ソフトバンクモバイル株式会社は9日、Softbank 4Gに対応するAndroidスマートフォン2012~2013冬春モデルを発表した。
現在同社が提供している主な接続方式は、いわゆる3Gベースで下り最大42MbpsのULTRA SPEED、LTEベースで下り最大75MbpsのSoftBank 4G LTE、AXGPベースで下り最大110MbpsのSoftBank 4Gがある。今回発表のスマートフォン新製品は、Disneyモデルの1機種を除き、全てSoftBank 4Gに対応し、下り最大76Mbpsの転送速度を謳う。
SoftBank 4Gのカバー範囲はまだ狭いが、同方式対応製品はULTRA SPEEDにも対応するのでSoftBank 4G圏外では、自動的にULTRA SPEEDで接続する。
シャープ製「AQUOS Xx 203SH」(アクオス ダブルエックス)は、Qualcommの1.5GHz駆動クアッドコアCPUのSnapdragon S4 APQ8064を搭載するハイエンドモデル。主な仕様は、メモリ1GB、ストレージ32GB、720×1,280ドット表示対応4.9型NewモバイルASV液晶、Android 4.1を搭載。
インターフェイスは、1,630万画素背面カメラ、120万画素前面カメラ、microSDXCスロット、IEEE 802.11a/b/g/n無線LAN、Bluetooth 4.0、ワンセグ、赤外線通信、おサイフケータイ、GPS、NFCなどを搭載。IPX5/IPX7相当の防水と、IP5X相当の防塵に対応する。バッテリ容量は2,200mAh。
本体サイズ、重量は未定。本体色はアーバンブラック、ホワイト、ブルー、レッドの3色。発売は2013年3月上旬。
AQUOS Xx | レッド | ブルー |
富士通モバイルコミュニケーションズ製「ARROWS A 201F」(アロウズ エース)も、Snapdragon S4 APQ8064、メモリ2GB、ストレージ32GB、720×1,280ドット表示対応4.7型液晶、Android 4.1を搭載するハイエンド機。
インターフェイスは、1,310万画素背面カメラ、120万画素前面カメラ、microSDXCスロット、IEEE 802.11a/b/g/n無線LAN、Bluetooth 4.0、ワンセグ、赤外線通信、おサイフケータイ、GPS、NFC、指紋センサーなどを搭載。IPX5/IPX8相当の防水と、IP5X相当の防塵に対応する。バッテリ容量は2,420mAh。
本体サイズは約65×129×10.9mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約145g(いずれも暫定値)。本体色はオーシャンブルー、スパークリングピンク、ブラック、ホワイトの4色。発売は2013年2月上旬以降。
このほか、SoftBank 4G対応製品としては、Googleが買収後初の製品で、かつ国内独占となるMotorola製「RAZR M 201M」、Huawei製「STREAM 201HW」、京セラ製「HONEY BEE 201K」、シャープ製「PANTONE 6 200SH」、Disney Mobileブランドの「DM014SH」が用意される。
なお、これら新機種は12月15日からテザリングに対応する。
ARROWS Aは4色展開 | 4.3型有機EL搭載のRAZR M | |
STREAMは10月10日発売 | HONEY BEE。たくさんのアクセサリーをつけられるよう、右上に大きなリングを装備 | PANTONEはなんと25色展開 |
さらに7つの柄も選べる | ディズニーモデルのDM014SH | 全機種テザリング対応 |
●新エンターテイメントサービスも立ち上げ
今回の端末と同時に、新たなエンターテイメントサービスの立ち上げも発表された。
1つは、エイベックス・エンタテインメントとソフトバンクの合弁会社が運営する「UULA」(ウーラ)。月額490円で、5万の音楽、映画、ドラマ、アニメといったコンテンツが見放題となる。発表会にはエイベックス・グループ・ホールディングス株式会社代表取締役社長CEOの松浦勝人氏が招かれ、コンテンツ配信の転換期にある音楽業界において、安全かつ簡単にコンテンツを得られる新しい提供方法になることを期待していると、新サービスについて意気込みを語った。
