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時代はゲームの中でも自由に写メ。NVIDIAが新技術「Ansel」を発表

~“音のレイトレース”技術も提供

 米NVIDIAは6日(現地時間)、Pascalアーキテクチャの新GPU「GeForce GTX 1080」とともに、ゲームの中で自由な画面写真を撮影できる新技術「Ansel」を発表した。

 ただ自分でゲームをプレイするだけではなく、プレイした様子を録画し、あるいはリアルタイムで配信したり、逆にそれらを視聴して楽しむというスタイルも既に定着している。また、自由にキャラメイクができるゲームでは、ゲーム内の自撮りを知人と共有して楽しむ人も多い。

 Anselは、そういったゲーム内写真の撮影の自由度を飛躍的に高める技術だ。Anselに対応したゲームでは、特定のキーを押すと、ゲームをポーズし、画面写真の撮影を行なうためのUIを呼び出せる。

 このUIを使って、輝度や色合いなど多岐に渡る項目を調節できるほか、ゲームをポーズしたまま、視点を自由に移動させることもできる。これによって、ボスに遭遇したシーンや、逆に自分がやられたシーンなど、面白い状況を選び、さらに視点や画角、被写界深度などに凝った写真を撮影できる。

 撮影時の解像度は最大で61,440×34,560ドットという超高解像度を指定でき、クロッピングしても高解像度な写真を撮影できる。また、VR向けに360度の全天球写真として収めることも可能だ。

 現時点で、The Division、The Witness、The Witcher、Law Breakers、Paragon、No Man's Sky、Unreal TournamentなどのタイトルがAnselへの対応を表明している。

通常のゲーム画面
Anselを呼び出したところ
全天球写真も撮影可能
対応予定ゲーム

 また、NVIDIAのVR向けエンジン「VRWorks」に、物理演算オーディオ機能が新たに組み込まれたことも発表された。

 現在の技術でも、立体音響は実現されており、ゲーム内で発生した事象の方向から音が発しているように聞くことができる。しかし、この音は音源から直接耳に届く音だけが再現されたものだ。

 VRWorksに実装された「Path Traced Audio」(以下、PTA)では、どこかで発生した音が実世界同様、360度あらゆる方向に伝わり、それが壁などの物体に反射して耳に届く様子がGPUで演算、再現される。例え得るならば、従来の立体音響がCGの単純なシェーディングのみであるのに対し、PTAはCGのレイトレースにおいて全ての光源から発せられた直接光と反射光が目に届くのを音で再現したものとなる。

 これによって音の臨場感が格段に増し、VRの没入感が一層向上することとなる。

(若杉 紀彦)