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金沢工大、目的地を想像するだけで自律走行する車いすを開発

 金沢工業大学工学部情報工学科中沢研究所は10日、脳波を使い、利用者が頭の中で目的地を指定するだけで、自律的に移動する車いすロボット制御システムを開発した。

 これまでも脳波で操作する車いすはあったが、前進や方向転換といったことを逐次指定するインターフェイスだったため、利用者の負担が大きかった。

 今回開発したのは、方向ではなく目的地を指定するインターフェイス。システムにはあらかじめ、施設内の地図と複数の目的地が記されており、目的地に振られた数字を頭に思い浮かべると、脳波センサーがそれを読み取り、後は車いすがセンサーで周囲を読み取り、障害物を避けながら自律走行する。脳波の読み取りにはディープラーニングを用い、脳内に描いた数字を区別している。

 今後は精度を上げるとともに、医療現場での実証を行なう。

(若杉 紀彦)