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Android端末の充実を図るソフトバンク、Nexus 6Pを独占販売

~Y!mobile向けにはNexus 5Xを用意

今回のサプライズ機種である「Nexus 6P」は、ソフトバンクが独占販売を行なう

 ソフトバンク株式会社は8日、スマートフォン/タブレットなどの「2015~2016冬春 新商品・新サービス発表会」を開催した。

 ソフトバンク回線のスマートフォンが4機種、タブレットが1機種、フィーチャーフォンが3機種、Wi-Fiルーターが2機種の全10機種。Y!mobile回線はスマートフォンが2機種、フィーチャーフォンが2機種、Wi-Fiルーターが1機種の全5機種を発売。順次販売が開始される。

ソニーモバイルコミュニケーションズ

 ソニーからは5.2型フルHD解像度の「Xperia Z5」の1機種のみが投入される。高速なオートフォーカスが可能な2,300万画素の高性能カメラに、ハイレゾ音源への対応とノイズキャンセル機能がウリ。Xperia初という指紋センサーも搭載している。

 OSはAndroid 5.1で、カラーバリエーションはホワイト、グラファイトブラック、ゴールド、グリーンの4色展開。回線はソフトバンクを利用。

「Xperia Z5」グラファイトブラック
背面
ホワイト
【表1】ソニーモバイルコミュニケーションズ
機種名Xperia Z5
発売時期10月下旬
SoCMSM8994(2+1.5GHzオクタコア)
メモリ3GB
ストレージ32GB
microSDXC
画面サイズ5.2型トリルミナス
解像度1,920×1,080ドット
Wi-FiIEEE 802.11a/b/g/n/ac
背面カメラ2,300万画素
前面カメラ510万画素
防水IPX5/8
防塵IP6X
フルセグ/ワンセグ○/○
生体認証指紋
バッテリ容量2,900mAh
本体サイズ(mm)約72×146×7.3
重量約154g

Huawei

 今回のサプライズとして用意されていたGoogleによるHuawei製造の5.7型スマートフォン「Nexus 6P」。ソフトバンク回線では初のNexusシリーズとなり(Y!mobileでは投入済み)、ソフトバンクが独占販売する。なお、SIMロックフリー版はGoogleストアで購入可能。主な特徴は既報の通りで、最新のAndroid 6.0「Marshmallow」を搭載。総アルミ筐体やWQHD解像度のAMOLED(アクティブマトリクス式有機EL)の採用など、Nexusシリーズの中でもハイスペックな仕上がりとなっている。

 OSはAndroid 6.0で、カラーバリエーションはアルミニウム、グラファイト、フロスト、ゴールドの4色。回線はソフトバンクを利用。

「Nexus 6P」アルミニウム
背面

 Huawei製スマートフォンは、Nexus 6PのほかにY!mobile回線用の「LUMIERE」も用意される。こちらは低価格タイプのスマートフォンで、5型のHDディスプレイを採用。CPUには同社製のKirin620を搭載している。

 OSはAndroid 5.0で、カラーバリエーションはホワイト、ブラック、ゴールドの3色。

「LUMIERE」ホワイト
背面
【表2】Huawei
機種名Nexus 6PLUMIERE
発売時期10月下旬10月下旬
SoCMSM8994(2+1.5GHzオクタコア)Hisilicon Kirin620(1.2GHzオクタコア)
メモリ3GB2GB
ストレージ32/64GB16GB
microSDXC--
画面サイズ5.7型AMOLED5型
解像度2,560×1,440ドット1,280×720ドット
Wi-FiIEEE 802.11a/b/g/n/acIEEE 802.11b/g/n
背面カメラ1,230万画素1,300万画素
前面カメラ800万画素500万画素
防水--
防塵--
フルセグ/ワンセグ--
生体認証指紋指紋
バッテリ容量3,450mAh2,200mAh
本体サイズ(mm)約77.8×159.3×7.3約71×143×7.7
重量約178g約136g

シャープ

 シャープはAQUOSシリーズからリフレッシュレート120Hzの高速表示に対応した「Xx2」と「Xx2 mini」をリリース。前者が5.3型で後者が4.7型。ともにシャープの新技術「ハイスピードIGZO」が搭載されている。また、リコーのGRシリーズ開発メンバーによる画質改善プログラム「GR certified」を取得した1,310万画素のカメラを搭載し、高画質を実現している。

 両機種ともOSはAndroid 5.1を搭載。回線もソフトバンクで同じ。カラーバリエーションは異なり、Xx2はパープル、ブラック、ホワイトの3色、Xx2 miniはレッド、ホワイト、ブラック、ピンク、ブルーの4色となる。

「AQUOS Xx2」ホワイト
背面
リフレッシュレート60Hzの従来機と、120Hzの本機での表示の滑らかさの比較を行なっていた
「AQUOS Xx2 mini」ブルー
背面
【表3】シャープ
機種名AQUOS Xx2AQUOS Xx2 mini
発売時期11月中旬2016年1月中旬
SoCMSM8992(1.8+1.4GHzヘキサコア)
メモリ3GB
ストレージ32GB16GB
microSDXC
画面サイズ5.3型IGZO4.7型IGZO
解像度1,920×1,080ドット
Wi-FiIEEE 802.11a/b/g/n/ac
背面カメラ1,310万画素
前面カメラ800万画素500万画素
防水IPX5/8
防塵IP6X
フルセグ/ワンセグ○/○-/○
生体認証指紋-
バッテリ容量3,100mAh2,810mAh
本体サイズ(mm)約74×138×7.9約66×126×8.9
重量約150g約121g(暫定値)

