ソニー、Cell製造設備を東芝から買い戻し

12月24日 発表



 東芝とソニーは24日、両社とソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEI)の3社合弁会社である長崎セミコンダクターマニュファクチャリング(NSM)が操業する、東芝所有の半導体設備を東芝からソニーに譲渡する基本合意書を締結したと発表した。2011年度初頭の譲渡実施を目指す。

 今回東芝からソニーに譲渡される設備は、元々ソニーセミコンダクタ九州(SCK)の長崎テクノロジセンター内にあり、PlayStation 3(PS3)のCPUなどで使われている「Cell Broadband Engine」(Cell/B.E.)、PS3用GPU「RSX」などを製造していた。

 2008年3月付けでこの設備は、ソニーおよびSCKから東芝に譲渡され、東芝からNSMに貸与されていた。これが今回、ソニーによって買い戻される形となる。

 ソニー、東芝の両社から出されたリリースでは、ソニーが買い戻すことになった理由について明らかにされていないが、東芝は同日付けで、カスタム性の強い製品の需要の変動に対して自社の製造ラインとアウトソーシングを組み合わせ、柔軟な製造体制を構築するため、システムLSI事業を再編し、2011年度から40nm製品を含む最先端製品は、外部ファウンダリへの生産委託を拡大することを発表している。

 東芝では、Cellを内蔵する3D TV「CELL REGZA 2」を10月から発売している。

 なお、今回の合意に基づき、NSMに関する3社の合弁関係は解消される。

(2010年 12月 24日)

[Reported by 若杉 紀彦]