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MediaTek、世界初のスマホ向け10コアCPU

 台湾MediaTekは12日、業界初となる10CPUコアを内蔵するモバイルプロセッサ「Helio X20」を発表した。第3四半期よりサンプル出荷を開始し、2015年末にもコンシューマ向けの搭載製品が登場する見込み。

 Helio X20は、10基というCPUコア数の面でも先端を走るが、同社が「Tri-Cluster」と呼ぶ、3つのCPUクラスタで構成されることも特徴。現行のモバイル向けハイエンドプロセッサは、軽い負荷向けと重い負荷向けに2種類の異なるCPUコアを採用するデュアルクラスタ構成となっているが、Helio X20では、最大2.5GHz駆動のCortex-A72のデュアルコアクラスタを1つと、中負荷で2GHz、軽負荷では1.4GHzで動作するCortex-A53のクアッドコアクラスタを2つという構造になっている。これにより、より柔軟に電力と性能のバランスを取ることができ、デュアルクラスタアーキテクチャに比べて、3割消費電力を削減できるという。

 プロセスルールは20nmで、GPUコアはARM GPU MP4(700MHz)を採用。このほか、Cat 6 LTE/キャリアアグリゲーション対応のLTEモデム、3D深度エンジンを搭載し、より複雑な被写界深度を表現できる3,200万画素デュアルメインカメラ、4K30Pでの動画録画、2,560×1,600ドット/60Hz、1,920×1,080ドット/120Hz表示、CPUとは独立して動作するCortex-M4センサープロセッサなどを内蔵する。

(若杉 紀彦)