ニュース
Dell、Core M搭載の10.8型Windowsタブレット「Venue 11 Pro 7000」
(2014/11/6 09:04)
米Dellは、タブレットの新製品として「Venue 11 Pro 7000」シリーズを発表。現地時間の11月5日から、米テキサス州オースティンで開催されている同社年次イベント「Dell World 2014」の会場において展示した。日本では年内に発売する予定だという。
Venue 11 Pro 7000シリーズは、Core Mプロセッサを搭載したWindowsタブレットで、10.8型のフルHD(1,920×1,080)IPS液晶ディスプレイを搭載。従来モデルに比べて、15%の薄型化を実現したほか、ファンレス設計による軽量化および静音化を実現したという。
展示されていた製品には、CPUにCore M-5Y70(0.80GHz、ビデオ機能内蔵)を搭載、8GBのメモリを搭載していた。OSはWindows 8.1を搭載している。
ノートPCの使用感と変わらないトラベルキーボードと、携帯性を追求した薄型キーボードを付属。トラベルキーボードはバッテリを内蔵しており、合計約18時間の駆動が可能になるという。本体のみでは約8時間の駆動時間を実現している。また、オプションのドッキングステーションを接続することで、ディスプレイやキーボード、マウスを使用できる。
さらに。スマートカードと指紋認証リーダによる2段階認証プロセスをオプションで提供。これらのセキュリティ環境により、米国防総省の統合機能認定製品リスト(UC APL)に掲載される機能を実現。セキュリティと管理性能は業界最高水準に達するという。
米Dellのバイスチェアマン兼グローバルオペレーション、EUCソリューション担当プレジデントのジェフ・クラーク氏は、「Venue 11 Proは、モバイルワーカーの生産性を向上させるように設計しており、IT部門およびユーザーにとって、最適なモバイルアクセスと管理を実現できる。具体的な用途として、Dellが持つヘルスケア分野の知見を活かし、病院や医療施設でのニーズに応じたソリューションを設計したり、モバイル・ペイメント・ソリューションにより、2Dバーコードスキャナーと磁気ストライプリーダを利用したリテール分野向けおよびサービス分野向けのソリューション提案を可能にする」とし、「市場を牽引することができるデバイスになると考えている」と語った。
価格は699.99ドルからで、米国では11月11日からDell.comを通じて販売する。
また、Dellでは、Ultra HD 5Kディスプレイの「UltraSharp 27 Monitor」を発表。さらに、未来型の利用コンセプトとして、革新的ワークスペースである「スマートデスク」を発表した。
Ultra HD 5Kの解像度(5,120×2,880)を提供する世界初のディスプレイと位置付ける「Dell UltraSharp 27 Monitor」は、QHD解像度の4倍、フルHDの解像度の7倍に相当するもので、2,000ドル以下で発売する予定だという。中国では、11月20日から、全世界では12月18日から、Dell.comを通じて販売する。
「Dellは4Kディスプレイにおいても、他社に先駆けて製品を投入した。5Kにおいてもそれは変わらない。プロフェッショナルワークステーションを活用するエンジニアのほか、ヘルスケア、アニメーター、フォトグラファー、エディターなどの領域において、今までできなかったことが実現できる。ディスプレイ市場においても世界のリーダーとしてのポジションを維持する」(クラーク氏)。
Dell World 2014におけるデモストレーションにおいて、Windows 10のテクニカルプレビュー版を使用。「Microsoftとともに、新たな市場の開拓に取り組む」と述べた。
「スマートデスク」は、インタラクティブなマルチタッチ液晶と、ワークステーションであるPrecisionシリーズとを組み合わせて提案するもので、人間工学をもとに、タッチ、スタイラスペン、音声などを用いた新たな利用環境を提示する。
クラーク氏は、「まだコンセプトレベルのものであり、今後発展するものになる」と前置きしながら、「クリエイターなどに対して、創作と設計の作業方法を根本的に変えるものになると位置づけている。また金融分野やエンジニアにとっても仕事のやり方を変えることができる提案になる。幅広いソフトウェアとの統合を図ることで応用範囲が広がる」とコメント。複数のユーザーが、個々のデジタルデスクトップから1つのプロジェクトに取り組めるような共同作業の効率化を実現できるという。
「今のPCと人とのやりとりは不自然である。これを改善するものになる」とした。
一方、同社では、セキュリティと管理性を備えたソフトウェアソリューション「Dell Software Suite」を投入。同ソフトウェアを導入することにより、高いセキュリティ環境と管理性を備えたエンド・トゥ・エンドソリューションを提供できること強調した。
Dellの法人向けクライアント製品に対して、1年間無償で提供するDell Software Suiteは、Dellブランドのクライアント製品だけでなく、他社製品を含めた異機種環境においてもセキュリティ機能や管理機能を提供。モバイル環境においても効果を発揮するという。
Dell Software Suiteでは、KACE K1000 Expressにより、Windowsデバイスを効率的に管理。ハードウェアおよびソフトウェアのインベントリの確認、BIOSとドライバの更新、保証内容の確認などが容易に実現できるほか、Dell Secure Mobile Accessの一部である、E-Class SRA EX Virtual Applianceにより、許可された機器やアプリケーションだけを対象にしたアクセス制御ポリシーの強化により、モバイルワーカーの生産性を向上。Dell Data Protection | Protected Workspaceにより、ゼロデイマルウェアによるフィッシング攻撃に対しても、攻撃発生時にはマルウェアがブロックされ安全な環境が20秒以内に復旧する機能を実装しているという。
さらに、Dellは Microsoft PowershellをDell・コマンド・ツールに組み込んで提供。同製品をOEM提供される初のベンダーになるという。Dellでは、これらのソリューションによる効率的な管理によって、100台のクライアントあたり、5,700ドルの節約が可能だとしている。