イベントレポート

COMPUTEX会場で見かけたオリジナリティ溢れるPCケース

 本稿は、COMPUTEX TAIPEI 2016会場内ブースに展示されていたPCケースなどをまとめて紹介していく。

Thermaltake

 Thermaltakeは、著名Modderが監修したModder向けケースや、3Dプリンタを利用して自分で作成できるPCケースのコンセプトなどを発表した。

The Tower Modder Edition

著名Modder監修のModder向けケース「The Tower Modder Edition」

 「The Tower Modder Edition」は、ThermaltakeとフランスのWatermodのコラボレーションによって開発された、Modder向けPCケースだ。フランスの有名Modder、Mathieu Heredia氏が監修し、Modderが求める要素がふんだんに盛り込んでいる。また、どの角度からでも中がよく見え、自由な拡張性にもこだわっているという。

どの角度からでも中が見えやすいように、前方を大きく開放したデザインを採用
ケース上部
ケース下部
The Tower Modder Editionを発表する、Thermaltake社長のKenny Lin氏(左)と、Mathieu Heredia氏

Core P1

 「Core P1」は、これまでにない発想のPCケースだ。Mini-ITX用のPCケースだが、最大の特徴となるのが、Core P1は3Dプリンタを使い自分で作るPCケースという点。Thermaltakeホームページから3Dプリンタ用のデータをダウンロードし、自由にダウンロードしてケース自体を自作できるという。3Dプリンタを使って作るため、フィラメントを変えることで色も自由に変更でき、自分だけのケースが作れるという。こちらはまだコンセプトの段階で、価格などがどうなるかも未定とのこと。3Dプリンタが必要となるので、万人が使えるわけではないが、これまでにない自由度の高さを備えるPCケースとして注目だ。

3Dプリンタで自作するMini-ITXケース「Core P1」
3Dプリンタ用データをダウンロードし、自分でパーツを作成
フィラメントを変えると色も自由自在
強度も問題ないレベルとのこと

IN WIN

 IN WINは、E-ATX対応ケース「X-Frame 2.0」をはじめとした、オープンフレーム型のケースや、スタイリッシュなタワーケースなどの新モデルを展示した。

X-Frame 2.0

 「X-Frame 2.0」は、オープンフレーム型のE-ATX対応ケース新モデル。上部や側面などを覆うカバーはセットされず、完全なオープンフレーム型となっており、いわゆる“魅せるPC”向けのケースとなっている。特徴は、ケース部分が縦置き、横置きのどちらにも対応している点で、用途に応じて好きな向きに設置が可能。また、スタンド部は360度回転する構造。デコレーションを施したPCの内部を、好きな角度から自由に見られるようにもなっている。さらに、出力1,065Wの80PLUS Platinum電源「Signature Series SI-1065W」も付属するという。発売時期および価格は未定。

E-ATX対応ケース「X-Frame 2.0」
本体を覆うカバーはなく、完全なオープンフレームケースとなっている
ケース部分は横置きにも対応
側面
後部側面
裏面
フロントI/OユニットにはUSB Type-Cコネクタを用意
スタンド
スタンド部に360度回転機構を備え、本体を自由に回転できる
付属のネジセット
ネジセットは本体に収納可能
出力1,065Wの80PLUS Platinum電源「SI-1065W」が付属

D-Frame 2.0

 「D-Frame 2.0」は、スチール製パイプと強化ガラスを利用した、E-ATX対応のオープンフレームケースで、従来モデルの進化版となる。パイプが金色に塗装されるなど、かなり派手な印象。また、D-Frame 2.0似合わせてゴールドのプレートが装着された、出力1,065Wの80PLUS Platinum電源「Signature Series SIII-1065W」も付属する。発売時期および価格は未定。

パイプと強化ガラスを利用したオープンフレームケース「D-Frame 2.0」
一部パイプは金色に塗装されている
側面には強化ガラスを装着
正面
背面。出力1,065Wの80PLUS Platinum電源「SIII-1065W」が付属
フロントI/OユニットにはUSB Type-Cコネクタを用意

H-Frame 2.0

 「H-Frame 2.0」は、アルミ製フレームを重ねた構造の、デザイン性重視のE-ATX対応オープンフレームケース「D-Frame」シリーズ新モデル。従来モデルまでと比べてややシックな印象もあるが、一部フレームやIN WINロゴ部分にLED照明を組み込むことで、見た目以上の派手さを演出できる。左右側面には強化ガラスを採用するため、内部はもよく見渡せる。こちらも、X-Frame 2.0やD-Frame 2.0同様に、出力1,065Wの80PLUS Platinum電源「Signature Series SII-1065W」が付属する。発売時期および価格は未定。

アルミ製フレームを重ねた構造の「H-Frame 2.0」
一部フレームにLED照明が取り付けられている
フロントI/OユニットのボタンでLED照明の発色などを変更できる
本体正面
背面。出力1,065Wの80PLUS Platinum電源「SII-1065W」が付属

303

 「303」は、メインストリーム向けのATX対応ミドルタワー新モデル。ケース内部の水冷クーラー用ラジエータを、ケース右側面側に空気を排出する向きに装着できるようになっている点がこれまでにない特徴。ケース右側面上部にハニカム状の排気口を用意するとともに、左側面は強化ガラスで内部が見えるようになっており、ラジエータにLED照明付き冷却ファンを装着しても、ファンのイルミネーションがよく見える。また、底面吸気口や背面排気口もハニカム形状になっており、メインストリーム向けながら、魅せるPC用途に最適だ。発売時期および価格は未定。

