株式会社ピクセラは、Windows 8の新UIに対応した無線デジタルTVチューナ「PIX-BR320」を11月上旬に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は18,000円前後の見込み。Windows 8以前のXP/Vista/7などでは利用できない。
本体がルータにぶら下がる無線アクセスポイントとして機能し、無線LAN経由で接続したWindows 8/8 Pro搭載PC上で地デジ/BS/110度CS放送の視聴が可能なチューナ。現在ソフトバンクから発売されているiOS用デジタルTVチューナのPC版にあたる。
無線LANはIEEE 802.11a/b/g/n対応し、周波数は2.4GHz/5GHz帯に両対応する。持ち運びやコンテンツ視聴に適したWindows 8搭載タブレットPCと組み合わせることで、家の中のさまざまな場所でTV視聴を可能にする。
Windows 8の新UIにあわせてTVアプリケーション「StationTV」を新たに設計し、チャームによる設定や、スナップによる2アプリケーション同時表示などが可能となっている。
TVチューナは地デジ/BS/110度CSともに2系統で、背面にUSBポートを装備しており、12月予定のソフトウェアアップデートでUSB外付けHDDを接続すると2チューナ目を活かしたHDDへの裏番組録画が可能となる。ただし規制により2デバイス以上の同時視聴には対応していない。
現在放送中の番組名などは表示されるが、番組表表示は現在のところ非対応。将来的に裏番組録画が可能になるが、予約はiEPGやiCommandを通して行なう。
カードはmini B-CASを利用。最低CPUはCore 2 Duo 2GHzまたは同等以上、推奨CPUはCore i5または同等以上で、グラフィックスはWDDM 1.0以上のドライバを備えたDirectX対応グラフィックスとなっている。本体サイズは170×150×35mm(幅×奥行き×高さ、スタンド無し)、重量は約310g。
また、今後Android 4.0以降で視聴できるアプリも有償で提供予定で、Android 4.0での視聴を前提としたパッケージも発売する予定としている。
番組の詳細情報を参照可能 | Android向けの視聴アプリも開発中で、今後提供予定 |
●“TV離れ”層を取り込み
24日に都内で開かれた製品発表会の冒頭では、同社 執行役員 営業本部長の荻猛氏が開発の背景を説明。「ピクセラは193名の社員が在籍しているが、その大半がエンジニアであり、TV視聴や録画に関するハードウェア、ミドルウェア、デコーダ/エンコーダ、ソフトウェアまですべて自社で開発している。2001年にMPEG-1/2に対応したアナログTVチューナを発売してから、2005年に初のPC向けデジタル3波チューナ、2010年にAndroid向けワンセグなども手がけている。今回の製品も過去の技術の集大成であり、業界初を実現した」と語った。
荻猛氏 | ピクセラのマイルストーン的な製品群 |
同社 営業本部 第二営業部 製品広報・販促 担当部長の滝内誠氏は、「現代において従来型のPC、ガラパゴスと呼ばれる携帯電話、携帯ゲーム機などの利用頻度が減り、タブレット端末やスマートフォンの利用頻度が高まっている。特に若者は据え置き型の“TV離れ”も顕著。新製品は無線を利用することで、Windows 8タブレットやスマートフォンでのTV視聴を可能にした。これにより新規層の開拓を実現したい」と話した。
滝内誠氏 | デバイス利用形態の変化 | 無線による視聴で部屋を選ばず視聴できる |
キッチンやバルコニー、寝室などで視聴可能 | 機器の接続イメージ | 機器の接続方法 |
接続はステップバイステップで、Windows 8上のアプリからでも指示される |
(2012年 10月 24日)
[Reported by 劉 尭]