、液晶は従来モデルの10型WXGAから10型WUXGAへと強化されている。Lenovoは16:10のアスペクト比のモバイル機器向け液晶の採用を続けており、日本で話題の「ThinkPad 8」も8.3型とサイズは小さいが、WUXGAの液晶を採用している。パネルは視野角が178度と広めなIPSを採用する。

 SoCとメモリ、そしてストレー容量も強化されている。YOGA TABLET 10 HD+では、SoCがQualcommのSnapdragonに変更されている。採用されているのは、3GモデルがMSM8228、Wi-FiモデルがAPQ8028。いずれも1.6GHzクアッドコア第4世代のSnapdragonベースの製品で、3Gの有無のみが異なり、基本的な機能はどちらもほぼ同じものとなっている。メモリは1GBから2GBに、内部ストレージ(eMMC)はYOGA TABLET 10では16GBモデルのみだったが、新製品は16GBモデルに加えて32GBモデルも追加されている(なお、32GBモデルは一部市場だけでのみ投入)。これ以外のスペックはほぼ、YOGA TABLET 10と共通で、正常進化の上位モデルだと言えるだろう。

【表1】YOGA TABLET 10 HD+のスペック
SoCQualcomm Snapdragon MSM8228(3Gモデル)/APQ8028(Wi-Fiモデル) 1.6GHzクアッドコア
メモリ2GB(LPDDR2)
ストレージ16/32GB(eMMC)
カードスロットmicroSDカード(SDXC対応)
オーディオデュアルフロントステレオスピーカー(Dolby Audio対応)/マイク
無線IEEE 802.11b/g/n、Bluetooth 4.0
ワイヤレスWAN3G(WCDMA 900/2,100MHz、EDGE 900/1,800/1,900MHz)
カメラ背面800万画素、前面160万画素
バッテリ9,000mAh、18時間駆動
サイズ261×180×30~8.1mm(幅×奥行き×高さ)
重量615g
OSAndroid 4.3(4.4へのアップグレード予定)

 YOGA TABLET 10 HD+は4月発売で、米国での市場予想価格は349ドル(日本円で約35,000円)からになる予定。なお、Lenovoの日本法人によれば「現時点で日本市場に投入するかは未定」とのことだ。

Android端末の使い勝手を改善するDOitアプリスイート

 また同社はAndroid向けアプリケーションスイート「DOit」を発表した。DOitはYOGA TABLET 10 HD+を皮切りに、今後発売されるAndroidスマートフォンなどに採用されていく予定だ。DOitには以下のアプリケーションが用意されている。

【表2】DOitアプリの構成
SHAREitネットワーク課金なしに複数デバイス間で瞬時に情報をシェアする仕組み
SECUREitマルウェア・ウィルス対策と端末の性能向上
SYNCitSMS、通話記録、連絡先などのバックアップとリストア
SNAPit Camera複数の撮影モードを備えているカメラアプリ
SEEit Gallery写真管理、編集アプリ
SHAREitでは、Bluetoothを利用してファイルを他の端末に手軽に送信できる
SECUREitは、アンチウィルスソフトウェアと、メンテナンス機能が1つになったアプリ。必要の無いファイルを消したり、いらないアプリを消してシステムを高速化する
SNAPit Cameraはカメラ撮影アプリケーションで、さまざまな撮影方法をサポートしている

(笠原 一輝)