ニュース

日本マイクロソフト、スマホ向けMSNアプリなどコンシューマ向けサービスを続々提供

~未発表の日本エイサー製低価格8型タブレットも披露

 日本マイクロソフト株式会社は2日、国内におけるコンシューマ向けオンラインサービスの現状や提供予定の新サービスを紹介する記者説明会を開催。併せてWindowsタブレットの現状についても紹介を行ない、日本エイサーが発売を予定しているという8型Windowsタブレットが披露された。

 冒頭で挨拶に立った執行役 アドバタイジング&オンライン統括本部長の姜望仙(カン・ヒーサン)氏は、Microsoftが掲げる“モバイルファースト・クラウドファースト”がエンタープライズ分野だけでなく、コンシューマサービスを提供する上でも基本になっていると紹介。

 Microsoftが提供する広範な製品/サービスは10億人以上のユーザーがいるが、70%の人は1つの製品だけを使っているという。つまり多くのユーザーが1つのサービスだけしか使っておらず、ここに大きなチャンスがあると考えている。すなわち、(もちろん新規ユーザー獲得の意欲も示しているが)この多くのユーザーを潜在顧客として考え、それを同社の他サービスへ結び付けていき、さらにマネタイズもするというビジネスモデルになる。

日本マイクロソフト 執行役 アドバタイジング&オンライン統括本部長の姜望仙(カン・ヒーサン)氏
Microsoftが持つ広範な個人向け製品やサービス
そのユーザーは10億人以上いるが、うち70%は1つのサービスしか使っていないという
ユーザーを他製品/サービスへ結び付け、さらにマネタイズしていくのが個人向けサービスにおけるビジネスモデル
アドバタイジング&オンライン統括本部 マーケティング部 部長 佐藤賢氏

 続いて登壇したアドバタイジング&オンライン統括本部 マーケティング部 部長 佐藤賢氏は、近日提供を開始するアプリなどを紹介。

 その1つが、同社の情報プラットフォームとして提供されているMSN用のAndroid/iOSアプリで、時期は明言されていないものの「遠くない将来」に提供が開始される。

 「ニュース」、「ヘルスケア」、「スポーツ」、「フード&レシピ」、「マネー」、「天気」という6つのタスク別にアプリが提供され、今回の記者説明会では「ニュース」と「ヘルスケア」に絞って紹介が行なわれた。

 「MSNニュースアプリ」は、名前の通りニュースを閲覧するためのものであるが、昨今普及しているキュレーション型アプリとは違って、国内外の信頼できるソースのみから収集しており、厳選された質の高いニュースが読める点を優位点であるとする。

 また、「マイニュース」と呼ばれるメニューが用意され、任意のキーワードでピックアップしたニュースを表示させることもできる。佐藤氏は「自分用ニュースアプリに設計し直したツール的な使い方できる」とこの機能をアピールしている。

 「MSNヘルスケア」は、健康に関する情報を包括的に取得できることを特徴とするアプリで、歩数や歩行距離、消費カロリーなどのログを見るだけでなく、運動方法とその難易度、所要時間などを紹介するコンテンツなど、フィットネスに関するコンテンツも提供される。加えて、人体モデルから部位や症状を選択していくだけで可能性がある病名をリストアップする機能も備えている。

 2013年にロゴやキャッチコピーを変更した検索機能の「Bing」については、ユーザーにとって必要な情報を、直感的に取得できるよう、迅速に改良が進められていることを紹介。

 また、この12月にはiOS向けのBingアプリの提供も予定。PC版Bingと同様の日替わりホームページを採用するほか、検索機能だけでなく、BingマップやBingニュースもアプリ上から利用できるようになっている。さらに、デバイスを振ることで、話題のキーワードからランダムに検索して表示するというユニークな機能も備える。

