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AMD、初の4K動画デコーダ搭載GPU「Radeon R9 285」

~GCNアーキテクチャも改良

「Radeon R9 285」

 米AMDは2日(現地時間)、初の4Kハードウェアデコーダおよび改良型のGraphics Core Next(GCN)アーキテクチャを採用したGPU「Radeon R9 285」を発表した。米国での価格は249ドル。国内でも9月5日より発売される。

 ストリーミングプロセッサ数は1,792基、コアクロックは最大918MHz、テクスチャユニット数は112基、ROP数は32基で、メモリは256bit幅5.5GHz駆動のGDDR5を2GB搭載し、演算性能は3.29TFLOPS。プロセスルールは28nmで、消費電力は190W。電源は6ピン×2を利用する。

 285は、型番上は280X/280より大きな数字の付くモデルだが、ストリーミングプロセッサ数は280と同じで、クロックは低く、メモリクロックは高いものの、インターフェイスは狭く、理論性能も280よりわずかに低い3.29TFLOPSなど、数値的な仕様上は必ずしも280シリーズより上位ではない。


285280X280
SP数1,7922,0481,792
最大コアクロック918MHz1GHz933MHz
演算性能3.29TFLOPS4.1TFLOPS3.3TFLOPS
テクスチャユニット数112128112
メモリインターフェイス256bit384bit384bit
メモリ2GB GDDR53GB GDDR53GB GDDR5
メモリクロック5.5GHz6GHz5GHz

 ただし、280シリーズがRadeon HD 7000シリーズのリネームであると言われる一方で、285は最上位の290Xよりも新しい、改良型のGCNアーキテクチャを採用している。これにより、1クロックあたり4プリミティブ処理が可能となり、テッセレーション性能は280の2~4倍に向上。フレームバッファの色圧縮対応により、メモリバンド幅の効率は4割改善。このほか、新しいGPU演算およびメディア処理向けの16bit浮動小数点および整数命令による低消費電力化、データ並列処理命令対応、改善された演算タスクスケジューリングなどが盛り込まれている。

テッセレーションの機能を強化
フレームバッファの色圧縮に対応
GeForce GTX 760との3DMark FireStrikeの比較
Battlefield 4の比較

 加えて、ハードウェア動画再生支援も改良され、GPUで初めて4K(H.264ハイプロファイル Level 5.2)映像のハードウェアデコードに対応。エンコーダも強化され、H.264 ベースラインおよびメインプロファイルに対応した。

4Kのハードウェアデコーダを初搭載。フルHDエンコーダも強化されている

 なお、同社は現在、同社製GPUを購入するとゲームが無料でもらえる「Never Settle Forever」キャンペーンをワールドワイドで実施している。285は、その「Radeon Gold Reward」の対象で、3本のゲームを入手できるが、今回その選択肢に、「Alien: Isolation」、「Star Citizen」を始めとする多数のゲームが追加され、29本から選べるようになった。

(若杉 紀彦)