中学生の職場訪問に米Microsoftのプレジデントのクルトワ氏登場

日本マイクロソフトの樋口泰行代表取締役社長が、Microsoftインターナショナル担当 プレジデントであるジャン・フィリップ・クルトワ氏を紹介

2月25日 開催



 2月25日、日本マイクロソフト株式会社は、品川区立大崎中学校の学校訪問の様子を公開した。

 これまで同社では、小学校、中学校、高校、大学、大学院などから寄せられる、個別の訪問要求に対応してきた。今回、品川本社に移転し、見学可能なスペースが増えたことから、学校向けの見学要求に正式に対応していくことになった。

 正式な学校のオフィス見学第1回目として、品川オフィスがある品川区立大崎中学校の生徒を迎え、見学会を開催した。

ジャン・フィリップ・クルトワ氏

 今回は、ちょうど来日中だった米Microsoft インターナショナル担当のジャン・フィリップ・クルトワ氏と、日本マイクロソフトの樋口泰行社長も登場した。

 冒頭、樋口社長はフランスのパリに住んでいるクルトワ氏を、「日本を含めた世界各国を担当するプレジデントです。普段はフランスのパリに住んでいて、日本にも年に2回くらい来てくれます。彼に現在どんな仕事をしているのか、なぜマイクロソフトで仕事をするようになったのかなどを話してもらいます」と紹介した。

 笑顔で登場したクルトワ氏は、「私の名前は(Jean-Philippe Courtois)。長いし、うまく発音できない人が多いので、仲間達は私のことをJPCと呼びます」と自己紹介。自分の仕事がカナダ、北米を除く、全世界のMicrosoftの事業を統括することだと説明した。

 中学生は10人前後のグループとなって、タブレットPCの置かれたテーブルに着席。本来は、このタブレットPCを使ってクルトワ氏が出す質問に答える予定だったが、タブレットPCの中に動作しないものがあったことで、手を挙げて質問が出された。


中学生が座っているテーブルにはペンタブレットPCがクルトワ氏から出された質問にペンタブレットで回答を入力する中学生

 「ビル・ゲイツを知っていますか?」という質問に対しては、知っていると手を挙げた中学生と、知らないと手を挙げた中学生がほぼ同数。世界一のお金持ちとして知らない人はいないと思われたビル・ゲイツ会長だったが、日本の中学1年生の認識率は意外に低かった。

樋口社長も熱心に中学生がペンタブレットに回答する様子をのぞき込むクルトワ氏からの質問は、「あなたはビル・ゲイツを知っていますか?」というものだったが……写真付きでビル・ゲイツ氏を説明されても、中学生達はどこか興味なさそうな様子も
「マイクロソフトは何カ国で仕事をしているでしょう?」といった、マイクロソフトカルトQといった趣の質問も

 その後、「Microsoftは何カ国で仕事をしているでしょうか?」、「日本マイクロソフトは設立何周年を迎えたでしょうか?」といった、大人でも答えるのが難しい質問が出された。

 質問コーナー終了後は、中学生からクルトワ氏への質問タイム。「なぜ、Microsoftに入社したのですか?」、「日頃、どんなところに満足感を感じていますか?」、「世界中にたくさんのソフト会社がある中、Microsoftの製品がたくさん使われているのはなぜでしょうか?」、「ハードウェアを提供していないのは何故ですか?」という質問が、それぞれ代表者から英語で行なわれた。

 クルトワ氏は、「ちょうど27年前にMicrosoftに入社しましたが、ソフトウェアは変化を可能にするものだと考えたからです。ソフトは、皆さんのような生徒さんをはじめ、企業、国などが利用することで、成功に至る助けができるものだと考えています。私自身、技術というものに関わっていることに情熱を感じています。ただし、世界人口は60億人です。そのうちソフトを使っているのは10億人程度です。我々の製品は、Windows、Officeなど世界中で利用されているというものの、ソフトを使っていない50億の人達が残っています。貧しい国に住んでいる人達が、Windows Phone 7を使うことでよりよい生活を送ることができる可能性があります。ソフトは、世界を変えるものだと私は信じています。それから、Microsoftは、ソフトウェアだけでなく、ハードウェアも手掛けています。ゲーム機として知られているXbox 360、大変エキサイティングな、身体や指の動きで操作するKinectがその代表です。偉大なソフトによって実現されたハードウェアを、皆さんにもそれを楽しんでもらえばと考えています。今日は、体験できる場も用意しているので、是非、試してみてください」と笑顔で質問に答えた。

 樋口社長とクルトワ氏が退場すると、テーブルごとにマイクロソフト社員がついて、自分がマイクロソフトで働くことになった理由や、中学生の頃、どんなものに興味があり、そこからどういう経緯で、マイクロソフトで働くことになったのかを30分にわたりプレゼンテーションした。

 これは中学生側から「どうしてマイクロソフトで働くことになったのか?」といった、働いている人に対する興味が高いことを受けて実施された。

 マイクロソフト側では、今回の中学生の職場訪問を実施することを社内で紹介し、対応してくれる社員を公募。今回のプレゼンテーションは、そこで選ばれた社員が、中学生からの質問を受けながら、現在の仕事をすることになった理由を説明していった。

後半はマイクロソフトの社員有志が自分の仕事や、何故マイクロソフトで仕事をすることになったのか、中学生の時にはどんなことを考えていたのかなどをプレゼンテーション

 参加した社員が公募で選ばれたこともあり、参加した社員はエンタープライズビジネスに携わる社員から、マーケティング担当、開発担当、社長室所属など職種も経歴もバラバラ。テーブルごとに全く異なる内容のプレゼンテーションとなった。

 中学生からは、「英語の勉強法は?」といった外資系企業で働く人に聞くにはうってつけの質問から、「中学時代に熱中していたことはなんですか?」といった、まさに中学生でなければできない質問も飛びだした。

 ちなみに、英語の勉強法を訊ねられた社員は、「自分は英語が不得意だったし、時間もお金もない中で英語を勉強するために、ラジオの英語講座を徹底的に聞きました」と中学生もすぐに活かすことが出来そうな回答。

マイクロソフト社員からのプレゼンテーションで聞いた内容を、中学生達は熱心にメモ
社員によるプレゼンテーション終了後は中学生からの率直な質問コーナー。「中学の時に好きなことは何でしたか?」といった、中学生でなければ出来ない質問が飛ぶ

 中学時代に熱中していたことを訊かれた社員は、「中学時代に好きだったのは歴史でした。でもね、今になってみると、海外に行った時に、『日本はどんな国なんだ?』と質問されて、実はこういう国なんだと歴史が好きで知ったことが今でも生きています」と回答。中学時代の興味は社会人になってもプラスになっていることが伝わってきた。

 その後、品川本社内部を見学してから、Kinectの体験をし、見学ツアーは終了した。

Kinectの体験コーナーでは歓声が飛んだが、「持っている人は?」と質問されると、持っている中学生は少数だった
30階のコンシューマ機器の体験コーナーで人気が高かったのは……「日本では発売前の製品」という一言で興味を呼んだ、Windows Phone 7

(2011年 2月 28日)

[Reported by 三浦 優子]