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Surface打倒PCの投入に6社が意欲!?
~JCSSAの新春セミナーでハードメーカー8社が激突
(2015/1/21 14:49)
一般社団法人日本コンピュ-タシステム販売店協会(JCSSA)は、1月20日、東京・内幸町の帝国ホテルで、新春特別セミナー・賀詞交歓会を開催。業界関係者約650人が参加する中、ハードメーカー8社が、「2015年 わが社の製品・販売戦略」と題したプレゼンテーションを行なった。
登壇したのは、日本ヒューレット・パッカード、富士通、日立製作所、ソニーマーケティング、東芝、レノボ・ジャパン、NEC、日本マイクロソフトの8社。例年恒例となっているハードメーカーによる講演だが、今年は初めて、マイクロソフトがハードメーカーとして参加したのが興味深い。
また、各社が9分間のプレゼンテーションを行なった後、JCSSA セミナー委員会・窪田大介委員長(リコージャパン専務執行役員)が、講演者に対して公開質問。「今年は打倒Surfaceの新製品を投入する」との質問に対して、6社のハードメーカーが○の札を掲げた。
日本HP、小型PCやスマートウォッチも国内投入?
日本ヒューレット・パッカード 執行役員プリンティング・パーソナルシステムズ事業統括パートナー営業統括本部 西日本営業本部長の那須一則氏は、「2014年は事業体質の強化と攻めへの転換を図った年。2015年は成長加速の年にする」と宣言。さらに、日本人社長として吉田仁志氏が新たに就任したこと、プリンタ、PCを中心としたHP Incと、サーバーやクラウドビジネスを行なうHewlett-Packard Enterpriseの2つの会社に分離することを説明。「クラウドを中心としたビジネス、デバイスを中心としたビジネスではスピードが異なる。分社化することで、それぞれの経営のスピードを上げることができる」と述べた。
また、「日本ヒューレット・パッカードでは、12.5型の薄く、軽く、お洒落なビジネスノートを投入し、購入してから最初の1年間は日米欧といった世界各国でワイヤレスの無料接続が行なえる。さらに10.1型のシンクライアントを投入し、セキュアな環境での利用提案を行なっている。米軍調達基準に対応した耐久性、11.5万時間などの過酷なテストを行なった堅牢性を実現しているのも特徴だ」などと述べた。
さらに、「タブレットにおいては、ビューワやPCの置き換え提案に加えて、今年(2015年)は、業務端末としての利用を提案していくことになる。土木/測量、病院/看護、次世代店舗、教育市場、外勤営業など、業種、業務ごとに専用デバイス化をして提供していく。さらにノートPCやデスクトップPCに関しては、セキュリティで大きな差別化をしていく。BIOS保護、暗号化、データの完全消去といったソリューションを提案。また、日本でのサポートを開始した。今まで以上に繋がりやすく、技術力の高いサポートを提供できる。顧客の立場に立った充実した対応を開始している」と語った。
そのほか、サーバー事業における好調ぶりを示しながら、「HP One Viewは、世代の違うサーバー、ストレージを1つの画面で管理できる点が特徴。運用をシンプルにできる」とコメント。Windows Server 2003からの移行については、「移行のために、さまざまな販売促進ツールを提供する。顧客は対して、何をヒアリングしたらいいのか、社員数に応じてどうな提案をすればいいのかといったことに対して、適切に対応できるようになる」とした。
また、仮想現実を実現できる液晶ディスプレイや小型デスクトップPC、スマートウォッチの「MB Chronowing」、3Dプリンタなどの国内市場への投入についても、「期待してほしい」と語った。
富士通は国内開発、国内生産の強みを訴求
富士通 執行役員パーソナルビジネス本部長の竹田弘康氏は、同社が取り組む成長戦略について説明。「新たなICT活用領域の拡大」を掲げる中で、既存領域、ビジネスイノベーション領域、ソーシャルイノベーション領域の3つの領域においてビジネスを行なう姿勢を示した。
既存領域においては、安心・安全な環境を提供するために、セキュリティおよびカスタマイゼーションを軸とした取り組みを展開。リモートでのデータ消去が行なえる盗難防止ソリューションのCLEARSURE、手のひら静脈認証センサーを搭載したタブレットである「ARROWS Tab Q704/PV」などを紹介。さらに、子供たちの利用に最適化したタブレットの投入などによる、文教市場向けのカスタマイズ事例などを示した。「日本で開発、日本で生産を続けている点が、こうしたソリューションの提供に繋がっている」と自信をみせる。
