ソフトバンク、下り最大110Mbpsのモバイルネットワークを発表
〜下り21Mbps対応の「ULTRA PHONE」4機種も

孫正義氏

9月29日 発表



 ソフトバンクモバイル株式会社は29日、業界最速となる下り最大110Mbpsの移動体通信網サービス「Softbank 4G」を11月1日より開始すると発表した。

●下り最大110MbpsのSoftbank 4G
Softbank 4G

 Softbank 4Gは、ウィルコムから承継した2.5GHz帯の「XGP」を高度化させた「AXGP」を利用した移動体通信で、発表会で説明を行なった同社代表取締役社長兼最高経営責任者の孫正義氏によると、4G規格として普及が進む「TD-LTE」と100%の互換性があるという。

 理論通信速度は上りが最大15Mbps、下りが最大110Mbpsと、下りは現在国内で利用されている他社の高速通信サービスよりかなり速い。11月1日より東京・大阪・福岡の一部地域でサービスが開始となるが、これはテストサービスで、実際にユーザーが利用可能になるのは2012年2月にSoftbank 4G対応Wi-Fiルーターの「ULTRA WiFi 4G Softbank 101ST」が発売されてからになる。

 101STは、Softbank 4G回線を使って下り最大76Mbpsの通信が可能だが、下り最大42Mbpsの「ULTRA SPEED」にも対応し、Softbank 4Gの利用できない地域でも使うことができる。接続機器数は最大10台で、マルチSSIDにも対応。

 本体サイズは64×100×16.1mm(幅×奥行き×高さ、予定)、重量は約105g(予定)。バッテリは2個同梱され、1つで約5時間駆動する。

 同社では2012年度末までに、Softbank 4Gの人口カバー率を全国政令指定都市の99%以上に広げることを目指す。

 料金体系は定額制となるのか従量制となるのかといったことも未定だが、競合他社と競争できるレベルを目指すという。

Softbank 4Gに対応するモバイルルーターULTRA WiFi 4G 101STを紹介する孫氏 101STの概要

●次期Android OS搭載機を含むスマートフォン

 また同日、携帯電話および関連製品の14製品発表も行なった。この内、携帯電話は12製品で、そのうちAndroidスマートフォンが11製品を占める。

 本稿では下り21MbpsのULTRA SPEEDに対応する主力4製品を紹介する。これ以外の製品については僚誌ケータイWatchを参照されたい。

 「AQUOS PHONE 104SH」は、次期Androidプラットフォームを搭載する製品。発売は2012年春頃。発表会で孫氏は、Google自身が発表していないためその詳細の説明は控えたが、「Ice Cream Sandwich」のコードネームで呼ばれる、スマートフォン用とタブレット用を統合する次期メジャーバージョンとなることは確実。

 デュアルコア1.5GHz駆動のOMAP4460、720×1,280ドット表示対応4.5型液晶、1,920×1,080ドット(フルHD)での動画撮影が可能な1,210万画素背面カメラを搭載するなど、ハイエンドな仕様となっている。

 このほか、おサイフケータイ、赤外線通信に対応し、IPX5/IPX7相当の防水性能とIP5X相当の防塵性能、バックライトの消費電力を最大約25%、待ち受け時の消費電力を約40%低減する省電力機能「エコ技」を搭載する。

 本体サイズは約65×129×8.7mm(同)。本体色は、オレンジ×ブルーとブルー×ブラックの2通り。

21Mbps ULTRA SPEED対応機はULTRA PHONEの呼び名がつけられた AQUOS PHONE 104SH

 「LUMIX Phone 101P」は、デジタルカメラ然とした外観を前面に打ち出した製品。撮影した写真のアルバムから、任意の写真を上にフリックするとFacebook、右にフリックするとTwitterに投稿し、左にフリックするとメールに添付と言った独自機能「ピクチャセレクタ」を搭載する。発売は11月。

 CPUはデュアルコア1GHz駆動のOMAP4430、液晶は540×960ドット表示対応4型、カメラは1,320万画素、OSはAndroid 2.3。ワンセグ、おサイフケータイ、赤外線通信、IPX5/IPX7相当の防水性能を搭載。

