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NEC PC、2020年に向けて“IT活用力”を高めるべくタブレット普及活動を強化

〜新LaVie Tab Eほか夏モデル発表会を開催

5月14日 実施

 NECパーソナルコンピュータ株式会社は14日、同日発表された「LaVie Tab E」シリーズほか、2014年夏モデルの新製品発表会を開催した。2020年に向けてタブレットを普及させるべく、市場を牽引していく姿勢を示した内容となった。

 今回の発表会は、2014年夏モデルについてのものだが、内容はほぼタブレット1色となった。同社取締役 執行役員常務の留目真伸氏は、「PC夏モデルは他社に先駆けて、4月にほとんどの製品を発表済み/ゴールデンウィークにはすでに予約販売を開始しているのが1つ。そして、日本のタブレット市場が重要な局面に来ており、これは日本の国際競争力にも関わる課題なので、NECとしても重視しているのが、もう1つ」と、タブレットを重視した内容となった2つの理由を説明した。

NECパーソナルコンピュータ取締役 執行役員常務 留目真伸氏。壇上に展示された新製品もタブレット製品のみ

 そのタブレット市場について、2013年の同時期には「PCは全てタブレットに置き換わるのではないか」という声すらあったが、昨今は消費税増税やXPサポート終了の影響もあってPCが堅調な一方で、タブレット市場が伸び悩んでいる。

 また、先進国のタブレット個人普及率を見ると、米国が42%であるのに対し、日本は18%。ほかの先進国と比べても低い。「成長の余地が高いとも言えるが、本来なら右肩上がりに市場が成長していくべき」(留目氏)と説明。この18%という数字については、イノベーターやアーリーアダプタと呼ばれる層が一通り買い終わり、マジョリティが使い始めるタイミングであると説明し、「市場を開拓していけるのか、それとも一部の人が使うもので終わってしまうのか、重要な局面を迎えている」(留目氏)と、日本のタブレット市場に対する現状認識を紹介した。

 さらに、調査会社などが調べた日本のIT関連指標を示し「一昔前、ITインフラも整い、携帯電話によるインターネット接続も普及していて、外国人が日本へ来ると“日本人って凄い”と言ってもらえる状況だった。そのイメージが強いが、実際に調査結果を見ると、今はそうでもないことが分かる」と指摘。タブレット普及率は、日本の「IT活用力」に関わる重要な問題であるとした。

タブレット市場は2013年秋を境に、前年成長率が横ばいか、むしろ減少している
個人普及率も先進国の中では低い
IT活用力に関する各種調査でも上位とは言えないポジションとなっている

 タブレットが普及しない理由として、留目氏は2点を提示。1つ目は対象ユーザーが変化したことに伴うニーズの変化に対して対応できていなかったのではないかという点だ。アーリーアダプタなどと呼ばれる層はコストパフォーマンスを重視するユーザーが多いことから外資系ベンダーが強かった一方で、国産メーカーは安心感にフォーカスしたものの価格競争力で追いつけなかった。NEC PCは、Lenovoとの事業統合により、外資系の強味であるリーズナブルさと、国産ベンダーの強味である安心感をバランスさせて、一般ユーザーに受け入れられる製品を提案できるとした。

 もう1つの理由は、タブレットを使ってみたいという魅力的なコンテンツを、一般ユーザーの視点でアピールする必要があるという点。NEC PCではその1つとして電子書籍を推し、イーブックイニシアティブジャパンと提携して、購入したその日から電子書籍を楽しめるための施策を打つ。

 こうしたNEC PCの取り組みの背景にあるのは、2020年に開催される東京オリンピックだと言う。「タブレットは生産性向上や娯楽など、いろんなことに活用できるのにそうなっていない。これは日本のIT活用力の課題。6年間で一気に打破して、2020年にはIT活用力が世界で一番高い国にしたい」と意気込みを語る。具体的な数値目標として、現在の日本の年間タブレット出荷台数は700万台であるが、これを2020年に2倍の1,400万台に、個人普及率18%から62%となるよう、市場を牽引していくとした。

 こうした目標に向け、今後、Windowsタブレット「LaVie Tab W」の新モデルや、現在Windowsストアアプリ版のみ提供しているニュースアプリ「My Time Line」のAndroid版とiOS版を提供することを表明。「日本人のIT活用力を再び世界1位にするという我々の熱い思いに賛同していただけるパートナーと、一緒にいろんな提案を作り上げていきたい」との強い意気込みを示した。