ビジネスイノベーション領域では、現場での使い方を想定したワークスタイル変革の提案を軸に、コンビニエンスストアチェーンでのハイブリッドタブレットの導入事例や、水道施設建設関連会社でのヘッドマウントディスプレイを活用したウェアラブルソリューションの導入事例を紹介。「ウェアラブルソリューションの実証実験を、お客様と共同で実施。携帯電話で培った防水、防塵、堅牢性、使いやすさ、見やすさを提供することで富士通ならではのソリューションを提供できる」と述べた。
ソーシャルイノベーション領域においては、センサーとミドルウェアの組み合わせによって、これまでICTが使われていなかった領域にソリューションを提供していくことになるという。「あらゆる情報を生きた情報に変えていくことで、お客様の現場における新たな価値を創出できる。富士通では、全社IoT活用基盤をつくり、センシング技術やミドルウェアを開発して、これを全社で活用できるようにしている。居眠り検知のほか、高齢者やペットの見守りのためにもIoTを活用していくことになる」と語った。
日立、箱売りからソリューションへとシフト
日立製作所 理事 情報・通信システムグループ情報・通信システム社プラットフォーム部門COO兼ITプラットフォーム事業本部長兼事業統括本部長の橋本崇弘氏は、企業のクラウド普及率が33.1%に達していること、モバイルの契約件数が1億4,401万件、スマートフォンの世帯普及率が62.6%、タブレット端末の世帯普及率が21.9%に達しているといった資料を示した。
「5年前にはこんな数字は1つもなかった。こうした変化の中で日立はどうすべきか。スピードを持って、販売店の方々と一緒になってビジネスをしていきたい。日立は、サーバー、ストレージ、ネットワークを提供するが、顧客に届けるソリューションにおいて、欠けている部分は、パートナーの尽力を得たい。日立からの提案も、箱モノからソリューションへと変えていきたい」などとコメント。日立が提供する具体的なソリューションとして、Oracle RAC on SSD、簡単VDI、クラウドサービスであるHitachi Cloud、ハードウェアの長期保守サービス、Windows Server 2003延命ソリューションを紹介した。
「私は、10年以上、HDDがない端末で仕事をしており、なんら不便はない。また、クラウドをちょっと使いたいという場合にも、柔軟に対応できるサービスを用意している。また、7年、10年という長期間のサポートを提供し、長い期間に渡り、日立が面倒をみることができる環境も用意している。2015年は、日立製作所にとって、3カ年中期経営計画の最後の年であり、国内ビジネスを盛り上げていきたい」と語った。
VAIOを含めたマルチカテゴリー展開進めるソニー
ソニーマーケティング 代表取締役執行役員専務の鈴木功二氏は、昨年(2014年)のプレゼンテーションの内容について触れ、「昨年のこの席で、ソニーのPC事業の販売戦略をお伝えした翌々週に、PC事業の売却の発表があった。この件ではご迷惑、ご心配、ご苦労をおかけした。お詫びしたい」と陳謝。続けて、「VAIO株式会社が7月からスタートし、ご協力をいただいたことに感謝する」と述べた。
鈴木氏は、「ソニーは、ビジュアルネットワークシステム、デジタルペーパー、蓄電池システム、コンテンツ制作システム、コンシューマのAVプロダクツを組み合わせて、マルチカテゴリで提案していけるのが特徴。これにXperiaやVAIOといったモバイルデバイスを組み合わせることができる」とコメント。「ビジュアルネットワークシステムでは、CMOSイメージセンサーを独自に開発している点が強みであり、このデバイスは各社にも供給し、トップシェアを維持している。暗所と逆光に強いほか、ブライトフェイス機能なども搭載しており、今年(2015年)は改めて、この強みを顧客に提案していきたい」とした。
また、「Xperia in Business」として、Xperiaブランドのタブレットやスマートフォンに、ビジネスユースに必要なソリューションを付け加えて展開する姿勢を表明。「コンシューマで高い評価を得ているXperiaは、ビジネス用途に耐えうるハードウェア性能を持っている。これにセキュリティ、デバイス管理、導入検討から運用までのサービスサポートをセットにして展開していく」と述べた。
さらに、VAIOについて、「VAIO株式会社とソニーマーケティングは、共同運営でビジネスを推進する体制を敷く」として、VAIO株式会社の花里執行役員が登壇。「昨年は、VAIO事業について、ご迷惑をおかけしたことをお詫びする」とし、7月1日にVAIO株式会社として事業を開始したこと、この半年間でさまざまな仕込みをしてきたことに触れ、「今年はそれを世の中に出していく年になる」とした。
