インテル吉田社長、震災から多くの教訓を得た2011年を総括

吉田和正氏

12月20日 開催



 インテル株式会社代表取締役社長の吉田和正氏は20日、都内で会見を行ない、この1年間の総括を述べた。

 例年この会見で吉田社長は、同社の10大ニュースと言う形で1年間を振り返るが、今回はまず、東日本大震災およびそれを発端とする電力不足など国内全体の10大ニュースを取り上げた。

 インテルはつくば市にも本社を構えており、震災で社屋に大きな損害を受け、11月に新オフィスへと復旧が終わるまで、7カ月もの間社屋が使えない事態に陥った。しかし、同社ではノートPCとネットワークインフラの活用により、社員が自宅でも作業できる環境を早急に整え、事業の継続を維持した。

 また同社は、経団連やJEITAが設立した「ICT支援応援隊」に協賛し、機材だけでなく、社員自らが被災地に赴きICTを使った復興支援するといった活動も行なった。

 こういった体験により吉田氏は、ICTが単に生産効率を上げるだけじゃなく、被災からの復旧や、一般市民の健康管理、コミュニケーションなどの面でも大きな重要性を帯びていることを一層痛感したと語った。なお、同社つくばオフィスの事例については、その成果を他にも広く活用してもらうため、レポートをとりまとめて公開予定という。

日本国内の10大ニュース震災によりICTの重要性を再認識

 インテル10大ニュースとしては、第2世代Coreプロセッサ、Ultrabook、3次元構造22nmトランジスタ、新Xeonの発表などを挙げた。

 中でもUltrabookについては、今回の提唱は今後のパーソナルコンピューティングの発展における通過点に過ぎず、2012年には「Ivy Bridge」こと第3世代Coreプロセッサ、さらには2013年の「Haswell」といった新CPUで新たな次元へ引き上げたいとの意気込みを語った。

 また吉田氏は、今後に向けて、インテルとして単にできあいの製品を提供するだけでなく、官・学とも連携し、国際標準に則った上で、日本ならではの作り込みを交えた製品/サービス作りや、そういったことを行なう21世紀型人材開発にも取り組み、日本の持つ強みを世界に積極的に発信していきたいとの抱負を述べた。

2011年インテルの10大ニュースUltrabookは2012年以降さらに飛躍人と技術の共存へ向け、日本独自の製品/人材の開発に取り組む

(2011年 12月 21日)

[Reported by 若杉 紀彦]