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ソフトバンク、感情を理解して自律動作するロボット「Pepper」を発表

〜2015年2月には一般向けに販売開始、価格は198,000円

「Pepper」
6月5日 発表

 ソフトバンクモバイル株式会社は5日、人の感情を理解するという人型ロボット「Pepper」(ペッパー)を発表。インターネット中継も行なわれた記者会見の冒頭で同社代表取締役社長の孫正義氏は「100年、200年先にコンピュータがあの日から変わったと言われる日になると思っている。人類史上、ロボット史上初めてロボットに感情や心を与える。そのことに挑戦する日」と、その意義を語った。

 会見には、ソフトバンクグループが2012年より出資している、Pepperの開発に関わった仏Aldebaran Robotics創業者兼CEOのブルーノ・メゾニエ氏も登壇している。なお、製造はFoxconnが担当し、CEOが会見に出席している。

 また、孫社長は「これまでのロボットは個体のCPUやメモリ、プログラミングされたものを実行するものだったので能力が限定的で成長の余地が小さいが、Pepperは学習したことをクラウドへ集約し、空気を読みながら加速度的に学習。自らの意思で自律的に行動する」という点を、Pepperのポイントとして挙げた。

 「Pepper」は、頭上に4つのマイクを搭載し音がする方向を認識可能。さらに、目の中に赤外線による距離センサーを搭載。会見では孫社長との距離を測定するデモを実施し、距離が離れすぎると赤外線センサーの範囲を超えてしまうものの、「1m8cm7mm」とミリ単位まで計測可能なことを示した。

 これらのインターフェイスを通じて人の感情を理解できるという「感情認識機能」を搭載。会見では、孫社長の笑顔を見て「目が笑っていない」、「78点」などと指摘。その指摘に対して笑ってしまった孫社長の笑顔に対して「100点」と判定した。

 こうした笑顔(≒喜び)を認識し、点数化することで、実施した行為に対する人の感情を学習。その学習結果を、クラウド上に置かれた感情データベースへ集約し、そのほかのPepperにも適用されていく仕組みとなっている。これにより、「何万、何百万台のPepperが、それぞれの場所で学んだ感情を、クラウドベースのサービスで認識し、集合知によって加速度的に進化させていく」と、孫社長は説明する。

 また、クラウドへ記録する際には、人の感情の振れ幅にも留意。感情の振れ幅が大きいと判断した場合を重点的に記録し、例えば窓の外を見ているだけといった振れ幅の小さい感情は圧縮して記録し、場合によっては消したり、簡素化したりするという。また、プライバシーにも留意して、プライベートなAIも持つという。

 また、この感情を記憶するクラウドサービスを運用する会社として、「Cocoro SB」を6月5日に設立することも発表した。

 人型ロボットでありながら二足歩行を行なわないが、それについてはバッテリ駆動時間を優先させた結果であり、12時間の連続稼働が可能であるとした。

 孫社長はこのPepperについて「愛を持つロボットを実現するというビジョンに向けた第一歩の発表で、あくまでその最初ロボット」とし、今後さらに発展させていく姿勢を示している。

 Pepperは、6日よりソフトバンクショップ銀座店および表参道店に置かれ、実際に来客とコミュニケーションをとって接客などを行なう。また、2015年2月には198,000円で一般販売も行なう予定。2014年9月にはアプリケーション開発者向けイベントを開催し、SDK(開発環境)を配布するとしている。

 主な仕様は、頭部にマイク×4、カメラ×2、3Dセンサー、タッチセンサー×3、胸部にジャイロセンサー、手にタッチセンサー×2、脚部にソナーセンサー×2、レーザーセンサー×6、バンパーセンサー×3、ジャイロセンサーを内蔵。

 モーターは20個を搭載。移動速度は最大時速3km。1.5cmまでの段差を乗り越えられる。自由度は頭と腰がそれぞれ2、肩および肘が左右各2×2、手および手首が同1×2、膝が1、ホイールが3となっている。

 ネットワーク機能はIEEE 802.11a/b/g/n無線LANおよびGigabit Ethernet。10.1型のタッチディスプレイを内蔵し、Aldebaran Roboticsが開発したNAOqi OSを採用する。

 バッテリはリチウムイオンで容量は795Wh。本体サイズは485×425×1,210mm(幅×奥行き×高さ)、重量は28kg。

(多和田 新也)