「VAIOは、日本で設計/製造する事業会社としてスタートした。組織の規模が小さくなったVAIOが、日本に事業の軸足を置いてやっていく理由は、PCにしかできないこと、PCでしかできないことを、PCの理想として考え、この原点に戻って、ゼロから理想を追求し、社会貢献、役割を再構築していきたいためである」と述べた。
また、開発中のモンスタータブレット「VAIO Prototype Tablet PC」を壇上で披露。「まだ発売日などは発表していないが、こうした製品を市場に投入していくことになる。ぜひ、期待してほしい」と語った。
再び、鈴木氏が登壇し、「VAIOからは、デスクトップ環境でしかできなかった環境を、モバイルでも使えるような提案ができるようになる。ソニーとしても、こうした製品を起点にマルチカテゴリの展開を広げていきたい」とした。
ラップトップ投入から30年目の節目迎える東芝
東芝 執行役常務 デジタルプロダクツ&サービス社カンパニー社長の村戸英仁氏は、東芝が今年創業140周年を迎えたことに触れながら、2人の創業者である田中久重氏(田中製作所創業)、藤岡市助氏(白熱舎創設)の偉業について説明。「人間に奉仕する技術者精神」が東芝のDNAであることを強調してみせた。
この中で、万年自鳴鐘のレプリカを1億円かけて製作。これを東芝未来科学館で公開すること、同科学館では創業者の部屋や実働する第1号機の洗濯機の展示をはじめ、東芝の140周年の歴史を展示していることを紹介した。2月2日から特別展も開催するという。
さらに、東芝が第1号のラップトップPCを開発してから、今年30周年を迎えることにも言及。「東芝のdynabookは、アラン・ケイ氏が提唱したダイナミックブックを出発点としたものである。ダイナミックブックは、鉛筆や紙、本を使うのと同じような使い方ができ、電話やネットワークと結びついて、消費者向けの製品の形になり、あらゆる人が手に入れられるものだ。その考え方を実現したのがdynabookである」とした。
また、ここにきて発表した3つの製品についても触れた。
1つ目は、日本人による日本人のためのタブレットとしたdynabook tab S80およびS68。手書きノートアプリ「TruNote」、キャプチャアプリ「TruCapture」、ボイスレコーダー「TruRecorder」を搭載していることを紹介。鉛筆や紙、本と同じように使える環境を実現したことを示した。「ペンのユーザーインターフェイスを使って、アラン・ケイの言葉を現実のものにした。1,000ページ分の情報を格納したり、カメラでホワイトボードを全て写して記憶。録音によって、容易に議事録を作成できる」と具体的な用途を示した。dynabook tab S80は、3,000人を擁する予備校や学習塾で、児童/生徒用教材タブレットとして導入しているという。
2つ目は、Ultrabookにもなる世界最軽量タブレット。タブレット部は、12.5型ディスプレイを採用。本体は699gと、このクラスでは最軽量だ。Core Mプロセッサを搭載し、キーボードを付けた場合にはPCとしての利用が可能であり、「ビジネスPCとしてしっかりと仕事をサポートできる」とした。
3つ目がVDI対応シンクライアントの「TZCS」。Zeroクライアントと呼ぶこの製品は、SSDやHDDは搭載していないためデータが残らないのが特徴。さらに、同社が投入しているPCをベースにCTOで提供する形態を取っていることから、タブレットや着脱式PC、モバイルPC、ノートPCといった幅広い製品から選択できるようになっているのも特徴だ。会計事務所や監査法人での導入が検討されているという。
最後に村戸氏は、「田中久重のモノづくり精神を受け継ぎつつ、ダイナミックブックの夢を追いかけて、真のパーソナルコンピュータを実現する。東芝らしい製品、サービスを引き続き提供していきたい」と語った。
レノボ、スマートフォンに力を注ぐ1年に
当初予定されていたロードリック・ラピン社長に代わって登壇したのが、レノボ・ジャパン 執行役員専務である瀧口昭彦氏。「2014年は、モトローラの携帯電話事業、IBMのx86サーバー事業を統合した。また、一番のコア事業であるPCは、厳しい状況が続いたが、コンシューマ市場ではスマートデバイスなどでは復調の兆しが出てきている。日本では、昨年は第2四半期で29.1%。グローバルでも20%のシェアを獲得し、過去最高のマーケットシェアを達成した。PCとタブレットを合わせるとAppleの出荷台数を超えている」などと語った。
