東芝、ノートPC発売25周年記念展示を東芝科学館で開催
~T1100以来、25年の名機を網羅

ノートPC発売25周年記念展示が開催されている東芝科学館

12月18日 開始



 東芝は、神奈川県川崎市の東芝科学館において、ノートPCの発売25周年を記念した企画展「-東芝ノートPC25周年-“できない”から“できる”へ変わった ~未来へ進化し続ける東芝ノートPC~」を開催している。

東芝の西田厚聰取締役会長

 初日となる18日には、関係者による企画展開催記念式典のほか、PC事業に長年携わってきた東芝の西田厚聰取締役会長による「東芝PC事業の創造~新事業の創業・育成~」と題した特別講演会が行なわれた。

 講演の中で西田会長は、現在、レノボに買収されたIBMのPC事業に関して、東芝に買収の打診があったことを公式に認め、「さまざまな理由があって買収は断念したが、現在、IBMのグローバルセールスでは、東芝のノートPCを積極的に販売してくれている」などと語った。

 東芝は、1985年に世界初のラップトップPC「T1100」を発売。2010年に25年目を迎えていた。

 東芝のノートPC発売25周年を記念した企画展では、特別展示コーナーが設置され、T1100のほか、歴代の同社ノートPC製品を展示。アラン・ケイ氏のサイン入り「J-3100」なども展示された。

 また、1954年に開発された日本初の計数型電子計算機「TAC」、1961年に開発された日本初のマイクロプログラム方式コンピュータ「KT-パイロット計算機」、1981年に第1号機が発売されたパソコン「PASOPIA(パソピア)」なども展示。また、12月28日の期間限定で、今後製品化が予定されるグラスレス3Dパソコンも参考展示されている。

 同企画展は2011年1月29日まで行なわれる。東芝科学館の開館時間は9:00~16:45。休館日は日曜、祝日、特定休日となっている。会場に展示された製品を写真で追ってみよう。

東芝科学館2階に設置された特設展示コーナー展示コーナーに展示された歴代のポータブルPC1985年に発売された世界初のラップトップPCであるT1100アラン・ケイ氏のサインが入ったDynaBook J-3100SS 001。1989年の製品であるマービン・ミンスキー氏のサイン入りのT1000SE。J-3100SS 001の米国向けモデルである
1986年に発売されたJ-3100。国内初の16bitラップトップPCJ-3100GT。1987年に発売されたJ-3100の後継機J-3100GTの基板も公開されていた1989年に発売されたDynaBook J-3100 SS001DynaBook J-3100SS001の基板
1990年発売のT1000LE。海外向けの製品1992年に発売されたJ-3100GT-XS。CPUには、i486SXを搭載していたというTFTカラー液晶搭載のT4400SXC。コンパックから世界首位を取り戻す原動力となった。1992年の発売1993年に発売のDynaBook EZ486。ワープロソフトと表計算ソフトを最初からインストールしていた1993年に発売したT4600。トラックボールを搭載していたユニークなモデル
T4600の基板。i486SX 20MHzを搭載し、メモリーは4MBこちらは同年に発売されたT4500の基板1995年に発売したSatellite Pro 410CDT。Pentium 90MHzを搭載1996年に発売された世界最小、最軽量(840g)を実現したミニノートPCのLibretto 201997年発売のミニノートPCであるLibretto 50
Libretto 50の基板。Pentium 75MHzを搭載していた1997年に発売となったDynaBook Satellite 220DynaBook Satellite 220の基板1998年発売のB5サイズスリムノー「Dynabook SS12GBのハードディスクを搭載したPORTEGE 7200。1998年に発売された
1999年に発売されたDynabook SS 3330Dynabook SS 3330の基板。モバイルCeleron 333MHzを搭載世界初のマルチドライブ搭載ノートPCのDynaBook DB70P/5MC。2000年に発売した2000年に発売されたDynaBook SS DS60P/1N8M。耐久性に優れた点が評価された2001年に発売されたTECRA 9000。CPUにPentium III-Mを搭載
2001年のSatellite 5100。海外向けモデルであるタブレットPCであるPORTEGE 3500。2002年に発売された海外向けの製品2004年に発売されたQosmio E10。AVノートという新たなカテゴリーを創出したPC2005年に発売したlibretto U100。ミニノートPCだけでなくDVDプレーヤーとしての訴求も行った最薄部約9.9mmを実現したdynabook SS S21
2006 FIFA WORLD CUP EDITION。ドイツ大会記念モデルとなっている2007年に発売したdynabook SS RX1/T7Adynabook SS RX1/T7Aの基板。Core 2 Duo 1.06GHzを搭載しているアクティブシャッター方式の3Dパソコンであるdynabook T5502011年にも製品化が期待されるグラスレス3DノートPC
Android搭載のスレート型タブレットPCのFOLIO 1001954年に開発された日本初の計数型電子計算機「TAC」1961年に開発された日本初のマイクロプログラム方式コンピュータ「KT-パイロット計算機」EX-80。1978年に発売されたワンボードマイコン。当時の価格は8万5000円
SDメモリーカードやハードディスクドライブ、SSDなども展示された
1981年に第1号機が発売されたパソコン「PASOPIA(パソピア)」。パソコンとユートピアを組み合わせた造語がブランド名に掲示された東芝のPC事業の歴史1977年に開発された14インチHDD「MK-300F」。記憶容量は36MBだった

(2010年 12月 20日)

[Reported by 大河原 克行]