マイクロソフト株式会社は6月30日、「冴子2010」こと冴子先生の卒業セミナーを東京・渋谷で開催した。イベントには、冴子先生はもちろんのこと、「謎のフィクサー」や、これまでTwitterでのみ活動していた「カイル2010」も顔出しで登場し、冴子先生の最後の晴れ舞台を盛り上げた。
すでに過去記事で何度も紹介しているとおり、冴子先生は、もともとは過去のバージョンのOfficeでヘルプ機能のアシスタントとして登場していたキャラクタだが、Office 2010のキャンペーンキャラクタとしてリアルな存在で復活した。
冴子先生の目標は、Office 2010の良さを伝えるセミナーを行ない、2,010人のユーザーから「Office 2010、いいね!」と言う声を集めること。4月25日の新宿を皮切りに、北は北海道から南は福岡まで、全国各地で数十回のセミナーを実施した。
最後のセミナーとなる今回までに集めたいいね! は、延べ1,968個。今セミナーには、冴子先生のTwitterフォロワーの中から抽選で当選した103名が参加したので、その半数からいいね! をもらえれば、無事目標達成となる。そんな緊張感に包まれる中、イベントはスタートした。
最初にステージ上に登場したのは、なんとカイル2010の中の人。Twitterのプロフィールでは「たまに毒舌」となっているが、気がついたらいじられキャラになっていたカイル2010の正体は、マイクロソフトの社員。
普段表舞台に出ない立場の人だと思うのだが、なぜか場慣れしたマイクパフォーマンスで挨拶をするとともに、冴子先生をステージ上に招き入れると、乾杯の音頭を取った。
続く冴子先生への質問コーナーからは、カイル2010の中の人と同じくマイクロソフト社員である飯島圭一氏も登壇した。飯島氏は、これまで冴子先生と行動を共にし、会場や店頭で自らもデモや説明を行なっていたのだが、そもそもビデオ上で冴子先生に今回の使命を与えたのは、飯島氏だったことがこの場で明かされた。
その後はクイズ大会も行なわれるなど、冴子先生とユーザーとの交流が深められた。ちなみに、勝ち残った5人への賞品は、Office 2010の製品パッケージ! ではなく、イルカ型目覚まし時計だった。
会場は渋谷の某クラブ。参加者には食べ物やお酒も振る舞われた | 初顔出しとなるカイル2010と掛け合いを行なう冴子先生。普段と違う環境で、最初はやや緊張の面持ち | 途中からは飯島氏も参加 |
質問コーナーの一幕。ちなみにこの答えは「ガチです!」とのこと | クイズ大会も実施 | 勝者には冴子先生から賞品が手渡された |
そして、いよいよ冴子先生による最後のセミナーが行なわれた。内容はこれまで通りのもので、Excelのスパークラインの使い方、プレビュー可能なペースト機能、PowerPointの写真や動画の修正機能などが説明された。
記者は冴子先生の第1回のセミナーも取材しているのだが、さすが数十回をこなしただけあり、相当に上達していた。途中、飯島氏がことあるごとに「冴子先生は天然ボケ」であることを力説していたとおり、今回のデモでも若干の操作ミスなどが見られた。また、合間合間で参加者からさまざまなかけ声を掛けられるなど、セミナーの雰囲気もいつもとまるで違っていたのだが、そういったことに動じることなく、終始てきぱきと作業。すべての説明を終えると参加者から歓声が沸き上がった。
だが、重要なのは「Office 2010 いいね!」と思ってもらえたかどうかだ。一瞬静まりかえった会場で、飯島氏が「Office 2010いいね! と思いましたか?」と聞くと、参加者全員から賛同の手が挙がり、通算2,071人のいいね! が集まった。
この結果に、冴子先生は感涙。そして、それを横で見ていた飯島氏も思わずもらい泣き。冴子先生は、声を詰まらせながらも、これまでのセミナー参加者と、当時リアルタイムで中継されていたUstreamの視聴者に感謝の辞を送った。
また、飯島氏は、冴子先生に対して最後に2つのお願い事をした。1つは、応援してくれたユーザーへの感謝を忘れないで欲しいと言うこと。そして、2つめは、何らかの形で、いつかまた戻ってきて欲しい、と言うものだった。その言葉を受け、最後にスクリーンに表示された文字は「冴子2010の2010人Officeの旅 つづく」。これについては、特に説明はなかったのだが、なんとも意味深で、期待を抱かせる。
イベント終了後、感動冷め止まないままの冴子先生が、プレスからのインタビューを受けてくれた。最後のセミナーを終え、目標も達成するも、冴子先生はまだその実感が沸かないと率直な感想を述べた。
これまでを見守ってきた飯島氏は、最初より遙かに成長したと評価したが、今日のセミナーの冴子先生自身の自己採点は78点と厳しめ。そして、できることなら2,010人で終わらせず、これからも20,010人でもいいので続けていきたいと、冗談混じりに答えた。
実際、冴子先生の(再)復帰はあるのか? これについては、飯島氏によると「あるかもしれない」とのことだ。冴子先生も「最初はいろいろ戸惑いはあったけど、フォロワーの方のおかげでTwitterも楽しめるようになりました。また、機会があったら応援お願いします」と意欲的なメッセージで締めくくった。
最後のセミナーを行なう冴子先生 | その評価は……。満場のいいね! | |
目標を達成し、大喜びの2人だが | 最後は2人して涙を流した | ひとまずは今回で卒業だが、冴子先生はまだ意欲に燃えている |
(2010年 7月 1日)
[Reported by 若杉 紀彦]