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ソニーとパナソニック、容量1TBを狙う長期保存用の光ディスク規格「Archival Disc」

「Archival Disc」
3月10日 発表

 ソニー株式会社とパナソニック株式会社は10日、デジタルデータの長期保存(アーカイブ)用途向けの業務用次世代光ディスク規格「Archival Disc」(アーカイバル・ディスク)を策定したことを発表した。

 温度/湿度の変化に影響を受けにくく、防塵性/耐水性に優れ、フォーマット世代間の互換性が保証されているなど、デジタルデータの長期保存に適した光ディスクをアーカイブ用途に利用するため、映像制作業界のほか、ビッグデータを扱うクラウドデータセンターなどでのニーズが高まっている。この市場に対応するため、光ディスク1枚あたりの容量を引き上げることを目的に、両社が共同で開発を進めてきたもので、今回、ロゴと基本仕様、ロードマップが発表された。

 規格の主な仕様は、片面3層の両面ディスクを用い、トラックピッチ0.225μm、データビット長79.5nmのランド・アンド・グルーブフォーマットでデータを記録。光学部は波長が405nm、開口率(NA)が0.85。エラー訂正符号にはリードソロモン符号を用い、狭トラックピッチ化に伴って増大する隣接トラックからのクロストークを電気的に除去する技術や、高線密度化に伴って低下する再生光スポットの分解能を補正する信号処理技術PPML(Partial Response Maximum Likelihood)を採用している。

 まずは、1枚あたり300GBのシステムを2015年夏以降に各社が市場導入することを目指し、ソニーとパナソニックが保有する符号間干渉除去技術や多値記録再生技術の導入により500GB、1TBへと容量を拡大していく計画としている。

Archival Discのロードマップ

(多和田 新也)