日本AMD株式会社は3月5日、ハイミドルレンジ向けのGPU「Radeon HD 7800」シリーズを発表した。
Radeon HD 7800シリーズの開発コードネームは“Pitcairn”。新アーキテクチャ「Graphics Core Next」に基づくRadeon HD 7000ファミリの中上位モデルで、ターゲットの価格レンジは200ドル~399ドル台となっている。リファレンスのディスプレイ出力はDVI、HDMI、Mini DisplayPort×2で、最大6台のディスプレイに出力できる。
Radeon HD 7000シリーズのダイ比較 | Radeon HD 7000シリーズの価格位置づけ |
新製品の特徴 | Radeon HD 7870のブロックダイアグラム |
また、ほかのRadeon HD 7000シリーズと同様、28nmプロセスで製造され、トランジスタ数は28億。PCI Express Gen3をサポートする。ディスプレイOFF時のアイドル消費電力は3W以下に抑えたという。仕様の違いで2モデルを用意する。
アイドル時の消費電力は3W以下 | 2製品の仕様の違い |
Radeon HD 7970 GHz Edition |
上位の「Radeon HD 7870 GHz Edition」は、コアクロックが1GHzと、Radeon HD 7770に続いて1GHzに達成したモデル。SP数は1,280基、テキスチャユニットは80基。メモリはGDDR5で、バス幅は256bit、クロックは4.8GHz、容量は2GB。コンピューティング性能は2.56TFLOPSに達する。消費電力は175W。
同社が示したベンチマークによると、2,560×1,600ドット(WQXGA)の解像度時で、NVIDIAのGeForce GTX 570と比較して平均で1.41倍の性能を発揮している。また、CrossFireXをサポートし、2 GPU時で1.8~2倍前後のパフォーマンス向上が図れる。
さらに、1,920×1,080ドット(フルHD)のディスプレイ3台によるゲームプレイにおいても、30fps以上を維持。オーバークロックのヘッドルームも持たせており、1.2GHzオーバークロック時ではGeForce GTX 580を超える性能を発揮するとしている。
GeForce GTX 570との性能比較 | CrossFireXのパフォーマンススケール |
マルチディスプレイ時もプレイ可能なフレームレートを維持 | オーバークロックのヘッドルーム |
Radeon HD 7850 |
下位の「Radeon HD 7850」は、コアクロックを860MHzに抑えたモデル。SP数は1,024基、テクスチャユニットは64基に減らされている。メモリは7870と共通でGDDR5を採用し、バス幅は256bit、クロックは4.8GHz、容量は2GB。消費電力は130W。
こちらも同社が示したベンチマークによると、WQXGA解像度時で、NVIDIAのGeForce GTX 560 Tiと比較して平均で1.25倍の性能を発揮。また、コアクロックを975MHzにオーバークロックした時はGeForce GTX 570以上の性能を発揮するとしている。
GeForce GTX 560 Tiとの性能比較 | オーバークロック時の性能はGeForce GTX 570を超えるという |
(2012年 3月 5日)
[Reported by 劉 尭]