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筑波大と産総研、相変化記録を1,000倍以上高速化する仕組を解明

〜THzのクロックで動作するCPUの開発可能性も

パルス対励起と期待される超高速相変化反応プロセス。P1とP2の時間差はマイケルソン干渉計により10fsの精度で変化する

 筑波大学と産総研(国立研究開発法人産業技術総合研究所)は25日、DVD-RAMなどの記録に採用されている相変化メモリ技術を1,000倍以上に高速化する仕組みを解明したと発表した。

 今回観測された超高速相転移現象は、これまで熱的な転移過程と考えられてきた相変化の記録が、非熱的な転移過程であることを示唆するもの。現状10ps(ピコ秒)以上を必要とする相変化光記録膜や相変化メモリの相転移過程を1ps以下の時間(レーザーパルス対の時間間隔)で制御できる。

 相変化記録膜材料には、産総研が開発したGST合金を格子させた超格子構造薄膜が用いられ、筑波大学の40fs超短波パルスレーザーをマイケルソン干渉計により励起パルス対にして照射することで、相転移を確認した。

 これにより、相転移スイッチングを光スイッチとした光通信などで高bitのデータ転送ができるほか、THzの周波数帯域での書き込みや消去が可能。現状のGHz周波数帯で動作するシリコンベースのプロセッサの性能を凌駕する潜在能力を秘めているとされ、新しいタイプの超高速相変化メモリデバイスの創製に繋がるとしている。

 今後はデバイスサイズの極小化のために、超格子構造を改良し、相転移スイッチングに必要なレーザーパワーの省力化と、スイッチング動作の安定化を進める。

 本研究は筑波大学 数理物質系の長谷宗明准教授、産総研 ナノエレクトロニクス研究部門の富永淳二首席研究員らによる研究グループで行なわれている。

(中村 真司)