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Surface 2の一部機種が3月末まで新規受注を停止

~法人向けSurface普及戦略に黄信号か?

 日本マイクロソフト株式会社が発売するタブレット端末「Surface」の一部機種が、2014年3月末まで、新規の受注を停止していることが明らかになった。

 対象となっているのは、法人向けに供給している「Surface 2」の32GB版および64GB版。日本マイクロソフトによると、「多くの引き合いをいただいているが、全世界規模での供給体制の観点から、3月末まで、いったん新規受注を停止させていただくことをパートナーに伝えた」という。

 先週後半から今週後半にかけてマイクロソフト認定Surfaceリセラーであるウチダスペクトラム、大塚商会、キヤノンマーケティングジャパン、日立システムズ、富士ソフト、リコージャパン、ティーガイア、丸紅テレコムの8社に対して、日本マイクロソフトから説明があった模様で、今週からすでに新規受注が停止となっている。

 なお、Surface Pro 2は、この対象とはなっていない。

 また、個人向けに販売しているエディオン、ケーズホールディングス、ビックカメラ、ヤマダ電機、ヨドバシカメラにはSurface 2の新規受注停止の措置は取られていない。

過去最大の商戦期に受注停止措置の影響は?

 今回の法人向けのSurface 2の新規受注停止措置は、グローバル規模で行なわれているもので、関係者によると「個人向けの販売を優先するための措置」だという。

 Surface 2は、第1世代となるSurface RTが予想を下回る実績に留まり、2013年4~6月期決算においては、Surface RTの在庫調整のため費用として9億ドルを計上。Surface RTを全世界で大幅に値下げした経緯がある。

 そのため、Surface RTの第2世代となるSurface 2では、生産数量をかなり絞り込んでいると見られていた。

 しかし、Surface 2では、Tegra 4を搭載することで性能を大幅に向上。Windows RT 8.1の搭載により、Outlook RTが新たに同梱されるなどの利便性が高まったこともあり、予想を上回る売れ行きとなった模様だ。つまり生産量の見誤りが今回の措置につながっているといえよう。

 日本においては、多くの企業が3月末に年度末を迎え、法人需要がピークになるタイミング。しかも2014年は、Windows XPのサポート終了前の買い換え需要と、消費税増税前の駆け込み需要が重なり、これまでにない法人需要が見込まれている。

 Gartner Japanによると、「2014年第1四半期(1~3月)の国内PC市場は、過去最高の法人需要が見込まれることになり、同四半期の法人需要だけで300万台を突破する可能性もある」(ガートナージャパン・蒔田佳苗主席アナリストト)という。

 過去最大となる法人PCの需要期に、日本マイクロソフトは、一部製品を供給できないことになる。Surfaceの普及戦略にも影響を及ぼすことになりそうだ。

(大河原 克行)