【CES 2011レポート】Microsoft基調講演レポート
〜次期WindowsのSoCサポートを明言

Microsoft CEOのスティーブ・バルマー氏

会期:1月6日〜9日(現地時間)

会場:Las Vegas Convention Center/The Venetian



 International CESの開幕を前日に控えた1月5日。恒例行事となっているMicrosoftによる基調講演が行なわれ、今年も同社CEOのスティーブ・バルマー氏が登壇した。バルマーCEOはこの講演で、次期WindowsにおいてARMをはじめとするSoCをサポートすることを明言した。

●SoCでも従来と高い互換性を持つことをアピール

 バルマー氏の基調講演では、Xbox 360、Windows Phone 7、Windows 7について、それぞれの最新情報が紹介された。そして、次期WindowsにおいてSoCをサポートすることを、基調講演の最後のトピックとして言及した。

 「新しいシリコンパートナーとともにマーケットにさまざまな形態のデバイスを送り出すもの」として紹介された次期Windowsでは、Intel、AMD、NVIDIA、Qualcomm、Texas InstrumentsなどのSoCをサポート。x86だけでなく、ARMアーキテクチャもサポートする。

 バルマー氏は「すべてを期待するユーザーに、Windowsの広さと深さ、フレキシブルさ、デバイスのサポートを提供する」とし、既存のWindowsのエコシステムを活かした形でSoCをサポートする次期Windowsのメリットをアピール。

 また、このSoC対応版Windowsのデモも行なわれた。このデモはWindows 7ベースのインターフェイスのままSoCサポートを行なったもので、新しいインターフェイスなどは今回は披露していない。あくまで、新しいデザインをパートナーと協力して実現できることを示すものであるとしている。

 デモで示されたのは、IntelのSoC、QualcommのSnapdragon、Texas InstrumentsのOMAP、NVIDIAのTegraにおいて、次期Windowsが動作する様子を示した。ここではMicrosoft OfficeやEPSONのプリンタが動作する様子を示し、ソフトウェア/ハードウェアの両面で従来のWindowsと高い互換性を持つことをアピールした。

次のバージョンのWindowsでSoCをサポートすることをアナウンス SoC対応Windowsのデモ機 IntelのSoC。このサイズにCPU、メモリ等の機能がすべて収まっている
このIntelのシステム上でWindows、Officeが動作することを紹介 QualcommのSnapdragon上で次期Windowsを動作させたデモ Texas InstrumentsのOMAP上でMicrosoft Wordにテキストをペースト。これをUSB接続したEPSONのプリンタで印刷するというデモ。プリンタのドライバはわずかな変更で対応できると紹介
NVIDIAのTegra上で、Internet Explorer 9のGPUアクセラレーションを活用しているデモ 今回のデモで用いられた次期Windowsは、Windows 7をベースにしたもの。Buildは7867となっていた

 また、Windows 7については、1秒間に7コピーというこれまでにない驚異的なペースで販売を続けているとバルマー氏は紹介。モダンなWeb体験、メディア体験、生産性向上を実現するような、革新的なハードウェアデザインも多数登場しているとし、そのいくつかを壇上で紹介した。

 また、テーブル型のコンピュータであるMicrosoft Surfaceについても、Samsungと共同で新しいデザインへと進化を見せた。これまで以上に薄く(4インチ)、表面はゴリラガラスで覆われる。

 さらに、従来のMicrosoft Surface機器はディスプレイ周囲に埋め込まれたカメラを解析して動きを認識していたのに対し、今回デモを行なったものはPixelSenseと呼ばれる、ディスプレイのピクセルそれぞれに内蔵された赤外線センサーを用いて判定する仕組みとなる。これにより、テーブルの上においた紙の文字を読み取ることができるといったデモも披露され、ローンチパートナーとなるロイヤル・バンク・オブ・カナダでは、垂直に設置したこの端末にチラシを読み取らせるような利用形態を提供するという。

Hewlett-Packard(HP)のSandy Bridge搭載Windows 7 PC。内蔵GPUのアクセラレーションにより、IE9のレンダリングを高速に行なうデモを行った AMDのFusion APUを搭載したHP製ノート。500ドル以下で9時間のバッテリ駆動時間を実現すると紹介 Acerの14型×2画面のPC。片面をソフトウェアキーボードとしても活用可能
Samsungが3月にリリースするというタブレットPC。スライド式のハードウェアキーボードを備えている ASUSTeKのタブレットPCで、ワイヤレスでキーボードを利用可能。液晶ディスプレイはセンサー類やLEDを一つのユニットにすることで輝度を向上させている Samsungと協業して開発された新しいMicrosoft Surface端末。モニタのピクセルにセンサーを持つPixelSense技術により、手の動きだけでなく、紙に書かれた文字をも読み取れていることが分かる

●Xbox 360やWindows Phone 7の話題

 このほかバルマー氏の基調講演では、Xbox 360やWindows Phone 7といった同社の主力製品の新情報も公開された。

 Xbox 360関連でメインとなったのは、Kinectだ。クリスマスシーズンに500万ユニットの販売目標を予想していたところ、800万ユニットを販売するほど人気を集めていることをアピールした。

 今回の基調講演では、Kinectの適用範囲を広げるものとして、Zune、Netflix、HuluPLUSといった映像、音楽の操作を、この春以降にジェスチャーや音声で認識できるようサポートしていくほか、ESPNではスポーツ番組をソーシャルネットワークと連携させて楽しめるようにしていくことを表明。

 また、「Avatar KINECT」と呼ばれる新機能を紹介。これはKinectのカメラを用いて、ジェスチャーに加えて、顔の表情なども読み取り、アバターで表現できるもの。実際の身振り手振りを加えつつ、バーチャル空間においてユーザー同士がアバターでディスカッションを行なえるというもの。Xbox LIVEゴールドメンバーに無償で提供されるという。

Zune、Netflexなどメディア関連を中心にKinectの新しいサポートをアナウンス ZuneをKinectで操作するデモ。ジェスチャーによるプレイバックコントロールや音声による操作が提供される
Kinect Avatarにおけるバルマー氏のアバター。ジェスチャーに加え、顔の表情(笑顔や眉の動き、口の動き)を実際の動きに合わせてアバターで表現することができる Kinect Avatarでは、ユーザー同士が仮想空間内でアバターを用いてディスカッションする機能が提供される

 Windows Phone 7についてバルマー氏は「利用者から、ほかのユーザーに勧めたいという声を聞く。とても好評だ」と、その使い勝手の良さを強調。さらにデベロッパ関連についても、現在5,500以上のアプリがマーケットプレイスに登録され、毎日100個の新しいアプリケーションが追加されていること、20,000人以上がデベロッパ登録していることを紹介し、アプリケーションの増加についてもアピールした。

 また、Windows Phone 7におけるゲームの紹介や、基本的な機能の紹介などが行なわれたほか、次のアップデートで「テキストのコピー&ペーストのサポート」、「アプリケーションパフォーマンスの改善」を行なうことが表明された。コピー&ペーストはデモも行なわれ、アップデートは数カ月内に提供されるとしている。

Windows Phone 7の次のアップデートで、コピー&ペーストのサポートと、アプリケーション性能改善を行なうことを表明 デモでは、メモアプリ上のテキストをコピーし、Amazonの検索ボックスにペーストするデモが行なわれた

(2011年 1月 7日)

[Reported by 多和田 新也]