日本マイクロソフト株式会社と株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ(NTTドコモ)は1日、法人向けタブレット市場の開拓を目的とした協業を行なうことで合意したと発表した。
具体的な協業内容は、NTTドコモのLTEサービスであるXi(クロッシィ)を組み合わせたWindows 8タブレットの共同顧客開拓や営業の開拓、共同プロモーションによる需要喚起、パートナーソリューションの共同開拓/連携など。セキュリティや管理性を確保しながら、法人で求められる機能を備えたWindowsタブレットを、社外でも社内回線などに高速接続できるソリューションとして訴求する。
Windows 8は10月26日に発売されたばかりだが、日本マイクロソフト代表執行役社長の樋口泰行氏によると、Windows 8端末についてすでに大手含め100社以上の法人から引き合いがあり、そのうち約半分がWindows 7タブレットの導入を取りやめ、Windows 8に変更したという。その背景には、これまでのタブレット端末では、基幹業務用に別途PCが必要だったが、Windows 8タブレットでは両方に利用できるだけでなく、マルウェア対策の実装、セキュアブート、スマートスクリーンなどWindows 7よりもセキュリティが強化された点などがある。
利用シーンとしては、対面販売や在庫管理現場などを想定しており、樋口氏は、将来的には小売り現場にも押し広げたいとした。
樋口泰行氏 | 協業の主な内容 | Windowsタブレットならこういったこれまでの問題点を解決出来る |
一方、NTTドコモ代表取締役社長の加藤薫氏は、Windows 8の高い操作性の豊富な製品バリエーションと、企業内のWindows環境との親和性、既存資産の有効活用という点でWindows 8タブレットに注目しているという。これにドコモのXiを加えることで、今後年20%で成長するとみられるタブレット市場をさらに拡大したいとの意気込みを示した。
現時点でXi対応のWindows 8タブレットはパナソニックの「Let'snote AX」しかないが、今後NEC、富士通、東芝、日本HPなどから搭載機が登場予定という。
両社は今回の発表に先駆けてすでに営業活動を行なってきており、加藤氏はすでに大きな手応えを感じていると述べた。
また加藤氏は、提携の今後について、法人以外へのマス市場、およびWindows Phone 8への展開も検討していることを明らかにした。Windows Phone 8の投入時期は明言しなかったが、市場動向を見据えながら検討を進めていくという。
NTTドコモではAndroidタブレットも扱っているが、Windowsタブレットの棲み分けについて加藤氏は、「何を選ぶかはお客様次第。ただし、今後Windows 8タブレットは普及が進んでいくだろう」との見通しを示した。
加藤薫氏 | 提携のポイント | 提携は両社だけでなくパートナーも交え、エコシステムを構築/提供する |
(2012年 11月 1日)
[Reported by 若杉 紀彦]