ASUS、Intel X79搭載のマザーボード3シリーズ

11月14日 発表



 ASUSTeK Computerは14日、Intel X79 Expressチップセットを搭載するマザーボード3シリーズ5製品を発表した。

●P9X79シリーズ

 P9X79シリーズは、「P9X79」、「同PRO」、「同DELUXE」の3製品を用意。共通の特徴として、CPUとメモリそれぞれに専用のデジタルパワーコントローラを搭載。これにより、メモリはチャネル毎に電流などを細かく設定でき、安定性とオーバークロック耐性を両立させた。

 Intel X79 Expressでは、Intel Z68 Expressで採用されたSSDをHDDのキャッシュ代わりに利用するSRTが搭載されていないが、ASUSTeKでは専用チップにより独自にこの機能を実現(P9X79を除く)。Intel純正の機能より、使用が簡単で、制限や負荷がなく、データ損失に備えバックアップ機能も搭載するという。

 既存製品でも、スマートフォンなどのBluetooth端末をリモコン代わりにしてPCを制御するBT GO!機能があるが、新製品ではBT GO 3.0!になった(DELUXEのみ)。名称の示す通り、Bluetoothは3.0になったのに加え、PC間でファイル転送させる際に、Bluetoothだけでなく、Wi-Fiを利用可能になった。

 BIOS周りでは、専用のチップにより、USBでのアップデートが可能。USBメモリにBIOSイメージを保存しておき、マザーボードに挿入し、バックパネルにあるアップデートボタンを押すだけで、更新ができる。

 また、BIOSはUEFIとなっており、メモリのチェック機能、頻繁に変更する項目をお気に入りに登録する機能も追加された。

 USB 3.0はチップセットに含まれないので、コントローラを別途搭載している。独自のTurboモードにより、従来のUSB 3.0/2.0機器を繋いでも、転送が高速化されるが、このコントローラは「UASP (USB Attached SCSI Protocol)」に対応しており、同プロトコル対応機器を繋ぐと、速度が最大170%高速化され、USB 3.0の帯域をフルに活用できるという。

 なお、国内で発売されるのはP9X79 PROと同DELUXEで、発売日は11月14日。店頭予想価格は順に30,000円前後、35,000円前後。

 違いは、DELUXEの方がUSB3.0が2ポート、Gigabit Ethernetが1ポート多く、Bluetoothが3.0になっており、電源のフェーズが多い。

 それ以外はほぼ共通で、メモリは8スロット/最大64GB、拡張スロットはPCI Experss x16×4、PCI Express x1×2、SATA 6Gbps×4、SATA 3Gbps×4、eSATA 6Gbps×2、USB 3.0×8/6、USB 2.0×12、Gigabit Ethernet×2/1。オーディオはDTS Surround Sensation Ultra PC IIに対応。オーバークロック制御チップのTPUを搭載する。

CPUとメモリそれぞれにパワーコントローラを搭載SRTより高性能を謳うSSDキャッシングBT GO!機能も強化
BIOSはUSB経由でワンタッチで更新可能UASPに対応するUSB3.0コントローラを搭載DTS Ultra PC IIにも対応
P9X79 PROP9X79 DELUXEP9X79 DELUXEのバックパネル

●SABERTOOTH X79

 「SABERTOOTH X79」は、フェライトチョーク、コンデンサ、MOSFETなどについて、米国国防総省のMilitary Standard規格を満たした部品を搭載し高耐久を謳う製品。-40~85℃の環境でも動作するという。発売は11月14日で、店頭予想価格は33,000円前後。

 冷却性能を向上させるため、チップセットとバックパネル部にファンを装備。バックパネル部には、CPUとメモリの電源コントローラからヒートパイプが伸びており、この廃熱を筐体外に逃がすようになっている。これにより、VRMやバックパネル近辺のICの温度を通常より7℃以上、チップセット温度を5℃以上下げられるという。

 さらに、ボード上の12カ所に温度センサーを搭載。Windows上で詳細な温度情報を監視でき、それに応じたファン制御もできる。

 このほか、P9X79同様、CPUとメモリそれぞれ専用のパワーコントローラや、独自のSSDキャッシング機能、UEFI BIOSを搭載。

 主な仕様は、メモリは8スロット/最大64GB、拡張スロットはPCI Experss x16×3、PCI Express x1×2、PCI、SATA 6Gbps×4、SATA 3Gbps×4、eSATA 6Gbps×2、USB 3.0×6、USB 2.0×14、Gigabit Ethernet。

Military Standard規格を満たした部品を搭載熱源となる電源とチップセットに対してファンを搭載12カ所の温度をリアルタイムで計測できる
温度環境は-40~85℃に対応SABERTOOTH X79バックパネル

●Rampageシリーズ

 今回日本では発表されないが、R.O.Gシリーズに属する「Rampage IV Extreme」も情報が公開されている。

 液体窒素などを使ったオーバークロックも見据えたハイエンド製品。オーバークロックを行なうための、DVIアダプタ「OCKEY」が付属。ビデオカードとディスプライの間にかますことで、CPUの温度、電圧、倍率、周波数などを画面上にリアルタイムでオーバーレイ表示できる。これにより、フルスクリーン表示するベンチマークやゲームソフトの実行中なども、状況に応じたオーバークロック制御ができる。設定は、OCKEY内に保存可能。

 また、通常460ドル程度するという-200~1,350℃に対応するKタイプの温度センサーを繋ぐためのコネクタをオンボードに装備。ここで検知した温度情報も、OCKEYを使った画面に表示できる。

 ビデオカードのオーバークロックも考慮し、ビデオカードの電圧を制御するジャンパを搭載。半田づけ作業が必要になるが、ビデオカードから結線することで、容易に電圧を制御できる。

 このほか、LGA 1366用クーラー向けのパッドが付属し、LGA 2155用だけでなく、既存のLGA 1366用のクーラーを使うことができる。

オーバークロック設定をオーバーレイ表示するOCKEYこのように表示されるKタイプの温度センサ用コネクタを装備
Rampage IV ExtremeバックパネルExtreme以外に、FormulaとmicroATXのGeneも海外では予定されている

(2011年 11月 14日)

[Reported by 若杉 紀彦]