タスク別に6つのアプリを提供するAndroid/iOS向けMSNアプリ
MSNニュースアプリのデモ
マイニュースでは指定したキーワードでピックアップした記事のみを表示できる
ニュース記事を表示させた時のフォントサイズや行間、スタイルの変更も可能
MSNヘルスケアアプリ。トップ画面上部が関連コンテンツの表示、中央がログを表示する画面
ログ表示画面。Windows版アプリとのデータ共有も可能と言う
フィットネス関連コンテンツの表示。動画や運動方法、難易度、注意点などを表示できる
「症状セルフチェック」では、表示された人体モデルから症状が出ている部位を指定し、どのような症状なのかを選択していくことで、可能性のある病名がリストアップされる
Bingの現状について紹介したマイクロソフト ディベロップメント株式会社 サーチテクノロジーセンタージャパン プログラムマネージャー 横井啓介氏
2013年のロゴ変更には、単なる検索エンジンからユーザーの問題点を解決するサービスへの変革の意思があるという
2013年のロゴ変更とともに変更されたキャッチコピー
Web検索だけでなくMicrosoft(Bing)が持つものも含めたコンテンツの表示や、それをどのように表示するかなどが日々検討されている
例えば、料理のレシピを知りたい場合、直感的に情報を選べるよう、料理名を入れると「クックパッド」のレシピへの直接リンクがリスト表示されたり、写真とともにレシピへのリンクが表示されるなどの工夫をしている
インターネットの進化速度に合わせるために検討された機能をできるだけ早期に導入。また、検索キーワードと結果を参照するのではなく、特定のシナリオを想定し、その際にどのような結果/表示がユーザーに好ましいかを検討している
iOS向けのBingアプリを12月に提供開始予定
ホームページはPC版と同じく日替わりの壁紙
BingニュースのほかBingマップもアプリ上から表示可能
デバイスを振ると、話題のキーワードからランダムに選んで検索した結果が表示される

 このほか、12月1日に同社が発表した「Bing検索キーワードランキング 2014」の紹介サイトも公開。これは9種類のカテゴリ別にランキングしたもので、日本を含む11カ国で同時に公開。同じカテゴリが他国ではどのような結果になっているか、などを横断的に見ることもできる。

 また、12月2日には、毎年恒例のNORAD(北米航空宇宙防衛司令部)によるサンタ追跡サイトがオープンした。クリスマスまで毎日1つずつ追加されるゲームや、サンタの歴史やソリのスペックなどを紹介するコンテンツも提供されている。12月24日にはサンタクロースをリアルタイム追跡するという。

2014年のBing検索キーワードランキングを紹介するサイトを11カ国で同時公開
ランキングは9種類のカテゴリ別に集められている
11カ国同時公開で、他国での結果も容易に参照できる
米国(左)と日本(右)の政治家カテゴリにおけるランキングキーワードの違い
毎年恒例のNORADサンタ追跡サイトが12月2日にオープン

 記者説明会では、年末年始商戦向けのWindowsタブレットも展示され、製品の紹介が行なわれた。説明にあたったOEM統括本部 マーケティング部 部長 竹内洋平氏は「防水、液晶脱着式や360度回転モデルなど、ニーズを吸い上げてデバイスを作ってもらえているのが、このプラットフォームの強みではないか」と紹介。そうした市場のニーズに応えたデバイスの進化を支えるべく、ラピッドリリースによるWindows 8の進化で支えていることをアピールした。

 ここでは、会場で展示されていたデバイスを写真で紹介する。なお、このうち日本エイサーの「ICONIA W1」は未発表の参考展示製品。8型Windowsタブレットで、デルの低価格モデル「Venue 8 Pro 3000」のような価格帯で発売される見込みという。

OEM統括本部 マーケティング部 部長 竹内洋平氏
この秋冬には10社以上から20機種を超えるWindowsタブレットが販売されている
タッチに対応したWindows 8の以後、8型モデルの普及に合わせた画面サイズ/解像度への対応や、低価格機を提供するためのハードウェア要件緩和などOSも進化させているとアピール
Windowsタブレット(8型以上11型未満)購入者にWindowsストアギフトカード1,000円分とソニー電子書籍ストアReader Storeの500円分がプレゼントされるキャンペーンも開催中
日本マイクロソフト「Surface Pro 3」
エプソンダイレクト「Endeavor TB20S」
富士通「ARROWS Tab QH33/S」
日本エイサー「ICONIA W1」
NECパーソナルコンピュータ「LaVie Tab W」
レノボ・ジャパン「Miix 2 8」
日本エイサー「Aspire Switch 10」
サードウェーブデジノス(ドスパラ)「Diginnos DG-D08IW」
東芝「dynabook Tab S50」
東芝「dynabook KIRA L93」
マウスコンピューター「AT-Z37TE10-B」
東芝「dynabook Tab S68」
デル「Venue 8 Pro 3000」
ASUS「TransBook T100TA」
レノボ・ジャパン「YOGA Tablet 2-10 with Windows」

(多和田 新也)