LG Electronics

 こちらはY!mobile回線での提供となる、LG Electronics製造の5.2型スマートフォン「Nexus 5X」。主な特徴は先日の記事で掲載した通り、Nexus 6Pと同じくAndroid 6.0を搭載。10分間の充電で4時間利用可能というUSB Type-Cによる高速充電やSensor Hubによるスリープ状態からの高速復帰など、最新フィーチャーが取り込まれている。

 カラーバリエーションは、カーボン、クォーツ、アイスの3色を用意。

「Nexus 5X」カーボン
背面
【表4】LG Electronics
機種名Nexus 5X
発売時期10月下旬
SoCMSM8992(1.8+1.4GHzヘキサコア)
メモリ2GB
ストレージ16/32GB
microSDXC-
画面サイズ5.2型
解像度1,920×1,080ドット
Wi-FiIEEE 802.11a/b/g/n/ac
背面カメラ1,230万画素
前面カメラ500万画素
防水-
防塵-
フルセグ/ワンセグ-
生体認証指紋
バッテリ容量2,700mAh
本体サイズ(mm)約73×147×7.9
重量約136g

その他、フィーチャーフォンやWi-Fiルーター

 これ以外にも既報の8型Androidタブレット「Lenovo TAB2」、Androidベースのフィーチャーフォン、Wi-Fiルーターなどが用意されている。

Lenovo TAB2は8型のタブレットで、Android 5.0を搭載。ディスプレイ解像度はWXGA(1,280×800ドット)。比較的安価な製品になるという
シャープのAQUOSケータイ。Android OSがベースとなっており、3.4型のQHD液晶を搭載。カラーバリエーションが豊富
京セラのDIGNOケータイ。防水/防塵/耐衝撃性をウリとする。VoLTEに対応。3.4型液晶を搭載
SoftBank Air
ソフトバンク回線を利用したルーターで、下り速度261Mbps、データ容量制限なしとなっている。12月発売予定
TVチューナーを搭載したWi-Fiルーターの「PocketWifi TV 501HW」。連続通信時間は約10時間。製造は元はHuawei

ソフトバンク回線の高速性をアピール

 発表会に登壇したソフトバンク株式会社 代表取締役社長 兼 CEOの宮内謙氏は、ソフトバンク回線の好評を支えているのが自社の高速ネットワークによるものだとアピール。LTEの実人口カバー率が2015年9月時点で99%以上であること、SoftBank 4G LTE(FDD-LTE)とSoftBank 4G(TDD-LTE)の2つのLTE網によるキャリアアグリゲーションでの高速性や実効速度の高さをアピールした。

BCNランキングによるiPhone 6s/6s Plusの量販店販売台数の調査で、ソフトバンクがシェア1位を獲得
LTEの実人口カバー率99%以上を謳う
FDD-LTEとTDD-LTEによるキャリアアグリゲーションで回線の高速性をアピール
2015年10月時点のキャリアアグリゲーション対応基地局。2014年時点では極一部の地域のみの対応だった

 また、通信ログのビッグデータを徹底的に活用し、トラフィック量が多い特定地点での混雑状況を分析。ネットワークのチューニングに役立たせ、基地局を最適化、アンテナの配置の変更、電波強度を変更するなど、トラフィックの分散によって高速通信を実現していると述べ、この点は他社よりもソフトバンクが優れているという。ただし、北海道や東北、九州地方や沖縄での改善が必要であるとの課題が残っていることについても言及した。

第三者機関によるキャリアごとの通信速度の比較結果。宮内氏はソフトバンクの優位性を訴えた
ソフトバンク株式会社 代表取締役社長 兼 CEOの宮内謙氏

 どちらかと言えばiPhoneによる躍進が強いイメージの同社だが、今回ソフトバンク回線に初のNexusシリーズ「Nexus 6P」を投入したことについて、Android OSを搭載したスマートフォンがソフトバンクとY!mobile回線と合わせて量販店での販売が50~60%を超えており、Androidにも力を入れていることを強調。

 ソフトバンク回線とY!mobile回線で別々にNexusシリーズを投入するといった2ブランド戦略を採っていることについては、前者がハイエンド層への製品であり、後者はミドルレンジ層をターゲットとしていると、明確な棲み分けがあることを語った。

 宮内氏は新製品のほかにもソフトバンクが4つの新しいサービスを導入することを説明し、Yahoo!ショッピングをソフトバンクのアカウントで簡単に使えるようにする「スマートログイン」や、病院の診察料を携帯電話料金の支払いと合算することで会計待ち時間を減らす「スマート病院会計」など、電話以外での企業活動も紹介。

 最後に行なわれたトークセッションでは、新CMでキャストを務める小泉今日子さんと満島真之介さんが登場し、CMで演じるアニメキャラクタやその内容に関する秘話を披露した。新CMは一晩限りの60秒スペシャルバージョンを10月20日の21時53分頃に全国で放映し、その後にいくつかのバージョンも順次放映される。

ソフトバンクが通信事業以外に取り組む4つのサービスを紹介
スマートログインのほか、PepperにYahoo!ショッピングでの買い物をしてもらえる「Pepperショッピング」開始予定
トークセッションでは新しいCMキャラクタとして元セーラームーン役を務める小泉今日子さんと、元おぼっちゃまくん役を務める満島真之介さんが登場した

(中村 真司)