 本体サイズは約64×123×9.8mm(同)、重量は約128g。本体色はメロウゴールド、ブラック、マゼンタの3色。

LUMIX Phone 101P 背面はデジカメそのもの

 「AQUOS PHONE 102SH」は、裸眼立体視に対応する製品。発売は12月上旬。

 CPUはデュアルコア1GHz駆動のOMAP4430、液晶は720×1,280ドット表示対応4.5型、背面カメラはフルHD動画撮影対応1,210万画素、OSはAndroid 2.3。ワンセグ、おサイフケータイ、赤外線通信、IPX5/IPX7相当の防水性能、IP5X相当の防塵性能、「エコ技」(バックライト消費電力は最大約50%削減)を搭載する。

 本体サイズは約65×128×9.7mm(同)、重量は約135g(暫定値)。本体色は、イノセントパープル、ブラック、ホワイトの3色。

AQUOS PHONE 102SH

 「HONEY BEE 101K」は、若い女性をターゲットにしたポップなデザインが特徴。今回同社は「for Girls」と銘打って、本体色、デザイン、カメラ機能、文字入力のしやすさなどにこだわった製品を複数発表している。101Kは、ラメの入ったデザインで、前面のインカメラを200万画素と高画素化し、5つのハードキーは長い爪でも押しやすいよう膨らみを持たせた。発売は12月以降。

 CPUはデュアルコア1.2GHz駆動のMP5225、液晶は480×800ドット表示対応3.5型、背面カメラは500万画素、OSはAndroid 2.3。赤外線通信、IPX5/IPX7相当の防水性能を搭載。

 本体サイズは、約56×117×13.4mm(同)、重量は約135g(暫定値)。本体色は、ホワイトピンク、ピンク、グリーンイエロー、ブルー、ブラックの5色。

HONEY BEE 101K ポップなデザインとカラーバリエーションの豊富さが特徴

●Wi-Fi、基地局、フェムトセルで電波改善

 発表会で孫氏は、他社に比べ繋がりにくいと言われる電波状況の改善の取り組みについて時間を割いて報告した。

 同社は電波改善のため、Wi-Fiスポットの拡充、基地局の増強、フェムトセルの配布という3つの施策を打ってきた。

 Wi-Fiスポットは他社が1万スポット前後であるところ、10万スポットにまで拡大しており、他社の将来的な目標値をすでに達成している。また、すでに都営地下鉄全駅構内にもアクセスポイントを配備し、東京メトロの駅構内でも近く利用可能となる。孫氏は、「接続は無償でかつ、認証も不要な全自動となっている。全自動でWi-Fiが繋がるのは当社だけ」と、その優位性をアピールした。

 基地局については、ボーダフォンジャパン買収当時は1万8千局だったものを、その後5年をかけて6万まで増やした。そして2010年3月から1年間で基地局倍増を打ち出し、2011年3月に12万2千局へ倍増を実現。2011年9月現在では16万局を達成した。これにより、2010年3月時点では、自宅圏外率が2%とKDDI・NTTドコモの2倍ほどだったものが、2011年7月時点で1%と同等に改善。孫氏は、やっただけの改善が見られたとの手応えを示したが、さらに向こう2年で設備投資に1兆円を投じる予定という。

 フェムトセルもユーザーの要求に応じて6万カ所に設置完了したことを報告した。

電波改善に向けた3つの取り組み Wi-Fiスポットは10万を達成 他社と比較するとカメラの画角に収まらないほどの差
基地局はこの1年で倍増 自宅圏外率も他社同等に改善した フェムトセルも6万カ所に設置済み

 また、発表会にはCMキャラを務める女優の上戸彩さんと、今回のULTRA PHONEにかけたウルトラマンがゲストとして登場。3Gと4Gの比較デモなどを体験し、上戸さんはその速さに感動するとともに、検索などがより快適になると、感想を語った。

 質疑応答では、KDDIによるiPhone発売の噂について質問が及んだが、孫氏は全てノーコメントを通した。

 同社でのiPhoneとAndroidの棲み分けについては、今後もiPhoneは同社の最重要機種の1つであり続けるが、Androidもようやくこなれてきたことで、若い女性向けやおサイフケータイなどの国内向け仕様など、多様化したニーズを満たせるようになってきており、両方を幅広くやっていきたいとの見解を示した。

ゲストとしてCMキャラの上戸彩さんと、ULTRAにあやかってウルトラマンが登場した

(2011年 9月 29日)

[Reported by 若杉 紀彦]