マウスコンピューターは7月30日、長野県飯山市の同社飯山工場において、親子PC組み立て教室を開催した。
今年で2回目となる同組立教室は、小学校6年生を対象に募集を行ない、抽選で選ばれた20組の親子が参加。申し込みでは北海道や沖縄からの応募もあったというが、当選した参加者は、地元の飯山市の小学生を対象にした招待枠で約3分の1。そのほか、東京都、徳島県、岐阜県、三重県、愛知県、新潟県、富山県などの幅広い地域から参加した。
長野県飯山市のマウスコンピューターの飯山工場 |
すでに夏休みに入っていることもあり、県外からの参加者は、午前10時からの開会にあわせて前日から飯山市入りする例も目立っていた。
参加費は3万円。組み立てたのは、15.6型液晶ディスプレイ搭載ノートPCの「LuvBook Tシリーズ」。CPUには、Intel Core i3-2310Mを搭載。4GBメモリ、500GB HDD、NVIDIA GeForce GT 540M(1GB、Optimous対応)、DVDスーパーマルチドライブ、Windows 7 Home Premium (SP1 64bit)を搭載している。約5万円相当の製品だという。
マウスコンピューターの小松永門社長は、「昨年(2010年)は第1回目ということもあり、飯山市内の小学校に限定して開催したが、開催後に全国の方々から参加したいという問い合わせをいただいた。そこで今年は飯山市の招待枠のほかに、全国からの公募枠を用意した」と語り、開会の挨拶では「今日はぜひPCを好きになって帰ってほしい。また、PCの組立を通じて中身を知り、PC博士になってほしい。そして、PCの工場ではどんなものを作り、部品が1個足りなくても完成しないということを知ってもらうなど、さまざまな体験を通じて、夏休みのいい思い出にしてほしい」と参加者に呼びかけた。
また、組立教室に来賓として駆けつけた飯山市の足立正則市長は、「飯山市は年間100万人の観光客が訪れている自然が多い場所。そこに最先端PCの生産工場が本当にあるのかと思った人もいるだろう。私はノートPCを5台所有していて、最上位のPCがマウスコンピューター製のもの。飯山市では、新幹線の駅を建設中であり、新たな街づくりのために3Dグラフィックスを利用している。マウスコンピューターのPCによって高度なグラフィックを表示している。ぜひ今日の組立教室を楽しんでほしい」などとした。
挨拶するマウスコンピューターの小松永門社長 | 来賓として駆けつけた飯山市の足立正則市長 | この日の1日校長として、飯山工場の橋立峰彦氏が組立のお手本をみせた |
組立をサポートした飯山工場の社員たち。社員が抽選して選んだ参加者を直接サポートした | 参加した20組の親子に送られた当選カード | 組立教室で使われたマニュアル。参加者にもわかりやすいように構成している |
その後、小松社長はマウスコンピューターの紹介を行なったが、「今日参加するまでにマウスコンピューターを知っていた人」と挙手を求めたところ、手が挙がった子供は約3割ほど。その後の小松社長の会社説明には力が入っていた。
まずは組立前の準備として、作業用手袋と帯電防止リストバンドを装着したあと、ネジ締めとグリスを塗る練習を行ない、さらに使用する部品の機能などの説明を受けて、いよいよ午前10時50分から組立が開始された。
ベアボーンに、CPUやHDD、光学ドライブ、ファンなどを装着。4種類14本のネジを使って組み立てた。作業は約50分に渡り行なわれ、午前11時40分には組立が完了した。
それでは組立の様子を写真で追ってみよう。
●組立教室の様子組み立てが終わったあとには、参加者は工場見学を行なった。
土曜日であったため、生産ラインは停止していたが、飯山工場の松本一成工場長自らが、部品の入庫から、組立、検査、梱包、出荷までの工程を説明。組立工程に投入する部品を仕様にあわせて個別に準備するピッキングルームは、報道関係者をシャットアウトして、組立教室参加者にだけ公開するという特別の措置も取られた。
参加者による工場訪問は松本工場長が直接引率した | 報道関係者はシャットアウトして組立教室参加者だけが見学したピッキングルーム |
昼食を挟んで午後1時30分からは、組み立てたPCを全員でスイッチオン。すべてのPCが無事に起動。参加者一同が大きな拍手で、ともに完成を讃え合った。
その後、世界に1台しかない自分のPCを利用して、PC体験講座を実施。日本マイクロソフトの池田憲一氏が講師となり、Windows 7の初期設定を全員で行ない、参加者が事前に用意した写真データと、ワコムのタブレットを使った写真の加工、Movie Makerを利用した写真ムービーの制作を体験した。
全員で昼食。お弁当のなかみは飯山の郷土料理である「笹ずし」 | 地元で作られた「かりんとう」もおみやげとして配られた |
日本マイクロソフトの池田憲一氏によるPC講座の様子 | ワコムのタブレットを使用して持参した写真を加工 |
小松社長は、「PC体験講座は日本マイクロソフトの協力を得て、今年初めて開催したもの。自分で作ったPCを使って、なにか覚えていってもらいたいという思いから新たに企画した。一方で、昨年以上に飯山市の協力を得ており、市内の小学生を対象とした募集活動のほか、テントやテーブルなども貸与していただいた。企業としての地域貢献、あるいはPCメーカーとしてPCを広く使っていただくための活動の1つとしても意味があるものと考えている。自分で完成させたPCを持って、うれしそうな顔をしている子供たちの顔を見ることが私自身も大変うれしい」と語っていた。
「第3回訳ありセール!」には午前7時30分から列ができていた |
一方、PC組立教室の開催にあわせて、7月30日、31日の2日間、同工場において、「第3回訳ありセール!」を開催。PC、ディスプレイ、デジタルオーディオなどを最大80% OFFで販売。7月30日のオープン前には、長野市内から駆けつけ、午前7時30分から並んだ男性を先頭に長蛇の列ができていた。
(2011年 8月 1日)
[Reported by 大河原 克行]