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富士通、彫刻をコンセプトに独自性演出の新arrows製品群
~Windows 7継続のためのBroadwell/Haswell搭載PC展開など
(2016/5/16 17:37)
富士通クライアントコンピューティング株式会社と富士通コネクテッドテクノロジーズ株式会社は16日、都内にてPC/スマートフォン/タブレットの新製品説明会を開催した。両社は2016年2月1日に富士通株式会社が分社化した子会社で、前者はPC事業を、後者は携帯端末事業を軸にしている。
今回説明会で披露されたのは、本日(16日)弊誌にて掲載した2機種のノートPCとデスクトップ、そして11日のNTTドコモの発表会に登場したスマートフォンとタブレットで、以下がその製品となる。仕様などに関してはリンクの別記事を参照して欲しい。
独自性に強くこだわったスマートフォン
分社化後初の発表会となった今回は、最初に携帯事業を手掛ける富士通コネクテッドテクノロジーズの執行役員である林田健氏が登壇。新製品のスマートフォン「arrows SV F-03H」とタブレット「arrows Tab F-04H」の説明を行なった。
林田氏はスマートフォンのarrows SV F-03Hに冠した「SV」の意味について、上質の「Superior」と価値の「Value」であると述べ、従来機のarrows Fit F-01Hの良い点を継承するとともに、ワンランク上のデザインを採用し、これまでとは違うスマートフォンであることを強調した。
arrows SV F-03Hのデザインは富士通デザイン株式会社のチーフデザイナー吉橋健太郎氏が担当しており、吉橋氏は通常通り板状からデザインを考えると型にはまったものにになりがちなことから、原石からダイヤモンドを磨くように、鉱石から“彫刻”として生み出すことをコンセプトに、オリジナリティと持ちやすさ、ストーリー性を追求した製品であると語った。
オリジナリティはその形に現れており、硬質感や強度感を感じさせるために金属の質感を高め、側面部分にはノミで削り上げたかのような加工を施したという。また、ただ独自性の強い形状にしたわけではなく、持ちやすさも考慮した上でのデザインであることも述べ、横画面で使う場合に保持しやすいように、4隅にくぼみが設けられていることも説明した。ストーリー性という点では“彫刻”というデザインコンセプトから外れないように、本体の正面と背面で硬質さを感じさせる意匠を施している。
林田氏はarrows SV F-03Hの機能に関する訴求点として、F2.0の明るいレンズと1,310万画素のSONY製CMOSセンサーの搭載、MIL規格の落下試験よりも過酷な高さ1.5mからのコンクリート落下試験のパス、スループットを判断してWi-FiとLTEの切り替えを行なうマルチコネクション機能など、新スマートフォンがデザイン、カメラ、堅牢性において優れていることを強調した。
一方の10.5型タブレット「arrows Tab F-04H」については、キッチンやお風呂場など、さまざま場所で立てかけやすいように3辺に摩擦力の高い「grip edge」を採用していることや、ロック画面からユーザーを切り替え可能なマルチユーザー機能、そして世界初とする虹彩認証機能の搭載をアピールした。
Windows 7のサポートを続けるため、BroadwellとHaswell搭載モデルを法人向けに提供
次に、富士通クライアントコンピューティング株式会社 事業本部 プロダクト企画統括部 統括部長の平野和敏氏が登壇し、法人向けおよび個人向けPCについて説明。
法人向けPCでは、Microsoftが2018年7月17日に新たに定めたSkylake採用のWindows 7およびWindows 8/8.1搭載PCのサポート期限について言及し、依然としてWindows 7利用企業が多いことを踏まえ、Windows 7をサポートし続けるために、1世代前のBroadwell、2世代前のHaswellを搭載したPCを展開していくと述べた。
このほか、ストレージを外部に持つシンクライアントPCの国内における成長予測を語り、2015年時点で導入率30.4%だったシンクライアントPCは、2019年には47.2%まで上昇すると予想。同社が長年手掛けている生体認証技術やサーバー技術を活かしたトータルソリューションを提供できるとした。
個人向けPCについては既報の通りで、あまり詳細な説明も行なわれなかった。以下は、説明会場にて展示されていた製品の写真群となる。