さらに、2015 Internatinal CESにおいて、レノボが過去最高となる77の賞を獲得。そのうち、NECブランドのLaVie Z(LaVie ZERO)が24の賞を獲得。ウェアラブルデバイスやスマートデバイスに注力していることを示しながら、「これらをできるだけ早く日本に投入したい」と述べた。
また、エンタープライズ事業を10月1日から統合。「11月にはITのトラブルが発生し、見積もりがうまくいかないといった点でご迷惑をおかけした。修復したので、一気に加速したい」と語った。
一方、スマートフォンについては、「全世界で8,600万台のスマートフォンを出荷している。日本のスマートフォン市場は約800万台。Nexus 6でも成果があがっている。日本でも昨年末に初のスマートフォンを発表した。今年は、スマートフォン元年として注力したい」と述べた。
「レノボは、デバイスを中心にした企業。PC、タブレット、System X、ストレージをワンストップで提供したい。一方、日本でクラウド事業を展開する予定はない。クラウドビジネスについては、パートナーと一緒にメニューを作りたいと考えている」と語った。また、課題となっていた新たなパートナープログラムについては、「今週中に発表したい」と語った。
NEC、ディスプレイをコミュニケーションツールとして提案
NEC 執行役員の山品正勝氏は、同社の取り組みについて説明。「ICTを高度化し、安心、安全、効率、公平という価値が実現された社会作りと、ICTビジネスの開拓に貢献していくのがNECの役割。ICTを活用することで、仕事の効率を2倍、3倍にしていかなくてはならない」と切り出した。
具体的な事例として、タブレットPC「VersaPro」や電子黒板「BrainBoard」を活用した「学校ICTソリューション」、84型の4Kディスプレイやプロジェクターなどを組み合わせた「Visual ICT」の事例を、ビデオを通じて説明。「プロジェクタとディスプレイの提案は、これまでのようなプレゼンテーション用途に留まらず、ギガクラスのCPU、ギガクラスのネットワークによって、コミュニケーションツールとして提案が加速している」と述べた。
また、SDNの取り組みについても説明し、サイバー攻撃に自動で対処する新たなセキュリティソリューションによる同社ならではの強みや、クラウドの利用権をパッケージで販売するNEC Cloud IaaSについても言及した。
さらに、2014年には、x86サーバーであるExpress 5800が20周年を迎えたことに触れ、「オンプレミスはもちろん、クラウドやVisual ICTなどの新たな領域において、パートナーとのビジネスをより深化させたい」と語った。
ハードメーカーとして登壇した日本マイクロソフト
ハードメーカーとして初参加となった日本マイクロソフトの執行役専務 マーケティング&オペレーションズ担当・平野拓也氏は、「2014年は、Windows XPのサポート終了では大変お世話になった」とお礼を述べ、「今年、Microsoftが誕生して40年になった。創業時には、全てのデスクにPCを置きたいといっていたが、今では平均すると1人で4つのデバイスを使うという統計もでている広がっている。昨年、創業以来3人目となるCEOにサティア・ナデラが就任してから、9型以下のデバイスに対して、Windowsを無償で提供したり、競合と言われたsaleforce.comとパートナーシップを結ぶといった動きが出ている。それを見て、Microsoftはどこに行くのだろうかという声も聞く。その答えは、モバイルファースト、クラウドファーストの世界におけるプロダクティビティソリューションとプラットフォームの提供企業になるということ。デバイスを中心に考えるよりも、人を中心とした提案、クラウドをもとにしたソリューションを提供していくことになる」とした。
また、「Microsoftは、PCでは90%以上という高いシェアを持っているが、タブレット、スマートフォンの世界ではチャレンジャーである。チャレンジャーであるからこそ、モビリティとクラウドには圧倒的な投資をしていく考えだ。日本においてもこの1年半で、東京と大阪にデータを開設して、多重化できるようにした。また、6~9カ月でデータセンターのキャパシティを倍にしている。A社やG社よりも、大きなキャパシティを持っている」と強調した。
さらに、「今年は、7月15日にWindows Server 2003のサポート終了がある。残り176日である。昨年の今頃は、国内には36万台のWindows Server 2003搭載サーバーがあったが、今は21万台。2015年7月までには5万台にしたい。これからは地方における啓蒙活動が大切だと考えている」と述べた。
