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Dell、堅牢仕様の12型コンバーチブルノートと14型ノート

〜軍事や工業、救急救命現場での利用を想定

Latitude Rugged Extreme
4月2日(米国時間)発表

 米Dellは2日(現地時間)、過酷な環境に耐えられる堅牢仕様の14型ノート「Latitude 14 Rugged Extreme」および、12型コンバーチブル型ノート「Latitude 12 Rugged Extreme」を発表した。

 いずれも、軍事・警備関連や、製造業・工業、救急救命などの現場での利用を想定し、粉塵や湿気、落下による衝撃や振動、極端な温度差などの環境に耐えられるよう、特別に設計された。約1.8mからの落下テストをクリアし、防水・防塵機能なども備える。

 筐体は耐衝撃ウルトラ・ポリマーやマグネシウム合金などを採用。筐体内部は圧縮ガスケットにより、部品を密閉し、自然物質の侵入からデータを保護。ディスプレイは、屋外の日差しを考慮し、バックライトの減光や反射による眩しさを低減。12型のディスプレイは、厚手の手袋にも対応するマルチタッチ仕様。プラットフォームは第4世代Core。

堅牢性と安全性の両方が必要

米Dell Latitude Rugged担当エグゼクティブディレクター アンドリュー・ムーア氏

 デル株式会社は10日、都内で製品説明会を開催。国内も時期や価格は未定だが、本製品を投入する予定。米国では5月より出荷を開始し、価格は3,499ドルからになっている。説明は米DellのLatitude Rugged担当エグゼクティブディレクター アンドリュー・ムーア氏が行なった。

 Dellとしては2007年に堅牢ノートPC市場に参入し、本製品は第4世代となる。ムーア氏はまず現状のDellについて、「株式非公開になったことで、四半期ごとの投資家への報告の必要がなくなり、より顧客のために動けるようになった」と、経営体制の変化によるメリットを強調。顧客にフォーカスした製品によって、G20政府の100%、1,000万の中小企業、Fortune 500社の98%がDellの製品を利用しているという。2007年に参入時、他社は超低電圧版CPUを使っていたが、Dellは防水の冷却機構を採用することで通常電圧版CPUを搭載し、性能面の優位性があったとする。

 Latitude Ruggedシリーズは、軍隊や警察と協力して生まれた製品で、故障が許されない現場での利用が想定されている。一般的な企業向けノートPCの月間故障率は3.6%であるのに対して、Ruggedノートは0.5%だという。通常の製品が約7倍壊れやすいため、修理や買い換えに伴うコストを勘定すると、Ruggedノートの2倍となり、ムーア氏は「我々の製品は長期的なコスト削減ができる」とした。

 実際の警察での採用例では、警察官が日々のレポートを帰ってからPCで入力していたが、それが出先で可能になり、ペーパーワークの生産性が向上。多くの時間を現場で使えるようになり、人命の救助に繋がっているという。

 このほか、大災害の対策に使われる政府のPCもDellの製品が採用されており、ハリケーンや豪雨などを含めた過酷な気象条件のもとで2カ月に渡るテストが行なわれた。耐衝撃のテストでは、スペックの表示は6フィート(約1.8m)と記載されているが、第三者機関で最大2.5mでの落下もテストしているという。

Dell製品採用の拡大
月間のノートPC故障率。Rugged製品は圧倒的に低い

 堅牢性のスペックとしては、MIL-STD-810G準拠、IP65防水防塵、危険場所のANSI/ISA.12.12.01認定、温度範囲は動作時-29〜63℃、非動作時-51〜71℃。電磁妨害はMIL-STD-461F認定済み。このほか、EnergyStar 6.0、EPEATなどの電力環境系も取得している。

 ハードウェア以外の部分でも、買収で獲得してきたセキュリティなどのソリューションを盛り込んでおり、ムーア氏は「堅牢性と安全性を両立させることが必要と考えている」とする。頑丈さだけでなく、ソリューションも含め、全世界で展開できるのはDellだけという評価をもらっているとアピールした。

 今回の製品では4つの新機能を追加。1つは、今後登場する同シリーズの製品と共通化したドックで、デスク用のほか車載用もサードパーティから用意。2つ目はディスプレイで、従来は輝度を高くする方法で視認性を確保していたが、今回は液晶の各レイヤーで日光の反射を抑え見やすくする手法を採った。これによりバックライトの電力も削減した。

 コンシューマ製品の技術も活用。3つ目はLatitude 12 Rugged Extremeのコンバーチブルで、Ultrabook「XPS 12」の枠はそのままに液晶が回転する機構を活用している。4つ目はキーボードで、こちらはゲーミングPC「Alienware」シリーズのキーボードバックライト技術を持ってきた。AlienwareはRGBの各色を選べるため、夜間の調査、軍用などに赤く光らせるといった運用ができる。塩水対策としてゴム製キーボードも用意する(英語のみ)。

 接続性もさまざまな機器との接続が考慮されており、シリアルポートを標準で用意するほか、ExpressCardスロット、PCカードスロットを選択可能。Gigabit Ethernet、IEEE 802.11ac無線LAN、Bluetoothを装備し、3G通信モジュール、GPSを搭載可能。北米ではLTEも選択できる。企業向けにスマートカードリーダ、指紋認証なども用意する。

 Latitude 12 Rugged Extremeの主な仕様は、プロセッサが第4世代Core i7/5/3、メモリが2スロットで最大16GB、ストレージは128GBから512GBのmSATA SSD、ディスプレイは1,366×768ドット/マルチタッチ(抵抗膜方式)対応11.6型、OSはWindows 7/8.1の各エディションとUbuntu 12.04。

 そのほかのインターフェイスはUSB 3.0×2、USB 2.0、HDMI出力、ミニD-Sub15ピン、シリアルポート、カメラなど。バッテリは4セルリチウムイオン。本体サイズは311×219×39mm(幅×奥行き×高さ)、最小構成の重量は約2.72kg。

Latitude 12 Rugged Extreme
左右の中央を軸としてディスプレイが回転する
回転式ディスプレイの元になった「XPS 12」
ディスプレイ回転後に畳んだタブレット状態
ディスプレイを内側にしてクラムシェルで畳んだ状態
インターフェイス類は使用しない時にカバーで覆うタイプ

 Latitude 14 Rugged Extremeの主な仕様は、プロセッサが第4世代Core i7/5/3、メモリが2スロットで最大16GB、ストレージは128GBから512GBのmSATA SSD、ディスプレイは1,366×768ドット/タッチ(抵抗膜方式)対応14型、OSはWindows 7/8.1の各エディションとUbuntu 12.04。このほか、GeForce GT 720M(2GB)、DVDドライブを追加可能。

 そのほかのインターフェイスはUSB 3.0×2、USB 2.0×2、HDMI出力、ミニD-Sub15ピン、シリアルポート、カメラなど。Gigabit Ethernetは2ポート装備する。バッテリは6セルリチウムイオン。本体サイズは356×247×52mm(同)、最小構成の重量は約3.54kg。

Latitude 14 Rugged Extreme
取っ手付きで手提げバッグのような外観
厚めの筐体でインターフェイスが豊富。光学ドライブもカバー内に搭載できる

(若杉 紀彦 / 山田 幸治)