Gartner、2011年世界半導体市場は微増の3,020億ドルの見込み
~Qualcommが躍進

12月19日(現地時間) 発表



 米Gartnerは19日(現地時間)、2011年の世界半導体市場の速報値に基づく見通しを発表した。

 発表によれば、2011年の半導体市場は前年比0.9%増の3,020億ドルに留まるとした。2011年初頭は、2010年からの受注残があり好調だったものの、後半は世界経済の先行きが不安となり、消費者や政府は半導体への支出や投資を抑えた。また、2011年は自然災害にも見まわれ、東日本大震災やタイの大洪水などが影響した。

 売上高ランキングでは、Intelが20年連続1位の510億5,200万ドルで、シェア16.9%。2011年前半のPC需要や、WestmereやNehalmeのサーバー向け製品が好調だった。なお、数値にはInfineon Technologiesから買収したワイヤレス部門の売上、約14億ドルが含まれている。

 2位はSamsungで、291億5,000万ドル。DRAMは苦戦したものの、NANDフラッシュは堅調に推移。また、ワイヤレスプロセッサの売上が増えた。なおSamsungはAppleに、iPhone 4SやiPad 2に搭載されているA5プロセッサを供給している。

 3位はTexas Instrumentsで、120億8,200万ドルと、2010年から順位を1つ上げた。TIは第3四半期にNational Semiconductorを買収し、アナログ半導体を強化した。一方3位と入れ替わり4位に転落したのは東芝で、NANDは好調だったものの、液晶TV向けロジックICの減少が影響した。

 5位はルネサス エレクトロニクスで、成長率は5%だが、2010年の売上にはルネサス テクノロジの第1四半期の売上が含まれておらず、この売上を含めた場合、成長率は7.9%減となる。東日本大震災による工場の被災が売上に影響した。

 2010年では9位だったQualcommは、6位に躍進し大きく順位を引き上げた。同社のモデムはApple、HTC、RIMやNokiaなどに採用され、スマートフォンの高成長で20%増の出荷となった。また、第2四半期にはAtheros Communicationsを買収した。

 以下、7位はSTMicroelectronics(前年は5位)、8位はHynix Semiconductor(同7位)、9位はMicron Technology(同8位)、10位はBroadcomとなった。

(2011年 12月 20日)

[Reported by 劉 尭]