ターガス、世界の8割のノートPCに対応する充電機能付きUSB 3.0ドック
~今後は日本でPC周辺機器事業を強化

「ACP71APZ-50」

9月初旬 発売
価格:オープンプライス



 ターガス・ジャパン株式会社は、ディスプレイ出力、LANポート、音声入出力、USB Hub機能を搭載するUSB 3.0ドッキングステーション2製品を9月初旬より発売する。店頭予想価格は、ノートPC充電機能付きの「ACP71APZ-50」が29,800円前後、同機能なしの「ACP70APZ-50」が26,500円前後。

 PCとUSBケーブルで接続するだけで、USB 3.0×2、USB 2.0×4、DVI-I、HDMI出力、Gigabit Ethernet、音声入出力が追加されるドッキングステーション。対応OSはWindows XP/Vista/7。ビデオ出力は独立して利用できるので、ノートPCの画面と合わせると3画面構成で利用できる。

 特徴的なのはACP71APZ-50のノートPCの充電機能。2製品とも、ACアダプタが付属し、セルフパワードHubとして機能するが、ACP71APZ-50には最大90Wの出力機能があり、ノートPCの電源を同製品から直接とることができる。

 ノートPCの電源コネクタの形状はさまざまだが、同製品は天板を開けられるようになっており、その中に7つのパワーチップと呼ばれる電源コネクタが同梱されている。これにより、世界のノートPCの8割、Ultrabookではそれ以上の機種に対応できるという。

 また、ノートPCによって対応できる電圧/電流に差があるが、ファームウェアで接続先の機器を判定し、出力の調整を行なう。また、本体のLANポートをネットワークにつないでおくと、ファームウェアの自動更新も行なわれる仕組みになっており、随時対応機器が増えている。同社ではMacBookへの対応も予定しており、これもファームウェアの自動更新だけで行なえるという。

 さらにパワーチップについても、同梱のもので対応できない製品が登場した場合は、新しいチップを製造し、送料と手数料以外は無償でユーザーに提供する予定としている。これにより、企業で導入した場合、ノートPCのメーカーを揃えずとも、共通のドッキングステーションを利用できる。

 ACP71APZ-50の細かな仕様として、最大出力解像度は1画面当たり2,048×1,152ドット、USBポートの出力電流は2.0が0.5Ah、3.0が0.9Ah。本体サイズは約425×170×80mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約1.3kg。本体は横長のくさび形となっており、その上にノートPCを載せられる。

 本体形状、ノートPC充電以外の機能はACP70APZ-50も共通。

左側面にUSB 2.0と音声入出力右側面にUSB 3.0とセキュリティポート背面。左からUSB 3.0、電源、ノートPC用電源、USB 3.0アップリンク、HDMI、DVI-I、Gigabit Ethernet、USB 2.0×3
天板を開けると7つのパワーチップ実機の内部写真。主立ったメーカーのパワーチップ対応表があるACP70APZ-50

 同社は国内ではバッグやケースなどのアクセサリメーカーのイメージが強いが、ワールドワイドでは、今回のような周辺機器ハードウェアも手がけており、その売上高はLogitech(ロジクール)とMicrosoftの2社のハードウェア合計売上高を超えるという。

 また、同社がワールドワイドで販売するドッキングステーションのうち、自社ブランドのものは2割に過ぎず、残りの8割はPCメーカー向けのOEM製品だという。その開発協力で得られた情報を元にしているため、ACP71APZ-50の各社製品との互換性には絶対の自信を見せている。

 Ultrabookは、高性能でありながら可搬性も高いが、一方でポートが削られ、ドッキングステーションが用意されるものはほとんどない。ターガスではそういった状況を好機と捉え、日本でも今回の製品をはじめとした周辺機器事業を積極展開していくという。

 具体的には、Ultrabookに合わせ、アルミ素材を使い、共通の薄型デザインとした、USB Hub+Ethernet、本体の上半分を180度回転させることでPowerPointのコントローラにもなる薄型マウス、タッチ対応機向けスタイラス、ACアダプタを年末までに製品化の予定。同社らしく、それらをすべて収納できるポーチも用意する。

Ethernetポート付きUSB Hub。以下の写真はすべてモックアップにつき、製品版では変更になる可能性がある
薄型マウス。上部を反転させるとPowerPointのコントローラになる今後増えるタッチ対応機向けのスタイラス。付属のシールをPCの背面に貼ることで、磁力で本体脇に留めることができる
薄型ACアダプタ。こちらはプラスチックの外観。オプションで2.1Aの出力が可能なUSBポートを持つ中継器も用意これら全てを収納できるポーチもある

(2012年 8月 23日)

[Reported by 若杉 紀彦]