【CeBIT 2010レポート】【GeForce/Tesla編】各社ブースでGeForce GTX 480のデモ
~PCI Express x1接続のIONカードも

NVIDIAが各ブースで実施したSneak Peakデモの案内看板

会期:3月2日~3月6日(現地時間)
会場:ドイツ共和国 ハノーバー市 ハノーバーメッセ



●NVIDIAがGeForce GTX 480のデモを実施

 3月26日から米国ボストンで開かれるPAX East 2010において発表されることが予告されている、NVIDIAの次期GPU「GeForce GTX 480」と「GeForce GTX 470」。GF100のコードネームで知られたこれらは、今回のCeBITでの先行展示も期待されたが、結論からいうと目新しい展示は行なわれなかった。

 今回のCeBITでは、ビデオカードメーカーの各ブースに、GeForce GTX 480を搭載したシステムが設置されNVIDIAのSuperSonicを流すというデモが行なわれたに留まる。ビデオカードそのものの展示がなかったほか、製品スペックについても堅く口を閉ざしている。

NVIDIAがパートナーブースに設置したGeForce GTX 480のデモ機。中を見せてもらうことも、ボードのスペックも一切不可という状況GeForce GTX 480の紹介ではおなじみとなっているSuperSonicデモを実施。このシステムには、これ以外のデモも入ってないとのこと

 ちなみにこのデモ。実は、ビデオカードメーカーのブースでNVIDIAが直接デモを行なっている。つまり、NVIDIAが各社ブースの一角を間借りしてデモを行なう格好というわけだ。もちろん、これにはパートナー各社との協力関係をアピールする狙いもあるのだろう。

 いずれにしても、今回のCeBITではGeForce GTX 480/470に関しては大きな動きが見られなかったのが実情となっている。

●SuperMicroはFermiボード搭載システムを受注開始
Tesla C2050を4枚搭載するSuperMicro製サーバ

 SuperMicroは、Fermiベースの「Tesla C2050」を最大4枚搭載可能なサーバシステム「SuperServer 7046GT-TRF-FC405」を展示。

 本製品はXeon 5500および次期XeonとなるWestmere-EPをベースとしたシステム。Tesla C2050を最大4枚まで搭載可能。電源ユニットは1400Wのものを搭載している。

 Fermi版Tesla C2050については、現時点で発表のみに留まっているが、SuperMicroではすでに本製品の受注を開始しているとのこと。Fermi版Teslaの出荷を待って、製品としても出荷できる体制になっている。

●IONチップを使ったPCI Express x1カード

 NVIDIAは3月2日に、Pine Trailプラットフォーム向けのIONを発表した。CPUにGPUが内蔵されたPine-Trail向け製品ということで、この新IONはPCI Express x1接続の単体GPUというのが実態である。

 この素性を活かして、新ION GPUを、PCI Express x1接続のビデオカードとして製品化したものを、ZOTACが展示した。製品化を完了しており、すでにリセラー向けにオーダーの受付を開始している状況。日本への出荷については代理店次第とのことで、そちらからの案内を待ってほしいとブース担当者が述べた。

 このほかBIOSTARから、GeForce 210を搭載するというPCI Express x1ボードも展示。コアクロック589MHz、メモリクロック800MHz、512MB DDR3のスペックになっている。「GeForce 210を使用している」とブーススタッフがはっきり述べるものの、GeForce 210のSPは16基であり、新IONの同等のGPUといって差し支えない。

ZOTACの「ION Graphics Card」。GT218を用いたPCI Express x1接続ビデオカードで、コアクロックは589MHz、メモリクロックは790MHz。512MBのDDR3メモリを搭載する。SP数については不明とされたBIOSTARのPCI Express x1接続GeForce 210。x1接続のビデオカードの場合、同じGPUをx16接続した場合と比べて20%程度の性能ダウンがあるという

(2010年 3月 3日)

[Reported by 多和田 新也]