イベントレポート

ASRock、ビデオカードを13枚装着できる“変態”マザーボード

PCI Expressスロットを13スロット備える、ビットコインマイニング向けマザーボード「H110 Pro BTC+」

 ASRockと言えば、近年自作向けの王道マザーボードメーカーというイメージが定着しつつあるが、やはり従来から他とはひと味違う、いい意味での“変態”な製品を投入するメーカーだ。そして今年(2017年)も、その期待に応えるかのように、新たな“変態”マザーボードを展示した。

 そのマザーボードは、「H110 Pro BTC+」。チップセットはIntel H100チップセットを採用し、第7世代Core iプロセッサに対応するマザーボードだが、最大の特徴となるのが、PCI Expressスロットが13スロット用意され、最大で13枚のビデオカードを装着して利用できるという点だ。

 ビットコインを採掘(マイニング)するには、非常に高い演算性能が必要となるが、個人でマイニングを行なう場合には、ビデオカードに搭載されているGPUで演算処理を行なわせてマイニングを行なう“GPUマイニング”が一般的となっている。そして、効率良くマイニングを行う(処理能力を高める)ために、複数のビデオカードを搭載して処理を行わせるのが基本だ。

 ただ、一般的なマザーボードでは、ビデオカードを装着するためのPCI Expressスロットは多くて6~7本程度。そこでASRockは、マイニング能力を高めるために、最大13枚のビデオカードを装着できるマザーボードを作ったというわけだ。

 ブースで展示されていた実機では、Sapphire製のRadeon RX 470搭載ビデオカードを8枚装着し、実際にマイニングのデモを行なっていた。今回のデモでビデオカードが8枚しか動作していないのは、ビデオドライバの制限で、現時点では8枚の同時搭載までしか対応していないからだという。ただ、今後AMDが予定しているビデオドライバのアップデートで、13枚の同時利用がサポートされるとのことで、それ以降は実際に13枚のビデオカードを動作させてマイニングが行えるようになるとのこと。

 ちなみに、デモ機のその他の動作環境は、CPUがCore i7-7700、メモリがApacer製DDR4 8GB×2枚、ストレージがWD BLUE M.2 SSD 1TB、電源は1,200W電源が2基と1,000W電源が1基の3基となっていた。なお、このマザーボードはプロトタイプとのことで、発売時期などは現時点で未定とのことだ。

このように、PCI Expressスロットが13本用意されており、ライザーケーブルを介して最大13枚のビデオカードを装着できる
デモ機では、Sapphire製のRadeon RX470搭載ビデオカードを8枚接続して稼働させていた。8枚のみの稼働は、ビデオドライバの制約とのこと
将来のビデオドライバのアップデートにより、左側の5枚を加えた全13枚のビデオカードの同時利用が可能になるとのこと
ブースのデモ機で、実際にビットコインのマイニングが行われていた。なお、システムの総コストと必要となる電気代をまかなえるだけのビットコインがマイニングできるかは不明