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楽天、22,800円でGoogle Playも使えるWUXGA/7型搭載のAndroid電子書籍端末

~楽天ポイントを1年間2倍の特典付き

Kobo Arc 7HD
12月下旬 発売

価格:22,800円(16GB)/27,800円(32GB)

 楽天株式会社は26日、加KoboのAndroid搭載7型電子書籍端末「Kobo Arc 7HD」を発表した。ストレージ容量16GBと32GBの2モデルを発売。価格はそれぞれ22,800円、27,800円。本体色は各モデルにブラックとホワイトの2色を用意する。

 Koboとして初のAndroid搭載端末。Androidに「楽天Kobo」アプリが統合されており、画面の端をスワイプするだけでKoboアプリへ遷移できるほか、従来より提供されてきたAndroid版Koboアプリよりも電子書籍の購入を簡便に行なえるものになっているという。また、楽天の各マーケットに簡単にアクセスできるUIも統合されている。

 Androidタブレットとしては、Google Playにも対応。例えば、Google Playで提供されている、他社の電子書籍アプリをインストールして利用することもできる。

Kobo Arc 7HD
画面の端をスワイプするとKoboアプリが呼び出される
Google Playにも対応
Kobo Arc 7HDのブラックおよびホワイト
Kobo Arc 7HDの裏面。ブラックのみ表面にエンボス加工
楽天の各サービスへアクセスできる「楽天gateway」ウィジェット
Kobo画面からさらに右へスワイプすると楽天の各サービスへアクセスできるUIが表示される

 主な仕様は、OSにAndroid 4.2.2、プロセッサにTegra 3(1.7GHz)、メモリ1GB、ストレージ16GBまたは32GB、1,920×1,200ドット表示対応7型液晶(323ppi、10点タッチ対応)を搭載。

 インターフェイスは、130万画素前面カメラ、IEEE 802.11b/g/n無線LAN、Bluetooth 4.0、Micro USB、Micro HDMI、音声入出力など。ジャイロ、加速度、照度の各センサーやモノラルスピーカーも内蔵する。

 バッテリ容量は4,200mAhで、駆動時間は最長8.7時間。本体サイズは122×194×9.6mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約341g。

上部に電源スイッチ
側面にMicro USB、Micro HDMI出力、音声入出力を装備
ブラックモデルは背面がエンボス加工されている

 なお、Koboの新製品としては、10月17日にE-Inkの電子ペーパーを用いた6型端末「Kobo Aura」を国内発表済み。すでに予約を受け付けており、12月上旬に出荷を開始する予定となっている。価格は12,800円。

12月上旬出荷開始予定の6型電子書籍端末「Kobo Aura」
本体色はブラックとピンクの2色。表面処理が異なっており、ブラックモデルのみ表面にエンボス加工を施している

PCビューワも投入、Kobo Arc 7HD購入者は1年間楽天ポイント2倍

 同日都内で行なわれた説明会では、楽天株式会社パッケージメディア事業・イーブックジャパン事業担当役員 舟木徹氏が、2013年の現状と今後の戦略について説明した。

 2013年の現状としては、コンテンツ数、ユーザー数、端末の販売台数、コンテンツの販売額のいずれもが好調に推移したと総括。

 コンテンツは2012年末から順調に増え、11月末時点で18万冊を突破。質についても芥川賞作品や人気コミック、ロングセラーとなる作家の作品の電子化が進んでおり、「出版社の電子書籍に対する捉え方が変わってきた」と考えているという。また出版社側の姿勢の変化に伴い、出版社が販促を協力する格好で、期間限定の値下げなどの施策が打てるようにもなってきているという。

 ユーザー(会員)数について、同社は依然として実数は公表していないが、2012年末から3倍へと増加。「まだまだ電子書籍ビジネスは導入期で、コストをかけてでもユーザー数を増やすことが重要と考えている」とした。