一般ユーザーにタブレットを普及させるために必要な2つのキーポイント
Lenovoとの事業統合で、外資系と国産ベンダーのそれぞれの強味を両立させる
パートナーと提携し、タブレットに最適なコンテンツ、利用提案を進める
14日に発表したLaVie Tab Eは、これらのキーポイントを押さえた
NECのビジョンでは2020年に日本のタブレット出荷台数を1,400万台、個人普及率を62%へ
今後、LaVie Tab Wの新モデルやMy Time LineのiOS/Android版の提供、LaVie Tabのラインナップ拡充を図っていく

「買ったその日から、誰でもすぐに使える」新LaVie Tab Eシリーズ

NECパーソナルコンピュータ 商品企画本部の柴山友則氏

 こうした方針を踏まえて発表された「LaVie Tab E」シリーズの新モデルの特徴については、同社商品企画本部の柴山友則氏が紹介。

 「物を買うときには不安が湧く。アーリーアダプタやイノベーターは、調べる手段を知っているので、きちんと調べて上手に不安を解消する。だが、大多数の人は、不安要素と欲しい気持ちを比べて不安が勝ってしまい、“やっぱりやめよう”と新しい物を手に入れられないのではないかと思う」とし、今回の製品は「安心、簡単、快適、買ったその日から、誰でもすぐに使える」をテーマに開発してきたことを紹介した。

 まず「しっかりとしたマニュアル」を添付。これまでも小さなサイズのマニュアルは添付していたが、今回はAndroidを起動させるところまでを図版入りで解説したA3サイズの「かんたん!セットアップシート」を用意。詳細なマニュアルは従来通り冊子として添付する。

 Androidを起動させた後の操作方法で戸惑う人には、ガイドブック「かんたん! LaVie Tab for Android」や、チュートリアルビデオ「動画なびポータル」を提供。さらに、無料で使い方相談に応じるなど、“安心感”をサポート体制を含めて提供していくという。

LaVie Tab E新製品は「買ったその日から、誰でもすぐに使える」がコンセプト
LaVie Tab E新製品の概要
Androidが起動するところまでを解説したA3サイズのマニュアルを付属
A3サイズの「かんたん!セットアップシート」
Androidの操作方法などを紹介するガイドブックやチュートリアルビデオ
使い方を無料で相談できる
電子書籍をAndroidタブレットの使い方として提案
PCとの連携ソフト「コンテンツナビ モバイル」もプリインストール
新LaVie Tab Eのオプション
新LaVie Tab E。左から10.1型/ネイビーブルーのTE510/S1L、8型/ネイビーブルーのTE508/S1L、8型/ホワイトのTE508/S1W
オプション販売されるスタンド機能付きのカバー

 タブレットの活用提案としては、電子書籍リーダの「Ebi Reader」をプリインストールしたほか、イーブックイニシアティブジャパンの2,160円分の図書券も付属。Ebi Readerを用いて電子書籍を読むための詳細な解説も、先述のガイドブック「かんたん! LaVie Tab for Android」に記載している。

 発表会ではイーブックイニシアティブジャパンの代表取締役社長 小出斉氏も挨拶。NECがクーポンを同梱するなどパートナーとしてくれたことに感謝を意を表し、2020年に個人普及率62%というビジョンに貢献できるよう協力する姿勢を示した。

 また、同社の電子書籍販売サイト、eBookJapanの売り上げは、2010年以降、モバイルデバイスが牽引。普及台数では下回るタブレットによる売り上げが、スマートフォンよりも多いことや、1人当たりの月間購入額がタブレット、PC、スマートフォンの順であることを紹介。タブレットと電子書籍の相性の良さをアピールした。

イーブックイニシアティブジャパン代表取締役社長の小出斉氏
コミックの販売数が圧倒的に多い電子書籍市場に合わせ、現在はeBookJapanもコミックの品揃えが多いのが特徴
2010年以降、モバイルデバイスからの売り上げが増加。スマートフォンよりもタブレットによる売り上げの方が多いと言う
NEC PCの2014年夏モデル
13.3型搭載で世界最軽量の「LaVie Z」シリーズ
光学ドライブ搭載で薄さ22.6mmの新デザインを採用した「LaVie S LS150/SS」シリーズ
「LaVie S」(LS750/SS、LS550/SS)シリーズ
新デザイン採用の「LaVie L LE150/S1W」
ヤマハのAudioEngineを搭載した「LaVie L」シリーズ
Haswell Refresh搭載の「VALUESTAR L VL750/SSW」
嗜好性解析による自動録画機能を備える「VALUESTAR N VN970/SS」
ヤマハAudio Engineを搭載する「VALUESTAR N VN770/SS」シリーズ
上位モデルに11ac無線を搭載するなど仕様を強化した「VALUESTAR S」シリーズ

(多和田 新也)