PCは停滞も、スレート/スマートフォンの動き活発
~ドコモ/Android陣営が急迫。BCN調査

1月13日 発表



 株式会社BCNは、2010年のコンシューマエレクトロニクス市場を振り返る発表会を開催した。BCNは、全国23社のPOSデータを基に、販売動向を調査している。ここでは、PCとスマートフォンを中心に紹介する。

●PC市場では64bit OSが中心に

 2010年のPCの販売台数は、対前年比で102.6%とわずかな伸びに留まった。金額ベースでは105.3%で、製品単価の低下は止まっている。

 安定しているPC市場の中で、デスクトップPC市場では、東芝のシェアが急伸しており、やや動きが出ている。機種数は少ないもののオールインワン型PC「dynabook Qosmio D」シリーズが好調だ。

 また、インストールされているOSでは、32bitから64bitへの移行が進んだ。12月の時点では64bitのみでも半数を超えており、64/32bit選択式を加えると75%を超えた。

 スレート型の市場では、PC市場の約1%を占めるようになってきた。これまでiPadがほとんどだった市場に、オンキヨーとクリエイティブメディアが参入して動きが出てきている。ただし、依然としてiPadのシェアは9割を超えており、iPadの一人勝ち状態は続いている。

Windows 7登場の2009年10月を1としたPC市場の推移。伸びてはいるのだが、伸び幅は少ないスレート型はアップルの一人勝ち。OSは64bitに移行しつつあるメーカー別シェア。デスクトップPC市場での東芝の伸びが著しい

 なお、PCの周辺機器として販売されてきた、外付けHDDについては、薄型TVの周辺機器として新たな市場が開けたことで販売数が増加している。シェアでは、アイ・オー・データ機器とバッファローが2強となっている。

外付けHDDの市場は対前年を上回り続けているインターフェイスはUSB中心。シェアは2強で9割近い
●スマートフォンが絶好調

 スマートフォンは12月になって大きく売上を伸ばしている。キャリア別では、従来から強かったソフトバンクを、NTTドコモが急迫している。

 端末販売台数の7割をスマートフォンが占めるソフトバンクに対し、NTTドコモも5割弱がスマートフォンになっている。

 同様に、スマートフォンのOS別では、iPhoneのiOSに対して、Androidが急迫している。12月単月で見ると、Androidが78.2%、iOSが21.1%で、BlackBerry/Windows Mobile/Symbianなどは1%以下に留まった。

 同じく12月単月のスマートフォンを機種別でみると、ソフトバンクはiPhoneが82.2%、GALAPAGOS 003SHが15.3%で、iPhone中心。同じくKDDIはIS03が94%と集中している。それに対しNTTドコモは、Galaxy Sが35.8%、LYNX 3Dが30.7%、REGZA Phoneが20.5%、GALAXY Tabが7.3%、Xperiaが4.5%と、複数の機種に分散しているのが特徴となっている。

スマートフォン市場は年末に急拡大したキャリア別シェア。ドコモが急迫しているOS別シェア。Androidが年末に逆転した
●BCNアワード発表

 また、同日、BCNの調査データを基にした「BCN AWARD 2011」が発表された。

 PC市場の固定化が進んでいることで、PC関連部門ではデスクトップPCのNEC、ノートPCの東芝、液晶ディスプレイの三菱電機など、連続受賞の部門が多くなっている。

 一方で、SSD部門でインテルが、スキャナ部門でPFU、ユーティリティソフト部門でジャストシステム、携帯電話ソフト部門でジャングルが初受賞している。スキャナ部門は、これまでフラットベッドスキャナのメーカーが受賞してきたが、自炊ブームもあってドキュメントスキャナの販売が伸びていることの現われだろう。

(2011年 1月 13日)

[Reported by 伊達 浩二]