メインストリーム向けATXケース「303」
右側面に水冷クーラー用ラジエータ用の排気口を用意
水平ラジエータを右側面パネルに向かって排気する方向に装着する独特の構造
ラジエータのファンも側面からよく見える
底面吸気口もハニカム形状
本体正面
背面

AURORA

 「AURORA」は、120mmファンの新モデル。最大の特徴となるのが、ファンのケーブルがモジュラー式となっていて、複数のファンを専用ケーブルで数珠繋ぎにして利用できるという点。ブースでは、12個のファンを数珠繋ぎにして展示していたが、同時接続できるファンの数には制限がなく、何個でも利用可能とのこと。

 また、専用ユニットとリモコンを利用して、リモコンからファン内蔵LEDの発色や点滅などの変更、ファン回転数の変更などが可能となっている。パッケージには、専用120mmファンが3個と専用ユニット、リモコン、モジュラーケーブル、さらにケース内部に装着して利用するイルミネーション用LEDストラップ2本がセットになっているという。発売時期および価格は未定。

モジュラーケーブルで複数を数珠繋ぎにして同時利用できる120mmファン「AURORA」
モジュラーケーブルの接続端子が2つ用意され、数の制限なくファンを数珠繋ぎで利用可能
このようにケーブルを接続して利用する
ブースでは、同時に12個の接続して稼働させていた
モジュラーケーブルは専用ユニットに接続して利用する
専用リモコンで、ファンLEDの発色や点滅、ファン回転数をコントロール可能
パッケージには、ファン3個、専用ユニット、リモコンに加えてLEDストラップも2本付属

Silverstone

 Silverstoneは、Mini-STX対応ケースや、8個のホットスワップベイを備えるATXミドルタワーケースなどを展示した。

Mini-STX対応ケース

 ブースで展示されていたMini-STX対応ケースは、「VT01」、「VT02」、「VT03」の3種類。外観やボタンの位置など、それぞれに違いが見られる。Mini-STXマザーボードは、ASRock、ASUS、ECSが対応製品を発表しているが、フロントとリアのI/Oポートの配置が各社統一されていない部分もあって、ケース自体も対応マザーボードに特化した仕様となっているという。また、各マザーボードメーカーもケースに装着して展示する様子が見られ、販売時にもマザーボードとケースがセットになる場合も考えられるそうだ。ただ、Silverstoneの説明員によると、マザーボード単体での販売が行なわれるようなら、ケース単体でも販売するとのこと。発売時期および価格は未定。

Mini-STX対応ケース「VT01」
ASUS製Mini-STXマザーボードに対応している
同じくMini-STX対応ケース「VT02」
こちらは「VT03」。I/Oポートや電源ボタンの位置が製品によって異なっている

CS380

 「CS380」は、正面に2.5/3.5インチSATAドライブ対応のホットスワップベイを8基備えるATXミドルタワーケース。フロントパネルを開くとホットスワップベイにアクセスでき、手軽にHDDなどの交換が可能。この他に、5インチベイ×2、2.5インチシャドウベイ×2も備える。また、パネルの電源ボタンはロック機構を備え、間違って電源ボタンを押してしまうことを防げるようになっている。24時間稼働のホームサーバ用途などに最適としている。サイズは216×427×488mm(幅×奥行き×高さ)。発売時期および価格は未定。

ホットスワップベイを8基備えるATXミドルタワー「CS380」
フロントパネルを開けるとホットスワップベイにアクセス可能
ホットスワップベイは2.5/3.5インチSATAドライブに対応
フロントパネルの電源ボタンは内部でロックできるようになっている
ホットスワップベイ側面には120mmファンが2個装着され、ドライブの熱対策も考慮されている

ML07-VR prototype

 「ML07-VR prototype」は、mini-ITX対応ケースのプロトタイプ。VRシステムとしての利用を想定したケースで、382×350×105mm(同)とコンパクトサイズながら、VRシステムに必要となる高性能パーツを搭載し、安定して利用できる設計になっているという。

 また、ケース上部にはキャリーハンドル、側面にモバイルディスプレイの装着も考慮されている。これは、イベントなどでVRシステムを利用する場合などを想定し、簡単に本体を持ち運べるとともに、狭い場所でも運用しやすく、トラブル時にも簡単にシステムを交換できるようにするための仕様という。もちろん、小型の高性能ゲーミングPC用途にも活用可能。プロトタイプのため発売時期や価格は未定だ。

小型ながら高性能パーツを詰め込んで利用できるmini-ITXケース「ML07-VR prototype」
上部にキャリーハンドル、側面にモバイルディスプレイを装着して利用できる

SX800-TLI

 「SX800-TLI」は、SFX電源の新モデルで、800Wと大出力に対応する点が最大の特徴。しかも、80PLUS Titaniumにも対応しており、電力効率にも優れる。ケーブルはフルモジュラー式。小型ゲーミングPCなどでの利用に最適としている。

出力800WのSFX電源「SX800-TLI」
80PLUS Platinum対応
ケーブルはフルモジュラー式