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ベンキュー、27型WQHD液晶やカラーマネージメント液晶など新製品2モデル
~フリッカーフリーをアピール。書画カメラ市場にも参入
(2013/9/12 14:23)
ベンキュージャパン株式会社は12日、グラフィックス市場向けのカラーマネージメント液晶ディスプレイ「PG2401PT」など、新製品2機種を発表。また、都内で行なわれた製品内覧会では、発売を予定している書画カメラが参考展示された。価格は全てオープンプライス。
グラフィックス市場に向けて発売される「PG2401PT」は、カラーマネージメント機能などを充実させた製品。このセグメントでの製品は同社にとって初めて。店頭予想価格は128,000円前後の見込み。10月30日発売予定。
色域はCMYK100%、AdobeRGB 99%をカバーし、階調は10bit。内部処理は14bit 3Dルックアップテーブルをサポートする。色差(⊿E)は2以下。出荷時には全数検査が行なわれ、画面の均一製、⊿E、ガンマカーブなどの詳細なレポートが添付される。
X-Rite製のカラーキャリブレーションソフト「Palette Master」を同梱する。対応のキャリブレータ(別売り)を用いることでハードウェアキャリブレーションも可能。また、専用の遮光フードも付属している。
主な仕様は、パネルがIPS、表面処理が非光沢、解像度が1,920×1,200ドット、表示色数が約10億7,000万色、輝度が350cd/平方m、コントラスト比が1,000:1(最大1,200万:1)、応答速度が12ms(中間色5ms)、視野角が上下/左右178度。
インターフェイスはミニD-Sub15ピン、DVI-D、DisplayPort、Mini DisplayPort、HDMI。3ポートのUSB Hubも内蔵。スタンドは上20度/下5度のチルト調整が可能。
本体サイズは542.6×254×555.4mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約7kg。
CAD/CAMユーザー向けディスプレイとして発表された「BL2710PT」は、2,560×1,440ドット表示に対応した27型液晶ディスプレイ。店頭予想価格は75,800円前後の見込み。発売は9月27日。
同社製品ではおなじみの画像補正技術「Senseye3」、周辺光量に基づく自動輝度補正機能のオートアイプロテクトセンサー、人感センサーなどを搭載するのに加え、新たにCAD/CAMに適した画質プリセットが用意される。
スタンドは上20度/下5度のチルト調整のほか、90度ピボットに対応。専用ソフトの「ディスプレイパイロット」との連携により、ピボットしたことを判定して画面を自動回転させられる。また、このソフトウェアはWindowsのデスクトップ上を仮想的に分割して、複数のウィンドウを並べやすくする機能も備える。
主な仕様は、パネルがAHVA、表面処理が非光沢、解像度が2,560×1,440ドット、表示色数が約10億7,000万色、輝度が350cd/平方m、コントラスト比が1,000:1(最大2,000万:1)、応答速度が12ms(中間色4ms)、視野角が上下/左右178度。
インターフェイスは、ミニD-Sub15ピン、Dual Link DVI-D、DisplayPort、HDMI。3W+3Wのスピーカー、USB 3.0×2/USB 2.0×2の各Hubも搭載する。
本体サイズは639×259×397mm(同)。重量は約8.2kg。
内覧会では本製品などに搭載されている同社のフリッカーフリー技術のデモも実施。LEDバックライトの輝度調整には、高速で電力のオン/オフを切り替えるPWM制御が広く用いられている。
PWM制御は液晶ディスプレイに限らず電気製品では広く用いられており、供給する電力に対して100%出力させる(この場合は輝度と置き換えてもいい)ならオンの時間を100%、60%ならオン60%/オフ40%、30%ならオン30%/オフ70%といった具合にオン/オフの比率(デューティー比という)を変えて制御する。技術も確立されており、LEDバックライトにおいては広い輝度範囲で安定した制御を行なえるのがメリットだ。
しかし、輝度を下げた場合にはLEDをオフにする時間が長くなり、フリッカーと呼ばれる現象が発生する。フリッカーは認識できていなくても、眼精疲労などに影響があるという。
このフリッカーをなくすのが「フリッカーフリー技術」だ。これは、LEDバックライトの輝度制御にPWM制御を用いずに、供給する電力そのものを変更させる“DC方式”を採用し、原理的にはフリッカーをなくすことができる。
この方式は特に電力が低くなったとき(輝度を下げたとき)に安定した電力供給が難しくなるが、それを克服して実用レベルに引き上げているのが同技術の特徴となっている。
9月末~10月に書画カメラを国内投入
このほかに内覧会では、9月末から10月に発表を予定している書画カメラ(実物投影機)「S30」が参考出展された。店頭予想価格は57,750円前後が見込まれている。
500万画素センサーを内蔵し、レンズは5倍ズームのF3.5、オートフォーカス機能などを搭載。出力はUSBまたはミニD-Sub15ピン。USBはPCと接続し、PC側からプロジェクターなどへ出力する、という使い方になる。
アーム部は自由な稼働が可能な、いわゆる“グースネック”と呼ばれるタイプ。本体サイズは最大210×367×645mm(同)、重量は1.2kg。
同社では海外の一部の国で書画カメラを投入していたが、本製品により国内にも参入。文教を中心に展開していくという。内覧会では、同社の短焦点プロジェクター「MW820ST」と組み合わせて、教卓から黒板ほどの距離で書画カメラの映像をプロジェクターで投影できることを示すデモを実施した。