また、「今年はWindows 10のリリースがある。Windows 10はOne Windowsと言える点が特徴だ。これまでのWindowsには、たくさんのプラットフォームがあった。だが、Windows 10は、ドライバなどは1つになる。スマートフォンのように小型ディスプレイを搭載したもの、80型、90型の大型ディスプレイ製品、IoTのように画面がないものなど、違うデバイスを使っていても統一のエクスペリエンスを提供することができる。また、統一したアプリケーション開発環境が提供され、異なるデバイスに対応するために、2度、3度とコーディングしなくてもいい。アプリをどんどん作ってもらえる」と語った。
最後に、「今日の各社のプレゼンテーションを見て、ワクワクした。すばらしい製品が数多く出ている。楽しみにしている。Windows 10やタブレットによるビジネスチャンスを、確実にドライブしたい」と語る一方、「Surfaceは、モバイルファースト、クラウドファーストへの取り組みにおいて、Windowsの特徴を最大限に活かせるデバイスをつくってみようという観点から生まれたもの。これをお客様に使ってもらいたい。Surfaceによる、販売店とのパートナーシップによって、2015年のIT新時代を盛り上げたい」と締めくくった。
公開質問に8社が○×の札で回答、きわどい質問も
各社のプレゼンテーション後には、JCSSA セミナー委員会・窪田大介委員長(リコージャパン専務執行役員)による公開質問が行なわれた。
「2015年度のPC事業は、対前年比10%以上の成長を見込んでいる」との質問には6社が○、2社が×と回答。「2015年度のタブレットの出荷計画は前年比50%以上を見込んでいる」との質問には、1社が×とした以外は全員が○の札を上げた。日本マイクロソフトの平野氏だけが、札を上げるのを躊躇したが、「実はSurfaceをPCに入れるか、タブレットに入れるかで迷っていた」と語り、会場を沸かせた。
「2015年のタブレット市場でもっとも成長するOSはWindowsである」との質問には全員が○を上げたほか、「Windows 10は、Windows 8よりも売れる」との質問にも全員が○の札を上げた。また、「Windows Server 2003の買い換え需要は、サポート終了後も続く」との質問には、サーバー事業を行なっているメーカー全てが○の札を上げたが、日本マイクロソフトの平野氏は再び札を上げるのを躊躇。「どういう立場で答えるのかが難しい」との回答に、窪田委員長から「決断力が弱い」と指摘される一幕もあった。
「円安が続いているので、さらにPCの値上げをする」との質問に対しては、4社が×。残りの4社は札を上げずに未回答とした。
「2015年には、ウェアラブルコンピュータを発売したいと考えている」との質問には、富士通を除く全員が○。札を×とした富士通の竹田氏は「Google GlassやApple Watchとは違うタイプのものを考えている」と答えた。
「PCやサーバー事業は分離しない方がいい」との質問には、PC事業を分社化する日本ヒューレット・パッカードの那須氏だけが×。「本心は違うのでは」との指摘に会場からは大きな笑い声が起こった。
そのほか、登壇者個別の質問も行なわれ、「レノボグループが統合した秋葉原の新オフィスでは、レノボ、NEC、IBMの人が一緒になって、共通言語は日本語になった」との問いには○と回答。レノボ・ジャパンの瀧口氏は、「ロッド(=ロードリック・ラピン社長)も日本語でがんばっている」と答えた。また、日本マイクロソフトの平野氏には、「Surfaceは、ここにいるメーカー各社とガチンコ勝負をしたいと思っている製品」との質問には、×と答えた。これに対して、平野氏以外への質問となった「今年は打倒Surfaceの新製品を投入したい」との問いには、日立製作所を除く6社が○の札を上げた。
最後に、JCSSAの大塚裕司会長(大塚商会社長)からの質問として、「PCおよびサーバーの販売に関して、JCSSAの会員に大いに期待している」、「JCSSAに加盟する販売店への支援策、販促策を増やしたいと思っている」の2問が用意され、いずれもすべての登壇者が○の札を上げ、会場からは大きな拍手が沸いた。
また、新春特別セミナーでは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙輸送ミッション本部イプシロンロケットプロジェクトチーム・井元隆行サブマネージャーによる「イプシロンロケット開発への挑戦~12年ぶりの新型ロケット打上げの秘話~」と題した講演も行なわれたほか、新春賀詞交歓会では、経済産業省商務情報政策局情報処理振興課長の野口聡氏、インテルの江田麻季子社長が来賓として挨拶。一般社団法人コンピュータソフトウェア協会の荻原紀男会長(豆蔵ホールディングス社長)が乾杯の音頭をとった。