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AMD、ARMセキュリティコア内蔵のモバイルAPU「Mullins」と「Beema」
~TDPを引き下げ、ワット当たりの性能は2倍に
(2014/4/29 13:01)
米AMDは29日(現地時間)、第3世代となるモバイル向けAPU「Mullins」および「Beema」を発表した。
Brazos、Temash/Kabiniに続く、モバイル向けAPU。CPUコアのコードネームはPuma+。基本設計は、第2世代のJaguarと概ね共通だが、最適化を推し進め、前世代からTDPを半分近くに下げつつも、周波数は50%以上引き上げ、メモリも高クロックに対応させるなどし、ワット当たりの性能を最大2倍に引き上げた。GPUも引き続きGCNコアを採用する。
Mullinsは、Atom/ローエンドCore対抗のタブレット向けで、A10 Micro-6700T、A4 Micro-6400T、E1 Micro-6200Tの3製品を用意。Temashに対しては、クアッドコアではTDPが8Wから4.5Wになり、グラフィックス性能(3DMark11)、システム性能(PCMark 8)でそれぞれワット性能を2倍前後に高めている。また、Haswell YのCore i3に対してはグラフィックス性能、Bay Trail-TのAtom Z3770に対してシステム性能で上回るとしている。
Beemaは、Pentium/Celeron対抗のメインストリームノート向けで、A6-6310、A4-6210、E2-6110、E1-6010の4製品を用意。Kabiniに対して、TDPを25Wから15Wへと40%削減しながら、グラフィックス性能は10%以上向上させた。また、競合となるHaswell Uに対しては、A6-6310が50%、Bay Trail-Mに対してはA4-6210が3倍高いグラフィックス性能を実現するという。TDPが下がったことで、利用時の平均消費電力もBeema対Kabiniの場合で2割程度削減されている。
このような効率向上の背景には、リーク電流の削減と、よりインテリジェントな電力管理、Boost制御などがある。
リーク電流については、CPUコアが19%、GPUコアはその倍の38%の削減に成功している。
電力管理についてはSTAPM(Skin Temperature Aware Power Management)という機構を取り入れた。これまでのAPUのBoostは、ダイ温度を基準に一定の閾値(60℃程度)に達するまで、クロックを上げ、それを超えると、クロックを抑える仕組みだった。STAPMでは、基準をダイの温度ではなく、機器の表面温度に置いた。ユーザーが触れる表面温度の閾値は40℃程度だが、それに達するまでの間なら、APUダイ温度が60℃を超える高いクロックにまでBoostしても支障が無い。これにより、Boost最大クロックは、KabiniのCPU 2GHz/GPU 600MHzに対しBeemaは2.4GHz/800MHz、Temashの1.4GHz/400MHzに対しMullinsは2.2GHz/500MHzに高められた。
クロックを高めると消費電力は向上するが、処理時間が短縮される分、APU以外のコンポーネントの稼働時間も短くなり、総合での消費電力は削減される。
また、専用の電力管理マイクロコントローラにより、Boostによって効果の出るアプリ出ないアプリをリアルタイムで検出し、効果の出ないアプリではBoostを行なわないことで余計な電力消費を抑えている。
このほか、DDR3L-1333の新しい低電力モードの利用によりメモリの電力を500mW、電圧モードロジック(VML)の利用により高解像度ディスプレイインターフェイスの電力を200mW削減した。メモリについては、上位モデルでDDR3-1866に対応し、DDR3-1600に対して、3DMark Cloud Gateで5%の性能向上に寄与している。
なお、2015年登場のプラットフォームでは、統合型電圧レギュレータ、フレーム間パワーゲーティング、パーツ毎の動的電圧制御なども盛り込まれるというロードマップも公開されている。
また、セキュリティ用にx86プロセッサとして初めて、ARMコア(Cortex A5)の32bitマイクロプロセッサを統合した。Platform Security Processor(PSP)と呼ばれるもので、RSA/AES/SHAなどの暗号解読やTPMとしての機能などを提供。ICカードの国際標準仕様であるGlobal PlatformのAPIが利用できる。
A10 Micro-6700T | A4 Micro-6400T | E1 Micro-6200T | |
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CPUコア数 | 4 | 4 | 2 |
CPU最大クロック | 2.2GHz | 1.6GHz | 1.4GHz |
L2キャッシュ | 2MB | 2MB | 1MB |
Radeon | R6 | R3 | R2 |
GPUコア数 | 128 | 128 | 128 |
GPU最大クロック | 500MHz | 350MHz | 300MHz |
最大DDR3クロック | DDR3L-1333 | DDR3L-1333 | DDR3L-1066 |
SDP | 2.8W | 2.8W | 2.8W |
TDP | 4.5W | 4.5W | 3.95W |
A6-6310 | A6-6210 | E2-6110 | E1-6010 | |
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CPUコア数 | 4 | 4 | 4 | 2 |
CPU最大クロック | 2.4GHz | 1.8GHz | 1.5GHz | 1.35GHz |
L2キャッシュ | 2MB | 2MB | 2MB | 1MB |
Radeon | R4 | R3 | R2 | R2 |
GPUコア数 | 128 | 128 | 128 | 128 |
GPU最大クロック | 800MHz | 600MHz | 500MHz | 350MHz |
最大DDR3クロック | DDR3L-1866 | DDR3L-1600 | DDR3L-1600 | DDR3L-1333 |
TDP | 15W | 15W | 15W | 10W |