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トレンドマイクロ、SNSのプライバシー保護機能などを強化した「ウイルスバスター」最新版

~セキュリティ情報などを提供するWindowsストアアプリも無償提供

ウイルスバスターシリーズ
9月19日より順次発売

価格:4,980円(1年/ダウンロード版)~

 トレンドマイクロ株式会社は19日、都内で記者会見を開催し、セキュリティスイートの「ウイルスバスター クラウド」の最新版を発表した。19日17時より、直販サイトでダウンロード版の販売を開始する。パッケージ版は10月3日発売。モバイル向けの「ウイルスバスター モバイル」、パスワード管理ツール「パスワードマネージャー」も最新版へ移行する。

 会見の中で同社取締役副社長 日本地域担当 グローバルコンシューマビジネス担当の大三川彰彦氏は、Android端末での不正アプリが1年間で急増していることや、プライバシー漏洩リスクの高まり、アカウントの搾取による不正ログインの増加など、多種多様なデバイスが広がる中で発生した新たなセキュリティリスクを紹介。これらに対するユーザーの関心も高まっており、Facebookでのプライバシーが気になる人が83.7%、設定をしたいが分からないという人が85.6%に上ったという同社の調査結果などを示した。

同社取締役副社長 日本地域担当 グローバルコンシューマビジネス担当の大三川彰彦氏
2012年3月からのAndroidに感染する不正アプリの推移
同社解析によるプライバシー漏洩リスクのあるアプリ
アカウントへの不正ログインの調査結果
SNS利用のプラットフォーム
SNSのプライバシーに対する懸念

 こうした環境の中で提供される新製品については、「“SNS対応機能の強化”、“プライバシー保護の拡充”、“サポートメニューの増強”の3点が新しいウイルスバスターの価値。これによりエンドユーザーのデジタルライフを丸ごと守っていく」と新機能をまとめた。

 同社では「3D戦略」と呼ばれる、データプロテクション(Data Protection)、データアクセス(Data Access)、ダウンロードアプリ(Download Application)という3つの“D”に対応した製品開発を行なっている。今回の新製品でも、それぞれDに対し、プラットフォーム別に新機能が追加される。

新製品の詳細を紹介した同社上級執行役員 コンシューマビジネス統括本部長の大場章弘氏
トレンドマイクロの「3D戦略」に当てはめた新機能(左)と、その機能が提供されるアプリケーション(右)

 PC/Mac向けとなる「ウイルスバスター クラウド」は、Windows 8.1に正式対応したほか、従来バージョンでも搭載していた「プライバシー設定チェッカー」機能を強化。

 プライバシー設定チェッカーとは、SNSのプライバシー設定におけるリスクの高い項目をチェックし、低リスクな設定をアドバイスする機能。従来はFacebookにのみ対応していたが、今バージョンではGoogle+とTwitterにも対応した。Facebookでは10項目、Google+とTwitterは各4項目のプライバシー設定をチェック/変更できる。SNS側のAPIが変更された場合は、速やかにアップデートするとしている。

 また、内部エンジンを高速化しており、アプリケーションインストール時のリアルタイムスキャンで16.9%、ファイルダウンロード時のリアルタイムスキャンで3.7%高速化したとの測定結果を紹介。これは、ベータ版を試用した8割以上のユーザーが体感として高速化を感じられたとしている。

 該当ファイルのダウンロード回数やユーザーの参照数などの統計データを分析して安全性を評価する「コミュニティインテリジェンス」機能も強化され、ダウンロードファイル以外に、メールの添付ファイルも同機能による診断が可能となっている。

 このほか、これまで提供してきたサポートメニュー「保険&PCサポート」を「保険&デジタルライフサポート」として内容を変更。従来はWindows/Macや周辺機器のサポートのみであったが、Android/iOSのサポートやSNSの使い方、プライバシー漏洩リスクに関する相談など、サポート対象を拡大した。

