ソニー、世界初のTransferJet小型LSI

11月30日 発表

サンプル価格:各1,500円



 ソニーは、近距離無線伝送技術「TransferJet」(トランスファージェット)規格に対応したLSI「CXD3267AGG」、「CXD3268AGW」を商品し、11月より出荷する。サンプル価格は各1,500円。

  TransferJetは、従来の無線転送の課題であった複雑な接続設定や、不安定なデータ転送状態などを解決し、最大560Mbpsのデータ転送速度を実現した無線技術。通信する機器同士をかざすと通信が行なえる。TransferJetの仕様策定や製品開発、普及促進などを目的としたTransferJet Consortiumには、国内の大手家電メーカー、携帯電話キャリア、プリンタ、デジタルカメラのメーカーなど19社がPromoterとして参加している(11月30日現在)。

 今回のLSIは、ソニーの高速伝送技術をベースに、広帯域無線技術を近距離無線技術として応用、開発された。CMOSプロセスを用いることで、無線、信号処理、ホストインターフェイスなどを小さな単一パッケージに収めた。これにより、小型機器への搭載も可能になっている。

 主な仕様は、送信周波数が4.48GHz、チップレートが560Mcps。変調方式が直接スペクトラム拡散方式。接続方式は1対1。転送レートの選択機能、誤り訂正符号化器/復号器、LNA、VCO/PLL、LED制御などに使う汎用ポート出力、パワーマネージメント機能などを備える。

 2つのLSIは、ホストインターフェイスと大きさが異なり、CXD3267AGGがPCIおよびMini PCI Rev2.3、サイズは11×11×1mm(幅×奥行き×高さ)の153ピンVFBGA、CXD3268AGWがSDIO Ver2.0、サイズは8×5.5×0.78mm(同)の99ピンWFLGA。

 開発者向けに、リファレンスキットとソフトウェア開発キットを用意。このLSIを搭載したモバイル機器向け小型モジュール、ノートPC向けPCI Express Mini Cardモジュール、USB接続用モジュールもラインナップに加えていく予定。

(2009年 11月 30日)

[Reported by 山田 幸治]