エレコム、仏LaCie製ストレージを国内で独占販売
~ロジテックはNASに特化

エレコム 葉田順治氏(左)とLaCieのPierre van der Elst氏(右)

10月7日 発表



 エレコム株式会社と仏LaCieは、HDDなどストレージの国内販売について協業することで10月1日付けで合意した。エレコムは2010年1月より、その国内販路を用いてLaCie製外付けHDDを独占販売する。

 協業の経緯は、LaCieは2001年より日本法人を設立してストレージを販売してきたが、欧州でナンバー1、ワールドワイドでトップ3の実績と比較して、日本では微々たるシェアしか獲得できず課題になっていた。一方エレコムは、2004年に丸紅からロジテックを買収し黒字化したものの、ストレージ事業においてバッファローやアイ・オー・データ機器に対して苦戦してきたという。

 そこで今回、互いの強みを生かすことで、効率の向上とコストの低減を図る協業を行なう。LaCieの製品開発力により生産された製品を、エレコムが国内物流網やマーケティング力、サービス/サポート力を生かして販売する。

 今後、エレコムのHDD事業はLaCieブランドが主力となり、同ブランドがカバーできない企業向けNASなど一部の製品をロジテックが受け持つ。それ以外のロジテックのストレージ製品は終了となる。より具体的には、ロジテックがLaCie製品のローカライズを担当し、パッケージなども国内向けに変更し、エレコムがサポートを担当する。なお、HDD/NAS以外のLaCie製品は取り扱わない。

2社の役割分担店舗展開のイメージ

●苦戦していたストレージにLaCieからの打診

 7日に開催された発表会で、エレコム 取締役社長 葉田順治氏は、「ロジテックはクソ真面目に、丁寧にサポートやメンテを行ない、価格にとらわれないような経営をしてきた。買収後は苦労して、黒字化を果たしたが、AV系やネットワーク系はともかく、ストレージはずっと苦戦してきた」と語る。

 続けて、「ドイツのednetを買収してはっきり分かったのは、PCアクセサリについてはヨーロッパや世界市場で、苦戦しているものの自信をもって展開できているが、ストレージには調達価格やさまざまな問題で立ち上がりにくい状態。その折りに、昨年LaCieからの打診があり、協業が始まった」と経緯を説明した。

 LaCieのDeputy General ManagerであるPierre van der Elst氏は、「弊社とエレコムは、地理的には遠いが、価値観には共通点がある」とし、創業者が社長でありその精神が根付いていること、デザイン性を重視していること、顧客満足、実行スピードなど点を挙げた。

 また、LaCieのラインナップを示した上で、デザイナーのフィリップ・スタルク氏やポルシェデザインとのコラボ、無印良品などを手がけるサム・ヘクト氏など、いずれの製品も有力なデザイナーによって手がけられていることを説明し、デザインの優位性を強調した。

エレコム 葉田順治氏LaCieのPierre van der Elst氏
LaCieのラインナップの一部

●2010年1月にタッチセンサー搭載製品も

 エレコムのロジテックブランドは、これまで3つのストレージを展開してきたが、2010年1月よりLaCieの30製品中20製品を順次展開していく。さらに、LaCieは20周年記念として、フィリップ・スタルク氏がデザインした新製品を投入する。いずれも2010年1月発売予定。

 「Desktop by Apollo」は、アルミの筐体に鏡面仕上げのフロントパネルを採用した3.5インチ外付けHDD。フロントパネルの窪んだ部分がタッチセンサーとなっており、そこに触れることでアプリケーションが起動する仕組みになっているほか、フィリップ・スタルク氏のマークを表示するギミックを備える。インターフェイスはUSB 。価格は2TBモデルが42,300円、1TBモデルが15,700円。

 同様の筐体を採用した2.5インチHDD「Mobile by Apollo」もラインナップする。USBケーブルを背面に収納できるのが特徴。価格は500GBモデルが15,700円、320GBモデルが10,400円。

Desktop by Apollo。鏡面仕上げのフロントにアプリ起動用のタッチセンサーを備える
Mobile by Apollo。背面にUSBケーブルを収納可能

(2009年 10月 7日)

[Reported by ]