 ウイルスバスター クラウドの対応OSはWindows XP/Vista/7/8およびMac OS X 10.7以降。ラインナップは下記表の通り。

ウイルスバスター クラウドの強化ポイント
プライバシー設定チェッカーはTwitterとGoogle+にも対応
サポート対象を広げた「保険&デジタルライフサポート」
内部エンジンの改良でパフォーマンスは最大16.9%向上
Windows 8.1にも正式に対応する
【表】ウイルスバスター クラウドのラインナップと価格
提供形態製品価格
パッケージウイルスバスター クラウド 1年版オープンプライス(直販価格:5,980円)
ウイルスバスター クラウド 3年版オープンプライス(直販価格:12,800円)
ウイルスバスター クラウド 1年版 パソコン同時購入用オープンプライス
ウイルスバスター クラウド 3年版 パソコン同時購入用オープンプライス
ウイルスバスター クラウド+保険&デジタルライフサポート 1年版 パソコン同時購入用オープンプライス
ウイルスバスター クラウド+保険&デジタルライフサポート 3年版 パソコン同時購入用オープンプライス
ダウンロードウイルスバスター クラウド 1年版4,980円
ウイルスバスター クラウド 2年版8,980円
ウイルスバスター クラウド 3年版11,800円
ウイルスバスター クラウド+保険&デジタルライフサポート 1年版7,680円
ウイルスバスター クラウド+保険&デジタルライフサポート 2年版13,180円
ウイルスバスター クラウド+保険&デジタルライフサポート 3年版17,680円

 Android用アプリの「ウイルスバスター モバイル」の最新版は、パターンファイルの9割をクラウドサービス「Smart Protection Network」に置き、ローカルには最小限のパターンファイルのみを置くハイブリッド型の不正アプリスキャンに対応。

 また、無償提供のFacebookプライバシー設定アプリ「SNSプライバシースキャナーアプリ」との連携機能が追加される。

 サービス面では、「おまかせ!スマホお探しサポート」を新たに提供。従来バージョンより対応していた、端末内蔵のGPSを活用してユーザー自身の手で紛失した端末を探索する機能を、電話窓口で手助けするサービス。必要に応じてワイプやバックアップなどの対応も行なうとしている。

 対応OSはAndroid 2.2以降。ラインナップと価格は下記表の通り。

ウイルスバスター モバイルの強化ポイント
パターンファイルのほとんどをクラウド側に置くことで端末の容量負担を軽減する
無償の「SNSプライバシースキャナー」と連携してSNSのプライバシー設定を行なえる
SNSプライバシースキャナーによるFacebookのプライバシー設定
紛失したスマートフォンの探索をサポートする新サービスを提供
【表】ウイルスバスター モバイルのラインナップと価格
提供形態製品価格
パッケージウイルスバスター モバイル 1年版オープンプライス(直販価格:2,980円)
ウイルスバスター モバイル 2年版オープンプライス(直販価格:5,480円)
ダウンロードウイルスバスター モバイル 1年版2,980円
ウイルスバスター モバイル 2年版5,480円
ウイルスバスター モバイル1年版+おまかせ!スマホお探しサポート 1年版3,980円
ウイルスバスター モバイル2年版+おまかせ!スマホお探しサポート 2年版6,980円

 パスワード管理ツールの「パスワードマネージャー」は、従来のWindows、Android、iOSに加えて、Mac OS X 10.6以降にも対応する。

【2013年9月30日修正】初出時、Mac版では不正なWebページへのアクセスブロック機能などが追加されるとしておりましたが、メーカーより仕様変更で機能の搭載を見送ったとのアナウンスがあったため当該部分の記述を修正しました。

パスワードマネージャーは新たにMacに対応
Mac版では他OS版にはない不正サイトへのアクセスブロック機能などを搭載する

 また、新たに、Windowsストアアプリ「トレンドマイクロ コネクト」を10月下旬よりWindowsストアで提供する。これは最新のセキュリティ情報やコラムを提供するアプリで、同社製品ユーザー以外も含めて無料で利用可能。同社製品ユーザーはトレンドマイクロのアカウントと紐付けられ、各デバイスの情報を参照することができる。

無償で提供されるWindowsストアアプリ「トレンドマイクロ コネクト」の概要
ライブタイルに対応しており、Modern UI上でセキュリティニュースをチェックできる
トレンドマイクロ コネクトの画面
セキュリティに関するニュースやコラムなどを参照できる
同社アカウントと紐付けられ、各端末のライセンス期間などを確認できる

(多和田 新也)