ワコム、タッチ/10億色表示対応の24型液晶タブレット「Cintiq 24HD touch」

Cintiq 24HD touch

7月26日 発売
価格:オープンプライス



 株式会社ワコムは、液晶タブレットシリーズの最上位モデル「Cintiq 24HD touch」を7月26日に発売する。価格はオープンプライスで、直販価格は328,000円。対応OSはWindows 7およびMac OS X 10.5.8以降。

 現在発売中の「Cintiq 24HD」の上位モデルで、Intuos4/5で採用されている電磁誘導方式のペン入力に加え、新たに静電結合方式によるマルチタッチをサポートした。また、14bit 3Dルックアップテーブルを備え、IPS方式のパネルと相まって10億7,374万色の表示が可能となった(DisplayPort接続時のみ)。色域はAdobeRGBカバー率97%。

 別売りのカラーセンサーと付属の「Color Calibration Software」によるハードウェアキャリブレーションをサポートする。スタンドは垂直と2~75度のチルトに対応。液晶左右にタッチホイールやファンクションキーを備えた「エクスプレスパッド」を搭載し、操作性を向上させた。

 液晶の主な仕様は、解像度が1,920×1,200ドット(WUXGA)、応答速度が13ms、輝度が300cd/平方m、コントラスト比が850:1、視野角が上下/左右ともに178度。タブレットの主な仕様は、分解能が最高0.005mm、精度が±0.5mm、読み取り可能高さが5mm、筆圧レベルが2,048レベル、傾きレベルが±60レベル。

 インターフェイスはDisplayPort、DVI-I。タブレット機能はUSB 2.0を利用し、1ポートのUSB 2.0 Hubを備える。本体サイズは769.3×64×463.7mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約28.6kg。

対応アプリではマルチタッチでキャンパスの角度を変えられるスタンドのチルトで本体の高さを大きく下げて楽な姿勢で操作できるスタンド後部
Cintiq 22HD

 このほか、ミドルレンジ向けでタッチ非対応/21.5型の「Cintiq 22HD」も同時発売される。価格はオープンプライスで、直販価格は198,000円。

 現在発売中の「Cintiq 21UX」の後継モデルで、解像度が1,600×1,200ドット(UXGA)から1,920×1,080ドット(フルHD)となった。また、コントラスト比はシリーズ最高の1,000:1となっている。

 左右の8つずつのファンクションキーや液晶背面のトラックパッド、回転/チルトが可能なスタンドなどの操作系を継承。タブレット部もIntuos4/5の技術を取り入れ、分解能や精度などはCintiq 24HDと共通。

 液晶のそのほかの仕様は、表示色数が1,677万色、応答速度が14ms、輝度が230cd/平方m、視野角が上下/左右ともに178度。インターフェイスはDVI-I。タブレット機能はUSB 2.0を利用。本体サイズは650×55×400mm(同)、重量は約8.5kg。


タブレット本体を持って操作するイメージスタンドはCintiq 21UXを踏襲本体上部に備え付けられたメニューボタン
ショートカット一覧を表示する機能左右に8つのファンクションキーを1セットずつ装備本体を好きな角度に回せる
米嶋貢氏

 10日に都内で開かれた製品発表会では、同社 ジャパン・アジア・パシフィック統括本部 タブレット営業本部 本部長の米嶋貢氏が挨拶。「我々の製品はデザイン分野で多く活用されているが、その中でも液晶タブレット“Cintiq”は我々が起業した当初から目指していた、紙と鉛筆のような使い勝手を実現したもの。タブレット端末の普及によりコンテンツの高精細化、それに伴う業務の複雑化が顕著となっているが、新製品の投入により、デジタルワークフローの効率化をサポートし、このニーズに応えたい」とした。

 特にCintiq 24HD touchの14bitルックアップテーブルやAdobeRGBカバー率97%の色再現性、ハードウェアキャリブレーション機能について取り上げ、これまでコンテンツの制作はCintiq、色の確認は別ディスプレイで行なう手順が必要だったが、新機能によりCintiq 1台でまかなえるようになったと業務効率化をアピールした。

AdobeRGBカバー率97%を謳う14bitルックアップテーブルによるなめらかなグラデーションCintiqにおけるマルチタッチの位置づけ
Cintiq 24HD touchの操作デモアニメーションや3DCG、デザインをターゲットCintiqシリーズの位置づけと価格

 アドビ システムズ株式会社 マーケティング本部 栃谷宗央氏もゲストとして招かれ、「我々は以前からワコムと密接に協力し、最終製品レベルでの機能統合を実現している。私もCintiq 24HD touchを試用して、カラーマネジメント対応、デザイン、マルチタッチ対応が“良い”と感じられたが、Adobe製品と合わせて活用することでその良さがさらに活かされる」と述べた。

栃谷宗央氏PhotoshopとCintiq/Intuosの連携

(2012年 7月 10日)

[Reported by 劉 尭]