 コンテンツの販売額についても2012年末比で約4倍へ向上。1人当たりの購買額が1月から9月にかけて47%増になっていることに着目し、ここが今後黒字化を目指すにあたっての重要なポイントに挙げている。さらにリピート率も低下気味だが、プッシュメールをタイムリーに送信するなどの効果で、2月、4月、6月に登録したユーザーのリピート率の低下を抑えることができたデータも示している。

 さらに同社では、楽天各サービスでのユーザー動向から、Koboユーザーを3種類にカテゴライズ。この中で、持ち歩いてクールに読みたいなどの嗜好性を持つ“エンタメ派”に対して注力して進めていくとし、ロングセラー小説やコミックなどの娯楽作品を中心に展開する姿勢を示した。

 端末の販売については、楽天イーグルスの優勝セールなどもあり、「Kobo Glo」を中心に堅調な伸びを示し、2012年末時点と比べて70%増になった。また、2013年は(リアルの)書店での販売を強化しており、取り扱い店は100店舗へ拡大。リアル書店での販売については、どう売るか、書店にどう理解してもらうかなど試行錯誤を重ねたというが、2013年下期はリアル書店での1つの販売モデルを確立することができ、「オープン時に1日で数十台売れるケースもあった」としている。

 また今後は、端末だけでなく、コンテンツの決裁をリアル書店で行なえるような取り組みを検討しているという。

楽天パッケージメディア事業・イーブックジャパン事業担当役員 舟木徹氏
日本語コンテンツ数の推移
ユーザー数の推移
楽天によるユーザーのカテゴライズ、娯楽作品を充実させるなど「エンタメ派」にフォーカスする
端末販売数の推移、Kobo Gloを中心に伸び
コンテンツ販売額の推移、1人当たりの購買額も上昇傾向にある
リピート率の低下、お知らせメールなどの効果で2~3カ月後のリピート率の低下を抑制
価格施策においては出版社による販促支援によるキャンペーンなども展開
Koboに対するイメージとして楽天スーパーポイントを使えることが上位に来る

 新端末および新サービスについては、先述の7型Androidタブレット「Kobo Arc 7HD」とE-Ink端末「Kobo Aura」のほか、7型Androidタブレットの廉価モデルとなる「Kobo Arc 7」も、近日中に発売予定あることを明かした。価格は14,800円を想定している。Kobo Arc 7は海外では発表済みの端末で、プロセッサがMediaTek製、液晶解像度が1,024×600ドットになるなどの違いがある。

 また、Kobo Arc 7HDまたはKobo Arc 7を購入し、2014年3月19日までにログインしたユーザーに対しては、楽天市場、楽天ブックス、楽天Koboでの買い物で付与される楽天スーパーポイントを1年間2倍(通常1%のところを2%)にするキャンペーンを実施。上限は「毎月30,000円分までの買い物」となっており、舟木氏は「1年かければ(端末代金は)十分にペイする特典」とアピールした。

 さらに先着5,000名限定となるが、アンケートに答えることで3,000円オフとなるキャンペーンも、同日より楽天Koboサイトでスタートしている。

 このほか、Androidアプリも11月28日にアップデートを行ない、書籍の購入をワンクリックで行なえるようにするほか、WindowsおよびMac対応のビューワも2014年第1四半期にリリースすることを表明した。

 舟木氏は、「専用端末、スマートデバイス用アプリに加え、2014年第1四半期にPC版のビューワが加わることでチャネル向けのマルチプラットフォーム戦略としては完結する」とした。

Kobo Arc 7HDの概要。11月26日より予約受け付けを開始し、12月下旬に発売予定
Kobo Arc 7の概要。近日発売を予定。1年間ポイント2倍キャンペーンの対象
10月に予約受け付けを開始したKobo Auraは12月上旬に発売予定
オープンプラットフォームかつ読書に最適化した端末としてAndroid版のKobo端末を発売
既存のAndroidアプリも電子書籍の購入を簡易にするアップデートを11月28日に実施
2014年第1四半期にはWindows、Mac対応のビューワを提供予定

(多和田 新也)