ちなみに、UULAの語源は、名称企画会議でソフトバンクモバイルの孫正義氏が「松浦だからウーラで」という鶴の一声で決まったという。また、松浦氏は、先日、同社所属の浜崎あゆみさんが「白戸家のCMに出演したい」とツイートし、それが実現したことについて、「あれはプロダクションを差し置いて、本人が勝手にツイートしたことで、私もTwitter経由で知った(笑)」とのエピソードを明かした。
もう1つは、関連会社であるヤフーとの連携サービスで、ソフトバンクユーザーが自分の携帯電話番号をYahoo! Japan IDとして利用できるというもの。ログインだけでなく、プレミアム会員として、1,000以上のスマートフォンコンテンツが無料で利用できる。
もう1つは、スマートフォン向けのサービスではないが、TSUTAYAとの提携によるオンデマンドのデジタルビデオレンタルサービス「Smart TV(略称スマテレ)」。端末が特徴的で、USBメモリのような本体を一般のTVのHDMIに挿入して利用する。電源はUSBから取り、回線は自宅のWi-Fiを、操作にはスマートフォンを利用する。
月額490円で、コンテンツ数は4万本、レンタル料は1本100円~400円。加入後1年間は毎月1本新作ビデオが無料で視聴できる。また、映画以外にも、50chのテレビサービス「BBTV NEXT」(月額2,625円)や、GyaO!(無料)の視聴もできる。
エイベックス松浦勝人氏 | 新サービスUULAを立ち上げる | UULAの概要 |
Yahoo! JapanとのID連携 | プレミアムコンテンツを無償で利用できる | スマテレも開始 |
本体はこのようなUSBメモリのようなもの | TVのHDMIとUSB端子に接続 | 回線は自宅のWi-Fi、操作はスマートフォンを使う |
TSUTAYA提供の4万コンテンツを利用可能 | 50chのBBTV NEXTにも対応 | GyaO!は無料で視聴可能 |
●他社をしのぐつながりやすさと高速さをアピール
9日に行なわれた発表会で、孫正義氏はつながりやすさと、高速さが一気呵成に向上していることをアピールした。
まずULTRA SPEEDのプラチナバンドについては、9月時点の首都圏で2.1GHzの6~7割程度のカバー範囲が12月までにはほぼ100%になるとの見通しを示した。これにより、山間部やビルの影になる地域でもつながりやすさがが向上する。後者については、六本木近辺で多数存在した電弱スポットが、10月8日までにほぼすべて改善されたとの実例を報告した。
速さについては、Wi-Fiスポットが5GHz対応、スループット高速化、バックボーン高速化、ログイン時間の短縮などで品質を改善させたことを紹介した。
今回の新製品については直接関係しないが、LTEについては、9月末時点で競合のKDDIの対応市区町村数が541であるのに対し、ソフトバンクモバイルは1,090に達する点、そして、東京から新大阪までの新幹線各駅において、KDDIでは6カ所でつながらなかったものが、ソフトバンクモバイルでは品川を除く全駅でつながったとの実地調査結果を紹介した。
また、イー・アクセスを買収したことで、自社の2.1GHzに加え、1.7GHz帯が利用可能になることと、2013年3月までには、自社の2万局に、イー・アクセスの1万局を加え、計3万局のLTE基地局が利用可能になる見込みで、これは世界でも屈指のエリア展開だとした。
SoftBank 4Gについては、首都圏18地点での実測平均値が18.2Mbpsといい、イー・モバイルLTE(10.7Mbps)、Xi(5.5Mbps)、WiMAX(4.5Mbps)のいずれよりも高速だとした。
●発表会には「ELT改めLTE」の2人も登場
発表会にはゲストとして、ELT(Every Little Thing)の持田香織さんと伊藤一朗さんが登場。2人も、新しいCMに登場するのだが、その理由は、ただ「LTE」にもじっただけ。LTEというものに、いまいちぴんとこない一般消費者に、ELTを使って、認知度を向上させようという狙いのようだ。
また、白戸家を代表して、娘役の上戸彩さん、母役の樋口可南子さん、兄役のダンテ・カーヴァーさん、そしてお父さん犬が登場した。ちなみに、上戸さんは現在iPhone 5を使っているという。
ELTの2人 | 上戸彩さんとのスリーショット | 後半は白戸家の家族が登場 |
上戸さんは衣装を替えての再登場 | 白戸家でスマテレを体験 | ゲスト全員で記念撮影 |
(2012年 10月 9日)
[Reported by 若杉 紀彦]