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Wi-Fi Alliance、WiGigの認定ロゴを公開

~DisplayPortへの無線4K伝送や、Wi-Fi/WiGig両対応ルーターのデモも実施

「WiGig CERTIFIED」ロゴ
9月10日 発表

 Wi-Fi機器の相互接続性認定などを行なう業界団体のWi-Fi Allianceは10日、都内で発表会を行ない、WiGigの認定ブランドを「WiGig CERTIFIED」とするとともに、そのロゴを公開。マーケティング&プログラムマネジメントディレクターのケリー・デイヴィス フェルナー氏が説明を行なった。

 WiGigは、60GHz帯を用いて数Gbpsの高速な通信ができる無線規格。高速ではあるが、通信可能距離が短いため、PCなどの機器とディスプレイの間の接続を無線化することなどを想定している。元々、Wi-Fiとは別の生い立ちで生まれた規格だが、この1月にWi-Fi Allianceに統合され、現在ではWi-Fi AllianceがWi-FiとWiGigの双方のマーケティングや認定活動などを行なっている。

 そういった状況の下、今回同団体が2014年から実施するWiGig機器の相互運用認定プログラムのブランドとロゴが決定した。ロゴについてはWiGig単体の認証ロゴと、Wi-Fi/WiGig両方をセットにしたものが用意される。

ケリー・デイヴィス フェルナー氏
Wi-FiとWiGigをセットにした認定ロゴ

 プログラムでは、MAC/PHYレベルでのWiGig機器の相互接続性を検証/保証するのに加え、Wi-FiとWiGigのシームレスな切り替えについても同様に検証/認定を行なう。これは、「Fast Session Transfer」(FST)と呼ばれるもので、WiGigでの通信が途切れると、自動的にセッションを継続したままWi-Fiに切り替える(あるいはその逆)といった事を行なう。ただし、FSTがサポートするのは、標準でWi-FiとWiGigを両搭載するデバイスに限られる。

 また、Wi-Fi Allianceは、デバイスと周辺機器のドッキング、デバイス-ディスプレイ間の接続、ワイヤレスのシリアル接続、SDやPCI Express経由の入出力といった複数のプロジェクトも進行させており、2015年からそれら追加アプリケーションの認定を行なう。

 さらに、同団体は、USB-IFやVESAなど他の業界団体とも連携しており、Media-Agnostic USB Specification(メディア非依存のUSB仕様)や、DisplayPortを試用した製品認定などを行なっていく予定。

 発表会場では、実際にWiGigを使った無線伝送のデモが行なわれた。1つは、WiGigを内蔵したノートPCから、DisplayPort出力を持ったドッキングステーションに4Kの映像信号を送るというもの。

 もう1つは、同様のPCと、Wi-Fi(IEEE 802.11n)およびWiGig(11ad)に両対応したストレージ内蔵ルーター間のファイル転送で、Wi-Fiでは10MB/sec程度だったのが、WiGigでは65MB/sec程度の速度が出ていた。

 まだWiGig対応の民生機器はほとんどないが、同団体では認定プログラムが開始される2014年を皮切りにWi-Fi/WiGig両対応の機器が市場に投入されると見ている。

認定作業は2014年から開始
2015年以降は認定アプリケーションを追加
USB-IFやVESAなどとも連携
WiGigからDisplayPortドッキングステーションへの4K伝送デモ
WiGigからWi-Fi/WiGig両対応ルーターへのファイル転送デモ。下のグラフがWiGig

(若杉 紀彦)