イベントレポート
COMPUTEX会場で見かけたオリジナリティ溢れるPCケース
2016年6月6日 06:00
本稿は、COMPUTEX TAIPEI 2016会場内ブースに展示されていたPCケースなどをまとめて紹介していく。
Thermaltake
Thermaltakeは、著名Modderが監修したModder向けケースや、3Dプリンタを利用して自分で作成できるPCケースのコンセプトなどを発表した。
The Tower Modder Edition
「The Tower Modder Edition」は、ThermaltakeとフランスのWatermodのコラボレーションによって開発された、Modder向けPCケースだ。フランスの有名Modder、Mathieu Heredia氏が監修し、Modderが求める要素がふんだんに盛り込んでいる。また、どの角度からでも中がよく見え、自由な拡張性にもこだわっているという。
Core P1
「Core P1」は、これまでにない発想のPCケースだ。Mini-ITX用のPCケースだが、最大の特徴となるのが、Core P1は3Dプリンタを使い自分で作るPCケースという点。Thermaltakeホームページから3Dプリンタ用のデータをダウンロードし、自由にダウンロードしてケース自体を自作できるという。3Dプリンタを使って作るため、フィラメントを変えることで色も自由に変更でき、自分だけのケースが作れるという。こちらはまだコンセプトの段階で、価格などがどうなるかも未定とのこと。3Dプリンタが必要となるので、万人が使えるわけではないが、これまでにない自由度の高さを備えるPCケースとして注目だ。
IN WIN
IN WINは、E-ATX対応ケース「X-Frame 2.0」をはじめとした、オープンフレーム型のケースや、スタイリッシュなタワーケースなどの新モデルを展示した。
X-Frame 2.0
「X-Frame 2.0」は、オープンフレーム型のE-ATX対応ケース新モデル。上部や側面などを覆うカバーはセットされず、完全なオープンフレーム型となっており、いわゆる“魅せるPC”向けのケースとなっている。特徴は、ケース部分が縦置き、横置きのどちらにも対応している点で、用途に応じて好きな向きに設置が可能。また、スタンド部は360度回転する構造。デコレーションを施したPCの内部を、好きな角度から自由に見られるようにもなっている。さらに、出力1,065Wの80PLUS Platinum電源「Signature Series SI-1065W」も付属するという。発売時期および価格は未定。
D-Frame 2.0
「D-Frame 2.0」は、スチール製パイプと強化ガラスを利用した、E-ATX対応のオープンフレームケースで、従来モデルの進化版となる。パイプが金色に塗装されるなど、かなり派手な印象。また、D-Frame 2.0似合わせてゴールドのプレートが装着された、出力1,065Wの80PLUS Platinum電源「Signature Series SIII-1065W」も付属する。発売時期および価格は未定。
H-Frame 2.0
「H-Frame 2.0」は、アルミ製フレームを重ねた構造の、デザイン性重視のE-ATX対応オープンフレームケース「D-Frame」シリーズ新モデル。従来モデルまでと比べてややシックな印象もあるが、一部フレームやIN WINロゴ部分にLED照明を組み込むことで、見た目以上の派手さを演出できる。左右側面には強化ガラスを採用するため、内部はもよく見渡せる。こちらも、X-Frame 2.0やD-Frame 2.0同様に、出力1,065Wの80PLUS Platinum電源「Signature Series SII-1065W」が付属する。発売時期および価格は未定。
303
「303」は、メインストリーム向けのATX対応ミドルタワー新モデル。ケース内部の水冷クーラー用ラジエータを、ケース右側面側に空気を排出する向きに装着できるようになっている点がこれまでにない特徴。ケース右側面上部にハニカム状の排気口を用意するとともに、左側面は強化ガラスで内部が見えるようになっており、ラジエータにLED照明付き冷却ファンを装着しても、ファンのイルミネーションがよく見える。また、底面吸気口や背面排気口もハニカム形状になっており、メインストリーム向けながら、魅せるPC用途に最適だ。発売時期および価格は未定。
AURORA
「AURORA」は、120mmファンの新モデル。最大の特徴となるのが、ファンのケーブルがモジュラー式となっていて、複数のファンを専用ケーブルで数珠繋ぎにして利用できるという点。ブースでは、12個のファンを数珠繋ぎにして展示していたが、同時接続できるファンの数には制限がなく、何個でも利用可能とのこと。
また、専用ユニットとリモコンを利用して、リモコンからファン内蔵LEDの発色や点滅などの変更、ファン回転数の変更などが可能となっている。パッケージには、専用120mmファンが3個と専用ユニット、リモコン、モジュラーケーブル、さらにケース内部に装着して利用するイルミネーション用LEDストラップ2本がセットになっているという。発売時期および価格は未定。
Silverstone
Silverstoneは、Mini-STX対応ケースや、8個のホットスワップベイを備えるATXミドルタワーケースなどを展示した。
Mini-STX対応ケース
ブースで展示されていたMini-STX対応ケースは、「VT01」、「VT02」、「VT03」の3種類。外観やボタンの位置など、それぞれに違いが見られる。Mini-STXマザーボードは、ASRock、ASUS、ECSが対応製品を発表しているが、フロントとリアのI/Oポートの配置が各社統一されていない部分もあって、ケース自体も対応マザーボードに特化した仕様となっているという。また、各マザーボードメーカーもケースに装着して展示する様子が見られ、販売時にもマザーボードとケースがセットになる場合も考えられるそうだ。ただ、Silverstoneの説明員によると、マザーボード単体での販売が行なわれるようなら、ケース単体でも販売するとのこと。発売時期および価格は未定。
CS380
「CS380」は、正面に2.5/3.5インチSATAドライブ対応のホットスワップベイを8基備えるATXミドルタワーケース。フロントパネルを開くとホットスワップベイにアクセスでき、手軽にHDDなどの交換が可能。この他に、5インチベイ×2、2.5インチシャドウベイ×2も備える。また、パネルの電源ボタンはロック機構を備え、間違って電源ボタンを押してしまうことを防げるようになっている。24時間稼働のホームサーバ用途などに最適としている。サイズは216×427×488mm(幅×奥行き×高さ)。発売時期および価格は未定。
ML07-VR prototype
「ML07-VR prototype」は、mini-ITX対応ケースのプロトタイプ。VRシステムとしての利用を想定したケースで、382×350×105mm(同)とコンパクトサイズながら、VRシステムに必要となる高性能パーツを搭載し、安定して利用できる設計になっているという。
また、ケース上部にはキャリーハンドル、側面にモバイルディスプレイの装着も考慮されている。これは、イベントなどでVRシステムを利用する場合などを想定し、簡単に本体を持ち運べるとともに、狭い場所でも運用しやすく、トラブル時にも簡単にシステムを交換できるようにするための仕様という。もちろん、小型の高性能ゲーミングPC用途にも活用可能。プロトタイプのため発売時期や価格は未定だ。