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ASUS、水冷ゲーミングノートGX700の動画/実写ギャラリー
~本体を収納できる付属スーツケースも掲載
(2016/2/17 18:21)
ASUSは17日、R.O.G.(Republic Of Gamers)ブランドのゲーミングノート4機種を発表し、都内にて製品説明会を開催した。
目玉となったのは既に昨年(2015年)の9月にドイツで開催されたIFAにてお披露目された、デスクトップ版のGeForce GTX 980を搭載する17.3型ノート「ROG GX700VO」(以下、GX700)で、世界初とする着脱式の水冷ユニットを搭載したゲーミングノートとして注目を集めていた。
今回日本で発売される運びとなったのは既報の通り。CPUはCore i7-6820HK、メモリ32GB、NVMe SSD 512GB(RAID 0構成)などと、エンスージアスト向けの製品となっている。発売日は2月19日で、価格はオープンプライス。税別店頭予想価格は549,800円。
GX700の製品説明には、ASUS JAPAN株式会社 テクニカルプロダクト シニアマネージャーの西康宏氏が登壇。2006年に最初のR.O.G.製品であるSocket AM2用マザーボード「Crosshair」が登場して以来、数々の製品を送り出してきたR.O.G.の歴史を振り返り、今では世界的に有名なゲーミングブランドにまで成長したと述べた。
西氏は、今年(2016年)で10周年を迎えるR.O.G.ブランドに、世界初となる着脱式水冷ユニットを採用したゲーミングノート「GX700」がラインナップに加わり、R.O.G.の精神であるハードウェア面でのパフォーマンスとゲームのエクスペリエンスを融合した最強のゲーミングノートであることをアピールしている。
GX700の水冷ユニットは、Cooler Masterと2年間にも渡る協同開発期間を経て実用化に至ったとのことで、ハードウェアを制限なしに動かすことができる放熱ソリューションを提供する。西氏は、水漏れすることなく、ワンプッシュで取り付け/取り外し可能で、接続時にはTDP 180Wクラスの放熱性能を発揮できると、性能だけでなく使い勝手も良好であるとした。
この水冷ユニットはノートPCに接続すると冷却水が流れる仕組みになっており、ノートPCの熱を吸収した冷却水はユニット内蔵の2基のラジエータで冷やされ、またノートPCを冷やすという循環が行なわれる。常に安定して冷却を行なえるため、長時間高負荷状態が続いても性能が低下せず、通常のクーラーを使う場合に比べてCPUなら31%、GPUなら33%温度を低く保てるという。
水冷ユニットを装着するには水冷ユニットのノートPC接地面に用意されている4つのバーにノートPCを差し込み、水冷ユニット背面にあるレバーを倒すだけで済む。ネジを締めたりといった作業は必要ない。逆に、水冷ユニットを取り外すには、水冷ユニットの前面側にある「PUSH」と書かれているボタンを押すだけでいい。取り外し方法は記事内に掲載している動画で確認できる。
GX700の動作には「標準」、「最適化」、「最高」、「手動」の4つのプロファイルが用意されており、ノートPCのみの時は「標準」で動作し、水冷ユニット接続時は自動的に「最高」の設定で動作するようになっている。ちなみに「標準」はACアダプタなしでの駆動、「最適化」はACアダプタありでの駆動を想定しているとのこと。なお、水冷ユニットはゲーム実行中などでも取り付け/取り外し可能。接続状態に応じてプロファイルが切り替わる仕組みだ。
気になったのは任意のオーバークロック設定を行なう「手動」のプロファイルで、こちらを適用するにはPCの再起動が必要になる。そのため、手動設定ではシームレスにPCを使うことができない。
GX700のCPUはCore i7-6820HK(2.7~3.6GHz)、GPUはGeForce GTX 980(コアクロック1.126GHz)を搭載しているが、「最高」モードの場合は動作条件によってはCPUなら約4GHz、GPUは約1.4GHzまで達するという。また、メモリ(DDR4-2133)のオーバークロックも行なわれ、10~20%程度までクロックアップを図るようだ。
西氏は冷却ソリューション以外のGX700のアピールポイントとして、NVMe対応でRAID 0で接続された高速SSDの搭載、ディスプレイとGPUを同期して画面表示させるG-SYNCのサポート、30キー同時押し対応の人間工学に基づいたキーボード、迫力の低音やクリアな音を作り出すESS TechnologyのSabreヘッドフォンDACの搭載などを挙げ、最上位のゲーミングノートとして、妥協のない実装であることを強調した。
西氏は今後もR.O.G.シリーズの拡大を続けていくと述べ、R.O.G.ブランドの発展に意欲を示し、プレゼンテーションの後は、GX700デモンストレーションを実施。水冷ユニットの仕組みやオーバークロックの仕方など、いくつか説明が行なわれた。以下にその時の様子を撮影した動画を掲載しているのでご覧いただきたい。
そのほかのR.O.G.ゲーミングノート3機種
ASUSはGX700以外にも2機種のハイエンドゲーミングノートと、1機種のローエンドゲーミングノートを発表した。会場に展示してあった写真とともに紹介する。
「ROG G752VY」
「ROG G752VY」はGX700の次点に位置するハイエンド製品で、CPUにCore i7-6700HQ、メモリ32GB、SSD256GB、HDD 2TB、GeForce GTX 980M、17.3型フルHD(1,920×1,080ドット)液晶、BDドライブ、OSはWindows 10 Homeを搭載。
本体サイズは428×334×23~53mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約4.4kg。バッテリ駆動時間約3.1時間。19日に発売し、税別店頭予想価格は309,800円の見込み。
「ROG GL752VW」
「ROG GL752VW」は、ROG G752VYと同じくフルHD液晶を採用。メモリが16GB、GeForce GTX 960M、SSD 128GB、HDD 1TBであること以外はROG G752VYほぼ同様。
本体サイズは415×273.49×38.1mm(同)、重量は約3kg。バッテリ駆動時間約2.8時間。発売は3月上旬以降を予定し、税別店頭予想価格は179,800円の見込み。